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all at once、『名探偵コナン』ED曲「星合」MVは織り姫と彦星の恋をどう表現? チームラボプラネッツ TOKYOコラボ制作の裏側

リアルサウンド

20/9/26(土) 18:00

 美しいハーモニーで話題の男性デュオ=all at onceが、10月3日の放送からアニメ『名探偵コナン』(読売テレビ・日本テレビ系)オープニングテーマ「JUST BELIEVE YOU」を担当することで注目を集めている。現在は『名探偵コナン』エンディングテーマ「星合」を担当しており、同曲は9月上旬にSpotifyのプレイリスト「日本バイラルトップ50」にランクインするなど、『名探偵コナン』をきっかけに多方面で評価が高まっている。また同曲のMVは、豊洲のteamLab Planets TOKYO DMM.com(以下、チームラボプラネッツ TOKYO)の協力で撮影が行われ、楽曲の持つ世界観を広げた美しい映像が話題だ。9月26日には、そのMV撮影の裏側を捉えたメイキング映像が公開されるほか、同曲をピアノ1本の演奏で歌い上げたピアノコラボver.も公開。「星合」という楽曲の魅力が、今大きな広がりを見せている。

コナンファンがザワついたall at onceの「星合」の魅力

Making of「星合」

 all at onceは北海道出身のITSUKIと宮崎出身のNARITOによって結成された、ボーカルデュオ。豊富な音楽知識を持つ理論派のITSUKIによる美しいファルセットと、どこか少年のようなピュアさを持ったNARITOの艶のある歌声が生み出す、美しく構築されたハーモニーが魅力だ。昨年はアニメ『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』のOP主題歌「Take mo’ Chance」を担当したほか、4月には亀田誠治の編曲・プロデュースによる楽曲「12cm」を配信リリース。8月に配信リリースされた「星合」も、アニメ放送が始まるやコナンファンの間で反響を呼んだ。

 「星合」は、和の雰囲気を感じさせるメロディが、シンプルなR&Bサウンドとマッチした楽曲。タイトルの「星合」は「七夕」のことで、どんなに会いたくても1年に1度しか会えない織り姫と彦星の関係を、『名探偵コナン』の工藤新一と毛利蘭の切ない恋模様と重ねて歌った。奇しくもコロナ禍で、大切な人と気軽に会うことも難しいというこのご時世も手伝って、楽曲のメッセージが視聴者の胸に響き、公式YouTubeチャンネルで公開されたMVは、1カ月半で50万以上の再生数を記録。「歌詞が良い」「歌声が最高」など、さまざまなコメントが寄せられた。

「星合」MV

 その「星合」のMVは、AKB48グループをはじめ清水翔太やLittle Glee MonsterなどアーティストのMVを手がける土屋隆俊が監督を務め、豊洲のチームラボプラネッツ TOKYOで撮影が行われた。土屋監督曰く、楽曲のテーマが七夕であることから、MVも星をコンセプトにしたとのこと。「『星合』という曲の持つキラキラと輝くようなメロディと、all at onceのふたりの刹那を感じるボーカルからインスピレーションを受け、それらをいかに美しく鮮度を保ったまま届けられるかがキーポイントになった」と話す。

 実際に仕上がったMVは、空間、光、映像を巧みに使いながら、楽曲とふたりのボーカルを見事に引き立たせている。部屋全体を埋め尽くす無数のライトが瞬く中で歌うシーンは、まるで天の川にいるような感覚。曲に合わせて暗転し、そこからall at onceの2人を中心に光が広がっていく様子は実に幻想的だ。また、花が嵐のように舞い散るシーンは何ともダイナミックで、さらに水中でカラフルな魚たちが美しく弧を描くシーンは、水面に映し出された映像と実際の水面に反射する光のコントラストが、不思議な美しさを演出している。

リアルとファンタジーが融合した未体験の空間演出

「星合」Acoustic live ver.

 撮影には苦労もあったようで、「鏡貼りの空間ということで自分たちの映り込みを避けるのが大変でした。また、水に浸かりながらの撮影は、機材を濡らさないようになど、なかなかシビアな撮影になりました」と監督。また、通常のMVなら光や影などの陰影は、後日合成や編集を加えることも多いが、このMVではそういった手が、まったく加えられていない。監督が「編集では再現できない、現場のリアルタイムでの演出がお気に入りです」と話す通り、まさしく楽曲の持つ刹那が、映像にも表現されている。

 またチームラボと言えば、これまでにもBUMP OF CHICKENやコブクロなどアーティストとのコラボが多数あり、チームラボプラネッツTOKYOからMIYAVIのオンラインライブが配信されたことも記憶に新しい。VRやCG合成といったものでは決して味わうことのできない、リアルとファンタジーが融合した未体験の空間演出は、チームラボプラネッツ TOKYOの真骨頂だと言える。「星合」という楽曲が持つ、美しくも儚い世界観を幻想的に表現したMVは、チームラボプラネッツ TOKYOだからこその映像で、現地に足を運べばall at onceのふたりとまったく同じ空間体験ができることも実に魅力的だ。

 all at onceのメンバーふたりにとっては、この「星合」が初のMV出演になった。撮影当日は、かなり緊張していたと話すITSUKI。「でもチームラボプラネッツ TOKYOさんの幻想的な空間に魅せられて次第に緊張がほぐれ、撮影が終わるころには曲の世界観に合った素敵な空間で、自分の納得のいく表現で歌えたという達成感がありました」と、初のMV撮影体験を振り返る。

 「シルエットを撮影するシーンで、“全身でリズムを取りすぎないように気をつけて”と指示を受けていたのに、つい気持ちが昂って思いっきり歌ってしまい、何度も注意されてしまったことが、スタッフさんにすごく申し訳なかったです」と失敗談を明かしたNARITO。「でも完成したMVを見た時には、とても素敵なシーンに仕上がっていたのでホッとしました」と、純粋でがむしゃらな彼らしい撮影エピソードを披露してくれた。

 「星合」の撮影の舞台裏がもっと知りたい方は、26日に公開されたメイキング映像をぜひ見てほしい。また、同日公開のピアノコラボver.では、よりエモーショナルに楽曲が歌い上げられ、オリジナルとは違う魅力が発見できるだろう。さらに最新楽曲「JUST BELIEVE YOU」は、倉木麻衣を作詞に迎えた極上のR&Bナンバーに仕上がっている。一組のアーティストがアニメ『名探偵コナン』のOP/EDを務めるのは、今回が初。「星合」と「JUST BELIEVE YOU」の2曲が並んだ時、さらに大きな注目がall at onceに集まることは間違いない。

■榑林 史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も

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