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「チャーリー・ブラウン」開幕、花村想太らの“幸せ”は納豆・愛犬・カンパニー

ナタリー

21/3/30(火) 10:40

ブロードウェイミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」より。

「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」が、本日3月30日に東京・シアタークリエで開幕。これに先駆け昨日29日、ゲネプロと囲み取材が行われた。

1967年にアメリカで初演された本作は、チャールズ・M・シュルツのマンガ「ピーナッツ」を原作としたミュージカル。今回の上演では2017年版に続いて小林香が訳詞・演出を手がける。

劇中では、5人と1匹のキャラクターにスポットを当てたショートストーリーが次々に展開。マンガのコマを連想させるカラフルな背景パネルや舞台装置が用いられ、たこ揚げ、野球の試合、教室、犬小屋など、子供たちの日常風景がポップに描き出された。

花村想太は眉毛を八の字にし、不運続きで自分に自信が持てないチャーリー・ブラウンをいじらしく演じる一方、高らかな歌声を響かせて観客から大きな拍手を浴びる。中川晃教は白地に黒ブチの衣装でビーグル犬のスヌーピーに扮し、チャーリー・ブラウンにクッキーをねだる愛らしい仕草を見せる。スヌーピーが夕食にありつく喜びを歌う「Suppertime」の場面では、歌とダンスで魅了した。

岡宮来夢は、語彙が豊かでよくしゃべるが毛布を片時も手放さないライナスを、愛嬌あるキャラクターとして立ち上げる。宮澤佐江は、チャーリー・ブラウンの秘密を言いふらしたり、ライナスの毛布を奪ったりするルーシーの傍若無人さを甲高い声でコミカルに演じつつ、彼女の優しい一面をふとした瞬間の表情からのぞかせた。

サリー役の林愛夏は、軽快な身のこなしでステージ上をかき回す。また高い地声と美しいソプラノの発声を巧みに使い分けて、その落差で観客を笑わせた。植原卓也は、ピアノに没頭してルーシーからの求愛を黙殺するシュローダーを物静かに演じながらも、ベートーベンを称える「Beethoven Day」をパワフルに歌い上げ、会場を盛り上げた。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には花村、岡宮、宮澤、林、植原、中川が出席。花村は出演作「RENT」が新型コロナウイルスの影響で公演中止になったことを挙げ、「1回1回に命がけで取り組み、完走したい」と言葉に力を込める。見どころを尋ねられると「僕の声の高さです!(笑) ぜひ劇場で確かめてください」とアピールした。

岡宮は「ライナスの毛布への愛をどれほど表現できるかが僕にとっての挑戦」と気合十分。3月上旬に行われた取材会で、岡宮が「ライナスと自分の共通点は顔のかわいさ」と発言していたことを花村が明かすと、岡宮が「では見どころは、“僕の顔のかわいさ”で……笑ってください!」と報道陣に投げかけ、会場を和ませる。宮澤は久しぶりのミュージカル出演への緊張と喜びを語りつつ「6人がそれぞれの役柄を愛し、なりきり、素直にキャラクターとして生きる日々を楽しみたい」と意気込んだ。

林は「子供の動きをたくさん勉強して練習しました。ぜひ注目してください」と呼びかけ、植原は「このシアタークリエに、キャスト6人だけで立つのは初めて。この人数で作品の世界観をハッピーにお届けするのは大変ですが、良い空気感でやれたら」と抱負を述べた。

2017年版から続投の中川は「みんなキャラクターを身にまとい、そのキャラに自分の魅力も乗せて生き生きと演じています。登場人物1人ひとりが、お客様を物語の中にスッと誘うような“滑走路”を持っている」と思いを口にし、「私たちが全身全霊で取り組む姿と、キャラのかわいらしさが届けば」と笑顔を見せた。

本作には「幸せはどこにでもある」というメッセージが込められている。これにちなみ、会見ではキャストが“日常の幸せ”について語る場面も。花村が「納豆を食べているとき」と回答すると、中川が次々に「何回混ぜるの?」「粒の大きさは?」「朝食べるの? 夜?」と質問する。花村は律儀に答えながらも「誰もメモしてないじゃないですか!」と記者たちを示して笑いを誘った。

岡宮は「お風呂で歌うとき」、林は「食べているときと寝ているとき」とそれぞれコメント。植原は「こう見えて甘いものが好きで(笑)、1日の終わりに甘いものを食べるとき」、宮澤は「愛犬と戯れる時間。服が犬の毛だらけになっても、毛の1本すら愛おしくて。アッキーさん(中川)演じるスヌーピーを見ていると、うちの犬の顔が浮かびます(笑)」とエピソードを話した。

共演者の様子を目を細めて見守っていた中川は「このカンパニーで過ごす日々が幸せ。想太くんが鼻歌を歌うと、来夢くんと佐江ちゃんが『カッコいい』って言って、みんながアドリブでまざったりして。そんなとき、音楽って、ミュージカルって、カンパニーって最高だ!と思います」と述べる。中川の回答にキャストから感嘆のため息が出る中、花村が「一番アドリブ入れるのはアッキーさんです(笑)」と言うと、中川が「そんなことないやん」と即興で歌ってみせ、会場にはひと際大きな笑いが起きた。

上演時間は休憩25分を含む、約2時間15分。公演は3月30日から4月11日までシアタークリエ、15日から18日まで大阪・サンケイホールブリーゼ、20日に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、23日に長野・長野市芸術館 メインホールで行われる。

ブロードウェイミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」

2021年3月30日(火)~4月11日(日)
東京都 シアタークリエ

2021年4月15日(木)~18日(日)
大阪府 サンケイホールブリーゼ

2021年4月20日(火)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2021年4月23日(金)
長野県 長野市芸術館 メインホール

原作:チャールズ・M・シュルツ著 コミック「ピーナッツ」より
脚本・音楽・詞:クラーク・ゲスナー
追加脚本:マイケル・メイヤー
追加音楽・詞:アンドリュー・リッパ
訳詞・演出:小林香

キャスト

チャーリー・ブラウン:花村想太
ライナス:岡宮来夢
ルーシー:宮澤佐江
サリー:林愛夏
シュローダー:植原卓也
スヌーピー:中川晃教

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