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SARD UNDERGROUNDが語る、ZARD 坂井泉水の歌を後世に伝える責任感「今度は自分の声が誰かに元気を与えられたら」

リアルサウンド

20/2/10(月) 12:00

 ZARD トリビュートバンド・SARD UNDERGROUNDが、ZARDのデビュー日である2月10日に1stシングル『少しづつ 少しづつ』をリリースした。テレビアニメ『名探偵コナン』のEDテーマを務める表題曲は、ZARDのボーカル・坂井泉水が遺した未発表詞に、大野愛果が曲をつけて生まれたバンド初のオリジナルナンバー。カップリングにはZARDのデビュー曲「Good-bye My Loneliness」、「愛は暗闇の中で」が収録されている。

SARD UNDERGROUND「少しづつ 少しづつ」MV YouTube Size

 今年30周年イヤーを迎えたZARDの意思を受け継ぐ存在として注目を集めるSARD UNDERGROUND。デビューアルバム『ZARD tribute』を経て、坂井泉水×大野愛果から生まれた「少しづつ 少しづつ」とどう向き合ったのか。神野友亜(Vo)、赤坂美羽(Gt/Cho)、杉岡泉美(Ba/Cho)、坂本ひろ美(Key/Cho)に、“ZARD”という大きなプレッシャーと責任感を感じつつ、SARD UNDERGROUNDとして見出したバンドとしての強みについて話を聞いた。(編集部)

「ZARDを深く知るほど、どんどん好きになっていく」

神野友亜

ーーSARD UNDERGROUNDは昨年9月、ZARDのカバー曲を集めた1stアルバム『ZARD tribute』でメジャーデビュー。そこから約5カ月経った今の心境はいかがですか?

神野友亜(Vo):デビューにあたっては不安も大きかったんですけど、アルバムがリリースされ、それを聴いてくださった方の反応をいただいたりしたことで、SARD UNDERGROUNDとしての責任感をより強く感じるようになりました。今は自信を持ってZARDさんの曲を届けて行こうという気持ちになっていますね。

ーー当初はどういった不安があったんでしょう?

坂本ひろ美(Key);やっぱりZARDさんの存在が大きすぎるので、「私たちにできるのかな?」っていう不安ですよね。

神野:楽曲の再現という部分でも、どうすれば今の世代の人たちにZARDさんの素晴らしさを伝えられるだろうっていう不安もありましたし。

ーー確かにプレッシャーを感じるのは当然ですよね。

神野:そうですね。長戸大幸プロデューサーに「ZARDの曲を後世に伝えて行って欲しい」と言っていただいた時のプレッシャーはまだ鮮明に覚えています。

坂本:実際、当時のZARDさんにかかわられていたスタッフさんも、私たちの周りにはたくさんいらっしゃいますからね。この大役をしっかり務めなきゃなっていう気持ちが引き締まる思いもありました。

ーーとは言えZARDのことが好きという共通項を持った4人が集まったそうなので、アルバムには往年のファンも納得の“愛”がこもっていたように思います。いい形で受け入れてもらえた手ごたえもあったんじゃないですか?

坂本:そうですね。私たちはそれぞれSNSをやっているんですけど、そこにあたたかいコメントをたくさんいただくことができました。一方では、私たちの作品をしっかり聴いていただいた上で真摯な意見をくださった方もいて。それもまたありがたかったです。あと、親子でライブに来てくださる方も多いので、すごいうれしいですね。

ーーZARDの楽曲に対してはどんな部分に魅力を感じていますか?

神野:まず坂井泉水さんの歌詞が本当に素敵ですよね。さらに、その歌詞を届ける歌いまわしも素晴らしくて。Aメロ、Bメロからの流れを考えたサビでの歌い方、さらに同じサビでもすべて違った歌いまわしをされていたりもするので、本当にすごいなって思います。同じボーカリストとして、もう尊敬の気持ちしかないです。

坂本:複雑すぎず、でも歌詞をしっかり引き立てるメロディがすごく好きです。サビでは聴き手の感情をしっかり盛り上げてくれますし。あと、サビに出てくるフレーズが曲名になっていることが多いので、タイトルを見ただけで頭の中に曲がパッと流れてくるところもいいなって思います。

赤坂美羽(Gt):メロディも歌詞も、人を引き付けて離さない魅力がありますよね。ZARDさんのことを深く知れば知るほど、どんどん好きになっていきます。

杉岡泉美(Ba):楽曲の良さはもちろんなんですけど、歌っている坂井泉水さんもとても魅力的な方じゃないですか。すごくキレイで、どこか謎めいている。そのギャップに惹かれて、「もっともっと知りたい!」って思っちゃうんですよね。

「坂井泉水さんの歌に元気をもらってきた」

杉岡泉美

ーーみなさんの年齢からすると、ZARDの活動のすべてをリアルタイムで見れていたわけではないですよね、きっと。

神野:そうですね。私は坂井さんが亡くなられた時に小学校1年生だったので……。「負けないで」はもう幼い頃からテレビ等で何度も何度も繰り返し聴いてはいましたけど、どっぷりと入り込んだのは数年前くらいです。4人それぞれハマった時期もバラバラなので、好きな曲が違っていたりするのがおもしろいですね。

ーーどんな曲が好きなのかはかなり気になりますね。それぞれ教えていただけます?

坂本:私は「来年の夏も」です。ピアノがすごく印象的な曲なので、弾けるようになったらいいなと思って練習しています。いつかみなさんに届けられる日が来るように頑張ります。

杉岡:私は、今回のシングル(名探偵コナン盤)のカップリングに収録されている「愛は暗闇の中で」です。頭から最後まですべてが好きだし、この曲を歌っていたときの坂井泉水さんの姿が、その衣装も含めて大好きなんですよ。SARD UNDERGROUNDとしてカバーするのが夢だったので、それが早々に叶ったことがうれしいです。ライブで初披露したときは、めっちゃテンション上がりましたね。

赤坂:私が特に好きな曲は「息もできない」です。ギターを始めてから、ZARDさんの曲で最初に練習したのがこの曲だったので、すごく思い入れが強いんですよ。いつかSARD UNDERGROUNDとして絶対にカバーしたいです!

神野:私は、デビューアルバムにも収録されていた「マイ フレンド」ですね。〈あなたを想うだけで 心は強くなれる/ずっと見つめてるから 走り続けて〉っていう歌詞のフレーズには常に励ましてもらってます。カバーするにあたっては、私が坂井泉水さんの歌に元気をもらってきたように、今度は自分の声が誰かに元気を与えられたらいいなっていう思いを込めて歌いましたね。

「曲に入り込むと泣きそうになってしまう」

赤坂美羽

ーーそんなZARDを愛するみなさんから、待望の1stシングル『少しづつ 少しづつ』が届きました。表題曲は、坂井泉水さんが生前に残した歌詞に、ZARD楽曲を多数手がけてきた大野愛果さんが曲をつけたナンバーです。

神野:坂井泉水さんの未公開詞がたくさんあることは知っていたので、いつか見せてもらえたらいいなってずっと思っていたんです。そうしたら、まさかそこに曲がついて、しかも自分たちが歌うことになるとは! こんなに大きな役目を任せていただけることに緊張してしまったんですけど、いただいた楽曲が本当に素晴らしかったので全力でこの曲を届けようという気持ちになりました。

赤坂:初めて聴かせていただいたとき、一瞬で曲の中に入り込むことができました。相手のことが好きなんだけど、どこかモヤモヤする感情もあって。でも、それが後半に向けて明確な愛に変わっていくという、その流れが素敵だなぁって。

杉岡:歌詞とメロディがピッタリ寄り添ってますからね。

神野:そうそう。だからこそ、大切な人に対しての主人公の思いが鮮明に伝わってくる。あと、ZARDさんの曲にはあまりなかったDメロがあるっていうところもポイントだと思います。本当に大好きな曲ですね。

坂本:これは本当に心を込めて、丁寧に届けて行かないとなって思いましたね。

ーー歌はどんな思いでレコーディングしましたか?

神野:カバーをさせていただくときは、坂井泉水さんが歌われているお手本があるわけですけど、この曲に関してはどう表現していくかを自分で考えるしかないわけで。そこはすごく難しかったです。坂井泉水さんが歌われている映像を繰り返し観たり、今回の曲に近いフレーズをZARDさんの他の曲から探して歌いまわしを研究した上で、レコーディングに臨みました。そこでやっぱり大事にしたのは、「坂井泉水さんだったらどう歌ったかな」ということでした。とは言え、どれだけ考えても答えが見えてこない部分もあったので、そこは長戸大幸プロデューサーからアドバイスをいただいたりもして。

ーー―具体的にはどんなアドバイスをもらったんですか?

神野:例えば〈一緒にいたいのに〉のところを、私は最初〈一緒に、いたいのに〉って区切って歌っていたんです。でも、坂井泉水さんなら区切らず繋げて歌ったはずだっておっしゃっていて。その方が、“一緒にいたい”という気持ちがより伝わるはずだからって。そういったアドバイスは本当に貴重なもので、今後の私の音楽人生にも生きていくものなんだろうなって思いましたね。レコーディングにはけっこう時間がかかったんですけど、すごく勉強になりました。

ーー演奏に関しては、どんな気持ちを込めましたか?

赤坂:1音1音、ワンフレーズワンフレーズ心を込めて弾いています。聴いてくださる方々の心に届くように。

杉岡:歌詞で描かれている情景が伝わるようにっていうことはすごく意識しましたね。自分自身をこの曲の主人公に重ねて、しっかり感情を込めながら。

坂本:間違えないように上手く弾くことばかり考えると感情を伝えるという部分がどうしてもおろそかになってしまうような気がして。なので、この曲の素晴らしさを伝えていくことを大切に演奏していきました。ただ、歌詞を意識しすぎると自分の感情が入りすぎてしまうから、そこはいいバランスを取りながらではあったんですけど。

杉岡:曲に入り込むと泣きそうになってしまう感じがありますからね。

神野:そうなんです。歌に関しても、感情を込めすぎるとほんとに泣いちゃいそうになって、歌えなくなってしまうんですよ。なので、入り込みすぎないように、でもちゃんと感情が伝えられるようにっていうバランスはしっかり考えました。

ーーこの曲はすでにライブで披露されているそうですが、そこでは音源とは違った表情が見えていたりもするのでしょうか?

赤坂:真剣に聴いてくださっているお客さんの表情が見える分、より届けようっていう気持ちは強くなっているかもしれないですね。

神野:音源ではできるだけ坂井泉水さんをイメージして歌うことを心掛けましたけど、ライブではもう少し自分たちならではの表情を感じてもらえる部分はあると思います。SARD UNDERGROUNDらしさが出ているんじゃないかなって。

赤坂:ライブを重ねてきたことで、バンドとしての一体感もより出るようになっていますからね。演奏中、メンバー同士でアイコンタクトをしたりとか、バンドならではの部分も見ていただけると思いますよ。

「SARD UNDERGROUNDの一体感はバッチリ」

坂本ひろ美

ーーちなみにSARD UNDERGROUNDが結成されてからどのくらい経つんですか?

神野:昨年の1月に結成したので、丸1年が過ぎたところですね。結成の翌月に12曲を披露する1stライブをやったんですけど、そのときはまだそれぞれが必死でした。

坂本:大変だったよね(笑)。でも、そこからいろんな経験をさせていただきながら、メンバー同士の距離も縮めていくことができて。ZARDさんが好きっていう共通項もあるから、理解し合える部分も多いので。

神野:もちろんまだまだな部分はありますけど、今のSARD UNDERGROUNDの一体感はバッチリだと思います!

ーーでは、シングルのカップリング曲についても伺いましょう。まず、初回限定盤と通常盤に収録されているのが「Good-bye My Loneliness」のカバーですね。

坂本:メンバー全員、この曲が大好きなので、カバーできることになったときはすごくうれしかったです。

赤坂:ZARDさんの1stシングルの曲を、SARD UNDERGROUNDの1stシングルに収録できることもうれしかったです。ライブではまだやっていないので、早くやりたすぎてソワソワしてます。

杉岡:早くやりたいよね。 

神野:曲自体、個人的にたくさん聴いてきているし、デビューアルバムでの経験もあったので、レコーディングは比較的スムーズに進みましたね。この曲に込められた坂井泉水さんの思いは、私の声で、私なりにもしっかり伝えられたんじゃないかなと思っています。

「まずは全国各地のみなさんに会いに行きたい」

ーーもう1曲、名探偵コナン盤に収録されているのが「愛は暗闇の中で」のカバーです。これもZARDの1stシングルに収録されていた曲ですよね。

杉岡:ロックなサウンドが気に入ってますね。Aメロの途中に入ってくるギターのフレーズはZARDさんのオリジナルにはなかったところなので、ぜひ注目して聴いてみてください。かっこいいので!

坂本:この曲を演奏するとメンバーみんな、テンションがすごく上がりますね。

赤坂:めっちゃ上がります! 個々の楽器の音が際立つサウンドになってますからね。ライブでも聴いていただきたいです。

ーーもともとの歌詞には書かれていたものの、プロデューサーの判断(当時の坂井さんが歌うには大人っぽ過ぎる)でZARDのオリジナルでは削除された4行分の歌詞が今回のカバーにはしっかり盛り込まれてもいて。そこもポイントですよね。

神野 はい。そういう部分も含め、大事なカバーになったし、シングル自体もすごく大きな意味を持つ作品になったかなって思いますね。発売日はZARDさんのデビュー日である2月10日ですし。

ーーZARD楽曲とかかわりの深かった『名探偵コナン』のタイアップソングでもあります。

坂本:そうなんですよ! 私自身、子どもの頃からコナンを観て育ってきましたし、姉は毎年映画も観に行っているくらいのファンなので、テレビから私たちの曲が流れてきたときは家族みんな喜んでくれましたね。「すごいことやねぇ」って。

赤坂:曲にマッチした映像をつけていただけたことにも感動しました。しかも名探偵コナン盤のジャケットは、ZARDさんの『運命のルーレット廻して』のジャケットをオマージュしたものにもなっていて。そこもまた感動でしたね。

ーー今回初のオリジナル曲をリリースしたことで、バンドとしての可能性が大きく広がった感のあるSARD UNDERGROUND。今後の目標は何かありますか?

神野:ZARDさんの名曲はまだまだたくさんあるので、引き続きいろいろな曲をカバーさせていただけるように頑張りたいですね。その上でまたチャンスがあれば、坂井泉水さんの未公開詞のオリジナル曲もやれたらうれしいなって。

赤坂:ZARDさんの曲を後世に伝えていくという意味では、老若男女いろいろな層の方々に私たちの存在を知ってもらえるようになりたいです。

杉岡:私が抱いている最大の目標は今よりももっともっと広い会場で、いろんな国の方々の前で自分たちの曲を演奏したいということで。ドームツアーができるくらい大きくなれたら最高だなって思います。

坂本:その夢に向けて、まずは全国各地のみなさんに会いに行きたい気持ちも強いんですよね。これまで東京と大阪ではワンマンライブをしたことがあるんですけど、それ以外はリリースイベントやインストアイベントでしかまだ行けてないんです。なので、全国各地でワンマンライブができるようにもっともっと頑張りたいなって思います!

■リリース情報
SARD UNDERGROUND 1st SINGLE『少しづつ 少しづつ』
2月10日(月)発売

形態
・初回限定盤(CD+DVD+Photoブックレット)¥1,800(税別)
-CD-
1. 少しづつ 少しづつ
2. Good-bye My Loneliness
3. 少しづつ 少しづつ(off vocal)
4. Good-bye My Loneliness(off vocal)
-DVD-
「少しづつ 少しづつ」Music Video+メイキング

・名探偵コナン盤(CD)¥1,000(税別) 
1. 少しづつ 少しづつ
2. 愛は暗闇の中で
3. 少しづつ 少しづつ(TV size)

・通常盤(CD)¥1,000(税別)
1. 少しづつ 少しづつ
2. Good-bye My Loneliness
3. 少しづつ 少しづつ(off vocal)
4. Good-bye My Loneliness(off vocal)

■関連リリース情報
『ZARD tribute』
発売中 ¥2,500(税別)
1. 君がいない
2. 愛は暗闇の中で
3. 揺れる想い
4. マイ フレンド
5. 突然
6. 負けないで
7. 心を開いて
8. DAN DAN 心魅かれてく
9. あの微笑みを忘れないで
10. きっと忘れない
11. Don’t you see!
12. 少女の頃に戻ったみたいに
13. もう少し あと少し…
14. 永遠

■リリース記念イベント情報
2月1日(土)愛媛・エミフルMASAKI
2月9日(日)東京・タワーレコード新宿
2月10日(月)東京・山野楽器 銀座本店
2月11日(火・祝)東京・タワーレコード渋谷
2月15日(土)大阪・ディスクピア日本橋

SARD UNDERGROUND Official Website
SARD UNDERGROUND Official YouTube Channel

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