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デビュー10周年のBerryz工房 「異端のアイドルグループ」が愛され続ける理由とは?

リアルサウンド

14/4/1(火) 8:30

 ハロー!プロジェクトのイベント「Hello! Project ひなフェス 2014 ~Full コース~」が3月29、30日に神奈川・パシフィコ横浜展示ホールA / Bで開催された。全4公演、所属の各グループがそれぞれメインをとるという内容だった。

 2日目の30日、関東地方はあいにくの強風と大雨に見舞われていた。だが、夕方になるとその雨は止み、会場のある横浜の空には“七色の虹”がかかった。30日夜公演のメインは今年3月3日にデビュー10周年を迎えた“7人組”、Berryz工房だ。今まで幾度となくその奇跡とも思える晴れ女っぷりを発揮してきた。それはファンの間でも語りぐさとなっており、今回もそんな晴れ女伝説が一つ増えたのである。

 その10年というアイドルとしては充分過ぎる貫録から、ハロー!プロジェクト内では後輩に慕われるよりも、怖がられることの多い彼女たちではあるが、その実力と経歴、そして何より強烈な個性により、熱心なファンも多い。また、フットボールアワーの岩尾望、SUPER☆GiRLSの前島亜美なども大ファンであることを公言しており、業界でも人気の高いグループとして知られている。

 今回は、そんな彼女たちの魅力に迫ってみたい。

ももちだけではないキャラの濃さ

 今やバラエティ番組では欠かすことの出来ないポジションを確立した“ももち”こと嗣永桃子。そのイラドルっぷりに最初は苛立ちを覚えながらも何故か気になってしまう、その内面にある不屈の信念に気が付く、そんな人も少なくはないだろう。

 初めてBerryz工房を見る人は自称176cmのアイドル界のスカイツリー・熊井友理奈や、青文字系モデルを思わせる髪色の菅谷梨沙子など、ももちに負けずとも劣らないインパクトを持つ他メンバーに目が行くかもしれない。そう、Berryz工房には俗に言われるような“正統派アイドル”がいないのだ。その異端さは、10年という経歴と共に、アイドルに求められるフレッシュ感とはかけ離れた個性ではあるのだが、その分、どのアイドルグループにも負けない存在感を放っており、彼女たちの武器にもなっている。

 「個性的」という言葉は、言い方によってはどんなグループにでも当てはまる言葉なのかもしれない。だが、これほど「個性的」という言葉がしっくりくるグループは他にいないのではないだろうか。

楽曲の振り幅の広さ

 つんく♂はBerryz工房のプロデュースに関して「最初のイメージとは意図しない形になる」と語っている。そこに面白さと可能性を感じ、ハロー!の中では一番バラエティに富んだ楽曲を作っているとも言っている。

Berryz工房『Rockエロティック』

 猿の格好で踊り狂っているかと思えば、男装の麗人が宝塚歌劇さながら妖艶にロックナンバーを熱唱する。『1億3千万総ダイエット王国』という一見耳を疑ってしまうフレーズですら、ソウルシンガー級の野太い歌声を持つ菅谷梨沙子と、鋭さと艶やかさを備えた夏焼雅の二人がオペラ調に歌い上げれば、その貫録とオーラの前にひれ伏すしかない。まさにプロデューサーお墨付きの「かっこよくてアホやれる2.8枚目」である。

Berryz工房『1億3千万総ダイエット王国』
「年がら年中 年がら年中〜」と呪文のように繰り返される中に「ねんがらねん”じゅうねん”がら〜」、「10年」という言葉が隠されている!?

踊る阿呆だけど、ただのバカじゃない

 鯛の着ぐるみ姿で歌い踊り、コント風の寸劇を交える。そういったコミカルさも彼女たちのコンサートの大きな魅力であり、そのセットリストやイベント内容までメンバーが提案している。その演出は一見自由奔放に見えることもあるが、各メンバーのキャラを活かした設定と工夫が凝らされており、独創的なセルフプロデュース能力を発揮していることが伺える。だからこそ、ファンも彼女たちに夢中になる。全力でふざけるメンバーと、それに全力で乗っかっていくファン。人気曲でもある『cha cha SING』で歌われる「踊る阿呆だけど、ただのバカじゃない」はメンバーだけでなく、ファンをも指す合言葉なのかもしれない。

Berryz工房「cha cha SING」フラッシュモブ (屋内編Full ver)

 そんなアイドルらしからぬ、掟破りな面を語られることの多いBerryz工房ではあるが、ステージで満面の笑みを浮かべながらキラキラと輝く彼女たちの姿は、紛れもなくアイドルである。

Berryz工房 『すっちゃかめっちゃか~』

 また、努力や苦悩、それにまつわる葛藤といった“物語性”が注目される近年のアイドル界において、彼女たちは「努力は語るモノじゃ無い、感じるモノ」と言わんばかりに裏側を見せることはない。それは時代が求めるものとは逆行することなのかもしれないが、そこにはアイドル以前にプロの表現者としての姿勢が伺える。

 現在、女性アイドルはその成長過程における一瞬の輝きを追い求められることが一般的になっている。しかし一方で、結婚、出産を経た今なお、アイドルとして崇められる松田聖子のような存在もいる。男性アイドルグループには、年齢を重ねても親しまれるジャニーズがいる。女性アイドルグループにも、そんな風に末長く愛される存在がいても良いのではないだろうか。Berryz工房の10年は、これからの20年、30年への始まりでもあるはずだ。

■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログtwitter

■関連サイト
Berryz工房10周年記念スッペシャルサイト
http://www.helloproject.com/berryzkobo/10thsp/

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