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欅坂46、土田晃之&ハライチ澤部佑との関係性は? それぞれの役回りの違い表れた『欅って、書けない?』MCに注目

リアルサウンド

20/4/29(水) 6:00

 先日放送された『欅って、書けない?』(テレビ東京)は、澤部賞チャラバトル回。MCのハライチ澤部佑の誕生日が近いということで、これまで溜まっていた総額29万円分の”澤部賞”(メンバーへのご褒美)を奪い返すべく各メンバーと対決する企画となった。メンバーに対して澤部が挑戦していくため、MCは代わりに二期生の武元唯衣、井上梨名が務めることに。それによって、対戦者(澤部)から雛壇だけでなくMC陣へとツッコミする流れも生まれ、普段よりもスタジオ全体が生き生きとしている印象を受けた。

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 もともとコンビではない2人が司会を務めるこの番組。たとえば、同局の『乃木坂工事中』はバナナマン、『日向坂で会いましょう』はオードリー、他局でも『KEYABINGO!』(日本テレビ系)はサンドウィッチマンだったように、アイドルグループの冠番組のMCは、お笑いコンビがそのまま2人で起用される例が多い。それを考えれば、元U-turnで現在ソロで活動する土田晃之とハライチの澤部佑による2人の組み合わせは、他と違って珍しく異色とも言える。そこで今回は、欅坂46と“けやかけMC”の関係性に焦点を当ててみよう。

●一番近くで見守る”ファン的な立場”の土田
 これまでに数多くのアイドル番組の司会を務めてきた経験豊富な土田は、昔アイドルの親衛隊に所属していたほど大のアイドルファンとして知られている。そのため欅坂46のライブにはグッズのTシャツを着てきたり、ペンライトを持って登場するシーンが毎回のライブの舞台裏映像にも収められていて、アイドルファンとしての素顔を欅坂46に対しても見せている。番組では自身のことを“カタカナケヤキ”と呼ぶ(“ひらがなけやき”になぞらえて)など、共演者ながらも“いちファン”として楽しんでいるのが彼特有のスタンスだ。

 アイドルに対して一歩引いて接するタレントや共演者も多い中で、みずから楽曲の振りを覚えたり、メンバーの情報を小まめにチェックする姿勢などは、まさにファンそのもの。グループの“父親的存在”と表現されるのは、こうした熱心な姿勢が実際のファンにも伝わっているからだろう。そういう意味では、一番近くで見守る“ファン的な立場”と言えるかもしれない。

 そして同時に、芸能界の大先輩と後輩という関係性もある。他の若手お笑い芸人と比べても芸歴が長く“テレビの先輩”であるというのは、グループにとっても心強いポイントだろう。自身のラジオ番組『土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送)では、当初からグループになにか大きな出来事があるたびにコメントするのが恒例となっているが、両者の活動歴の差を考えれば、それ自体がグループにとって非常に貴重なこと。ファン的な立場でありながらも、欅坂46にとっては大先輩であり、広い芸能界へとつながる大切な関わりのひとつだ。(共演回数は少ないがウッチャンナンチャンの内村光良も似た存在である)

●番組を盛り上げることに徹するハライチ澤部
 対して、もう一人のMCであるハライチ澤部は、なにかにつけてメンバー側から「かわいい~」と声が上がるなど、常に身体を張って積極的にいじられ役に徹する姿が印象深い。今回の放送の企画の発端となる“澤部賞”も基本的には彼のキャラクターがなければ成立しないものであり、時にはメンバーからもいじられることで番組を盛り上げている。

 そしてメンバーだけでなく土田のボケにもツッコミをしたり、メンバーの発言を素早く拾い上げたりなど、現代的な瞬発力がある。土田と比べれば芸歴が浅いのにも関わらず、早くから注目を浴びていたハライチは、二十歳前後の彼女たちにとっても“テレビでいつも見ている”馴染み深い存在なのだろう。親しみやすく、話し掛ける(いじる)こともしやすいはずだ。

 ゲストに来た若手(土田と世代の異なる)芸人とのハブ役になることも多く、欅坂46と土田の世代間ギャップを埋める役割としても重要な存在。そういう意味では、欅坂46にとっては“父親”というよりは“話の合う兄”という表現がしっくりくる。比較的近い感覚で接することができる相手といったところか。

 しかしそんな彼にも、ステージに立つ彼女たちへのリスペクトがあるのが興味深い。2016年の初ワンマンライブ後の感想では「(ライブを)見た後に会うと緊張しちゃうんだよなあ……」と吐露していたり、2017年の夏のツアーを見たときにも「圧倒されるくらいスタジオと雰囲気が違って、見終えた後の楽屋裏挨拶では緊張しちゃって」(クイック・ジャパン135号より)というように、ライブでの彼女たちからは番組収録とは違う存在感を感じているようだ。

 一番近くで見守るファンのような存在でありながら、芸能界の大先輩でもある土田。そしてステージに立つ彼女たちには緊張しつつも、時にはいじられ役にもなれる親しみやすさを持った澤部。コンビ特有のお決まりの流れや息の合った掛け合いは生まれにくいものの、その分2人の役回りの違いや、メンバーに対する関係性の違いなどが色濃く表れていて面白い。(荻原 梓)

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