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高山明/Port Bの企画展『模型都市東京』建築倉庫ミュージアムで開催

CINRA.NET

20/2/16(日) 12:00

『模型都市東京』展ビジュアル

高山明/Port Bの展覧会『模型都市東京』が、5月31日まで東京・天王洲アイルの建築倉庫ミュージアム 展示室Bで開催される。

高山明が主宰する創作ユニットPort B。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアーパフォーマンス、言論イベントなど様々な活動を通じて、演劇の可能性を拡張し、社会に接続する方法を追求している。同展は、再現可能な形態で構成された都市のインフラを「模型」と捉え、「模型都市」としての現在の東京の姿を浮かび上がらせる試み。

建築倉庫ミュージアムはオンラインチケットによる事前申込制となっており、同一チケットで展示室Aで開催中の『クラシックホテル展―開かれ進化する伝統とその先―』も観覧できる。『模型都市東京』展に限り会期中何度でも再入場が可能。詳細は建築倉庫ミュージアムのオフィシャルサイトをチェックしよう。

高山明のコメント

「模型」がなにかを模したものなら、「身振りの模倣」からはじまった演劇は模型と相性がいいはずだ。演劇の場合は、模倣がある型を獲得することで、つまり「模型」になることで、呪術から独立し、芸能になったと言われている。具体的には、田の豊穣を祈る「田遊び」が真似され、身振りが固定されることで「田楽」になった。これは、田の上でしか成立しないサイトスペシフィックな行事が、田を離れてどこにでも移動でき、再演可能な芸能になったことを意味する。別の言い方をすれば、演劇はそもそも模型であり、だからこそあらゆる場所で上演/再演することができるのである。
上演/再演の場所は「舞台」と呼ばれてきたが、神社や劇場にある舞台の上には今や劣化した模型があるばかりで、活きのいい模型を探すなら街のなかに出て行った方がよい。そうした目で東京を眺めてみると、この街にはその場でしか成立しないオリジナルなものは少なく、模型に溢れていることに気づく。どこにでもある模型が世界のどの都市よりも偏在し、それが様々な人に利用され、それぞれのやり方で独自に上演/再演される。その偏在性と上演/再演可能性の豊かさが、この都市の特徴とすら言えそうだ。それらの模型を面白く使いこなす人たちが現れ、都市のアクティビティを生み出し、ライフスタイルを更新していく。それが逆説的に、東京という「模型都市」のオリジナリティになっている。
建築ミュージアムという建築模型を展示する場所で、東京の逆説をポジティブに展開させることができればと考えている。

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