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『スカーレット』結婚から急展開で舞台は4年後に 喜美子たちの幸せな生活の一方、忍び寄る暗い影も……

リアルサウンド

19/12/21(土) 13:00

 『スカーレット』(NHK総合)第12週「幸せへの大きな一歩」では、八郎(松下洸平)が陶芸家として新人賞を獲得。ついに喜美子(戸田恵梨香)との結婚生活が始まる。

 時は、昭和35年3月30日から、昭和40年夏へ。「喜美子」「八郎」と呼びあう新鮮さを経て、喜美子は27歳になっていた。この5年の経過は、2人が想像して記した“めおとノート”との答え合わせでもある。

 「2人の作業場」「2人の釜(ふうふ釜)」新しい景色として実現した将来設計と、「男の子と女の子、2人」「作品も売れてる」といういまだ健闘中の夢もあった。喜美子と八郎の間に生まれた、4歳になる男の子・武志(又野暁仁)も登場。後に成長した姿を伊藤健太郎が演じることとなる。印象的なのは、武志の世話を担う八郎。「お父ちゃんとお風呂入ろうな」と武志を誘う八郎からは、そういえば常治(北村一輝)は喜美子に風呂を沸かさせていたなと、それぞれの父親としての姿を重ねてしまう。

 伊藤健太郎のキャスト発表がされた時の詳細を振り返ってみると、「母親の喜美子のことを心の中で尊敬している。工房に出入りして育ち、常に陶芸が身近にあったが、将来進む道については迷っている。明るく優しい性格で、ひょうきんな一面も持ち合わせている役どころ」とあり、すでに八郎、喜美子とともに陶芸に使う粘土で遊び、自分なりの作品を作る姿も見受けられる。八郎と同様に、今後は喜美子の母親としての姿も映し出されていくこととなるが、女性陶芸家としての一面を見つめ、武志はすくすくと成長していくのだろう。

 丸熊陶業から独立を果たし、「かわはら工房」として事業を始めた八郎と喜美子。2人の作業場を持ち、夢だった電気釜も入れた。八郎が作品づくりにいそしむかたわらで、喜美子は食器をたくさん作り家計を支えている。結婚当初に断ったコーヒーカップ80個の注文も、今ならば受け入れられるのだろうか。工房のための増築の借金、また常治の調子が優れないこともあり、川原家はまだ貧乏な生活を送っていた。百合子は短大への進学を諦め、食品卸会社に就き、納品の仕事を行っている。東京でパーマをあて、八郎を「兄貴ぃ」と呼ぶ、直子の5年後も楽しみなポイントだ。

 気がかりなのは、女性陶芸家としての才能を開花し始める喜美子の一方で、いまだ陶芸家として売れることのできていない八郎。喜美子にコーヒーカップを注文した女性・橘(紺野まひる)、そして琵琶湖大橋の取材で定期的に信楽に来ていた、ちや子(水野美紀)も喜美子の才能を認め、女性陶芸家として作品を作ることを強く勧める。心ここに在らずといった返事をする八郎は、少し浮かない表情にも見える。今後、喜美子が女性陶芸家として活躍することは第1回ですでに示されており、その未来を考慮すると、八郎に眠るであろう陶芸家としてのプライドが、やがて葛藤を生んでいくのではないかと想像させる。

 第13週では、「自由は不自由や!」でお馴染みのジョージ富士川(西川貴教)が再登場。「こういうことなんで」と百合子(福田麻由子)の肩を抱く信作(林遣都)。さらに、体調の悪かった常治(北村一輝)の余命が、もう長くないことが分かる。タイトルは「愛いっぱいの器」。涙なしには見られない週となりそうだ。(渡辺彰浩)

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