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ラストアイドル、パフォーマンスを極めた1年 メンバー卒業や新たな出会い……2周年記念コンサートに感じた現在の姿

リアルサウンド

19/12/27(金) 22:00

 ラストアイドルが12月25日、カルッツかわさきにて『ラストアイドル2周年記念クリスマスコンサート』を開催した。

 ラストアイドルは、2017年12月に1stシングル『バンドワゴン』でデビューしてから2周年を迎えた。昨年、TOKYO DOME CITY HALLにて開催した1周年記念コンサートでは、デビューから2期生、2期生アンダーを迎えた1年間の歩みが表れていたが、今年はそれ以降に、パフォーマンスを極めていった現在のラストアイドルの姿が映し出されたコンサートであったように思う。

(関連:ラストアイドル 間島和奏&池松愛理&相澤瑠香が語る、パフォーマンスを通して掴んだ団結力と成長

 2019年、ラストアイドルがリリースしたシングルは『大人サバイバー』と『青春トレイン』の2枚。約3カ月に渡り猛特訓を重ね習得した“歩く芸術”を大胆に振り付けに取り入れた「大人サバイバー」、そして“グループ史上最高難度のダンスパフォーマンス”をテーマに複雑なフォーメーション構成とメンバーのシンクロ、ダイナミックなダンスパフォーマンスを完成させた「青春トレイン」。2曲は、ラストアイドル全体のパフォーマンス能力だけでなく、グループとしての評価も大きく向上させた。その一つの例に、『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)でオンエアされた、振付師・TAKAHIROからの「青春トレイン」大絶賛がある。

 コンサートのスタートを飾ったのは初の45名バージョンでの「大人サバイバー」。楽曲前の、クリスマスツリーをメンバーが形作ったライト演出は「大人サバイバー」の振付師・Zoo-Zooによるものだ。歩くことに重きを置き、視覚的効果を意識した幾何学的な振付は、初の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)出演でも大きな反響を巻き起こした。『Mステ』で披露された“歩く芸術”の演目の一つ、クロス歩行はそれから間奏部分で振付に取り入れられ、この日も間島和奏による指揮のもとパフォーマンスされた。ちょうど1年前、デビュー1周年コンサートのリハーサル時期から“歩く芸術”のプロジェクトがスタートしたことは月日の経過を感じさせた。

 対してコンサートの終盤で披露されたのが「青春トレイン」。登美丘高校ダンス部によるバブリーダンスの仕掛け人・akaneを振付師に迎えたこの楽曲は、実力ランク分けという厳しい状況下の中、メンバー一人ひとりの根性強さ、ダンス力を大きくビルドアップさせた。その恩恵は、感情的なダンスが特徴の「好きで好きでしょうがない」、2期生曲の「愛しか武器がない」をはじめとした多くの楽曲が、1年前とは見違えるほどに成長していることからも歴然だ。

 今回のコンサートは、ラストアイドルの代表曲に加えて、LaLuce、Good Tears、シュークリームロケッツ、Someday Somewhere、Love Cocchi、2期生、2期生アンダーといった各ユニット曲、さらにシャッフルメンバーによるユニット曲も披露された。「デジャヴュじゃない」では篠原望によるテナーサックス、「青春0対0」では岩間妃南子のアコースティックギター演奏が行われ、西村歩乃果によるピアノ伴奏がパフォーマンスされた1周年コンサートと比べると、2期生、2期生アンダーにそのバトンが受け継がれていることに気づく。akane振付によるバックダンスもステージに華を添えていた。

 一方で、今回の2周年記念コンサートは、清原梨央、大石夏摘、田中佑奈といったメンバーの卒業を控える現在のグループの現状もリアルに映し出していた。清原は今回のコンサートをもって卒業。特にSomeday Somewhereのブロックは、彼女の卒業の門出を祝う感動的なハイライトの一つだった。披露したのは「悲しい歌はもう歌いたくない」「Again & Again」「この恋はトランジット」の3曲。サムサムとして初めて与えられたオリジナル楽曲「Again & Again」の大サビでは間島が感極まり、そこから徐々にメンバーへと涙が移っていく。「この恋はトランジット」は、間島と清原のダブルセンター曲。妙に息の合わないところが、デコボココンビとしてファンに愛されていた2人。「この恋はトランジット」のラスト、泣き笑いの表情で6人は顔を寄せ合った。

 またこの日、3月末でグループを抜ける大石、田中の卒業に触れられることはなかった。卒業に対する大石の正式コメントには今回のコンサートが「アイドル人生最後の大きなステージ」とあり、清原同様にステージに懸ける思いは人一倍に強かったことだろう。序盤2曲目で披露された「バンドワゴン」は、LaLuceにとっては原点であり、“ラストアイドル”であるというプライドが込められた楽曲。感情を抑えきれない長月翠は涙を浮かべ、それにメンバーも徐々に気づいてく。大サビからはラストアイドルファミリーとしての「バンドワゴン」となったが、LaLuce5人の王者としての貫禄、積年の思いが入り混じったパフォーマンスだったように思えた。

 Good Tearsも、今年メンバーの卒業を受け3人となった。「桜が咲いたら」は「ソメイヨシノ」のアンサーソングであり、メンバーの卒業を歌った楽曲。次のステップに進んでいるGood Tearsの勇姿は、ほかのメンバーの指針になることだろう。

 今年、ラストアイドルには別れだけではなく、新たな出会いもあった。2周年を祝うコメント映像に登場したのは、「大人サバイバー」の振付を務めたZoo-Zoo、“歩く芸術”の指導者・清原伸彦監督、「青春トレイン」の振付師・akane、ラストアイドルのイベントでMCを務める三拍子。さらに、冠番組『ラスアイ、よろしく!』(テレビ朝日系)MC・霜降り明星の2人は、コンサート途中にサプライズ登場。せいやは、シュークリームロケッツ「君のAchoo!」で松本ももなに連れられ、ハンカチを片手に力強いくしゃみで会場を笑わせた。番組から生まれた間島のツンデレビンタを受けるせいやも披露され、2組の間により良い関係性が築かれていることを感じさせた。

 コンサートラストには、「青春トレイン」から約7カ月ぶり、8thシングルが4月15日にリリースすることも発表となった。表題曲を歌唱できるのは18名、選抜メンバーを決めるためのオーディションバトルが開催される。オーディションへの参加は完全立候補制で、歌やダンスなどの実技による審査を実施するとのこと。以前、間島、池松愛理、相澤瑠香へのインタビューの中で、「今後バトルがあるとしたら」「選抜制の可能性」について聞いた際、それぞれが挑戦への覚悟と新たなラストアイドルの姿を模索していた(参考:ラストアイドル 間島和奏&池松愛理&相澤瑠香が語る、パフォーマンスを通して掴んだ団結力と成長)。この発表を受け、「大人サバイバー」「青春トレイン」と2作連続でセンターを務めてきた阿部菜々実も「物足りないと感じていた」と微笑みを浮かべ愛らしく宣誓。2019年の活動を経た、満を持してのバトル企画と言える。

 別れの先にある新たな出会い、グループの形を見つけに、ラストアイドルはまた追い求める夢に向かって歩みを進める。(渡辺彰浩)

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