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香取慎吾、YouTubeにて加速するクリエイターとしての進化 「Shingohouse」や新たな展開も

リアルサウンド

21/3/15(月) 6:00

 香取慎吾主演ドラマ『アノニマス ~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京系、※以下『アノニマス』)が、ついに今夜最終回を迎える。SNSにおける“匿名”での誹謗中傷という今まさにリアルタイムで起こっている社会の課題と真正面から向き合い、「正義とは何か」を突きつけた意欲作だ。

 香取にとっても、テレビ東京では33年ぶり、民放としても5年ぶりのドラマ出演であり、“匿名”で主題歌「Anonymous (feat.WONK)」を手掛けたり、初めてのLINEスタンプになるなど、挑戦の多い作品となった。

 3月12日には撮影を終了したことを告げるYouTube動画「Shingohouse」を更新した香取。「楽しかったし、難しかったし、緊張したし、大変だったし……うん……うん、終わって寂しい」と複雑な思いを明かしていた。普段から昼夜逆転の生活をしている香取にとって、朝7時には衣装に着替えてメイクをするような連続ドラマの生活は、眠気はあるものの気持ちよかったと振り返る。

ドラマ “アノニマス” の撮影、終了しました【Shingohouse 】

 テレビドラマは、舞台よりも準備期間が短く、映画よりも急ピッチで撮影されることが多い。もともと限られたスケジュールの中で撮影する上に、いざ現場で撮影を始めたら予定が押してしまうなんていうことも珍しくない。しかし、その中でも香取は、万丞渉という役柄に愛着を持ち、ようやく身についてきた万丞らしさを噛みしめながら、徐々にそのキャラクターとの別れのときが来るのを寂しく思っていたようだ。

 とはいえ、立ち止まっている暇はないのが、香取慎吾という男だ。『アノニマス』の撮影が実際に終了したのは、この動画がアップされるよりも、もう少し前のこと。そこから今まで、雑誌『週刊文春WOMAN』2021春号(3月22日発売)の表紙画を手掛け、アパレルブランド『JANTJE_ONTEMBAAR』の新作に使用する絵も描いたそうだ。夢中になるあまりヒゲが伸び放題だったとも。

 そんなヒゲもさっぱりと剃り、役作りのために暗くしていた髪色も明るくチェンジし、4月に控えているソロステージ『さくら咲く 歴史ある明治座で 20200101 にわにわわいわい 香取慎吾四月特別公演』の中身も「作らなければ! どんな楽しいことができるんだろう」と声をはずませる。

 そもそも、連続ドラマで忙しい日々の中でも、流行りのClubhouseをオマージュした「Shingohouse」というコンテンツを生み出しているのにも頭が下がる。2月12日には、ドラマ撮影の合間に「Shingohouse」を収録。「そろそろ呼ばれるかも」と音声SNSらしい緊張感が感じられる内容になっていたのも、さすがの一言。

香取慎吾、初めてLINEスタンプになりました【Shingohouse 】

 そんな香取の流行を取り入れ、オリジナルのコンテンツにしていく力を見ていると、以前『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)の制作を担当している、制作局長の谷口達彦氏にインタビューをした際、香取について「アート的なエンターテイナー」だと語っていたことを思い出す(新しい地図『7.2 新しい別の窓』ABEMA担当者が語る、番組作りを通じて再確認できた3人の輝き)。

 常に、多くの人が関心を掴んでいる物事に対して、アンテナを張り巡らし、「あのパロディみたいなのやろうよ」とアイデアをどんどん発信していく。その守備範囲の広さには、スタッフ陣も驚かされるほど。また、その元ネタとの相性次第では、自らをキャラクターにしていくことができるのも、香取ならではの強み。演者(表)と制作者(裏)をスイングする才能の持ち主であるというのだ。

 3月13日にYouTubeで更新された動画『しんごちんからこのYouTubeについてお知らせがあります』は、まさに香取の裏と表の顔がスイッチする姿が収められている。その思考の回転の速さ、湧き出るアイデアの多さ、そして何よりも楽しみながら決断していく姿に圧倒されてしまう。まるで香取慎吾の脳内を覗いているかのような動画だ。

 また、途中から「尺をつまんで……」と、しんごちんのキャラクターを忘れてしまうほど制作側の視点になっていたことに気づき、照れ笑いするところも、演者としての愛らしさも伺える。

しんごちんからこのYouTubeについてお知らせがあります。【香取慎吾】

 この動画で香取が考案したのは「ビズビズパフェ」という新たな企画コーナー。みずからラフ画を描いてキャラクターやロゴを考案し、ハミングしてオープニングやエンディングなどのイメージを伝えていく。

 さらに、初回ゲストは『アノニマス』にて久々の共演を果たし、プライベートでも交流があり親友でもある山本耕史というところまで、あっという間に決まってしまった。

 次々と考えていることを迷いなく形にしていく、まるでライブペインティングのような企画会議。きっと、こんなにも楽しげに企画する香取だからこそ、スタッフもその熱意に応えたいと力がみなぎるのだろう。そして、ゲストに呼ばれる側としても「その場を楽しみたい」と思えるし、視聴者である私たちにも「見てみたい」とワクワクが伝播する。

 『アノニマス』でLINEスタンプとなったことを受けて、自身が描く黒うさぎやこれまで扮してきた様々なオリジナルキャラクターもスタンプにしてみたいというアイデアもあった。ラジオともまた一味違う音声コンテンツの「Shingohouse」についてシリーズ化を求める声も多い。そして、近日公開の「ビズビズパフェ」のスタートに、4月のソロステージ……。いつだって私たちの想像を超えるエンターテインメントを見せてくれる、そんな期待をせずにはいられない。クリエイター・香取慎吾の進化は加速する一方だ。

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