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BOYSぴあSelection 第39回 立石俊樹

立石俊樹 Part2「愛に溢れた世界を本気でつくっていきたい」

全2回

第2回

20/11/30(月)

ミュージカル『テニスの王子様』、MANKAI STAGE『A3!』など立て続けに人気舞台に出演し、一気に2.5次元舞台を代表する俳優のひとりに成長した立石俊樹さん。

実は俳優業に関しては「歌手よりもっと無理だと思っていた」のだとか。10代の頃は、自分をさらけ出す勇気がなくて夢へと踏み出すのが怖かった。そんな立石さんが初めてのソロ曲『ONE』で挑戦したのは、ありのままの自分を出すことでした。

音楽やお芝居を通じて、多くの人にメッセージを伝えたい。そう想いを込める真摯な横顔を見て気づきました。

立石さんがこんなにも美しいのは、心が美しいからなんだと。

── ここからお芝居のことを聞いていきますね。音楽に対する気持ちは10代の頃からあったとのことですが、俳優業についてはいかがですか?

それこそ歌手よりもっと無理だと思っていました。実は、歌手になるためのオーディションを受ける前、まだ高校生の頃にジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募したことがあるんですよ。

── えー! それは知らなかったです。

初めて応募したのがまだ15歳とかで。2次審査で東京に行ったんですよ。当時入っていた水泳部の大会をずる休みして(笑)。しかもそれに通っちゃって、ジュノンの誌面に載ることになったんですけど。そこにはオーディションの日も載ってるから、これを見られたらみんなに大会をずる休みしたことがバレちゃう!ってすごい焦りました(笑)。思わずジュノンの人に「載りたくないです」って言ったぐらいです。(笑)

── そんなに……。

僕の周りにはそういうオーディションに応募する人とか全然いなくて、応募しただけで冷ややかな目で見られるような感じだったんですね。だから、すごく人目を気にしすぎていて。当然載せないわけにはいかないから誌面にも出て。そうすると、学校の人たちにも僕がジュノンボーイを受けていることがバレちゃって。そのあたりから、だんだんやりづらくなっていきました。

── そっか。よく考えれば、高校生ってそういう周囲の目線が気になりますよね……。

結局、途中でジュノンボーイも落ちちゃって。落ちたら落ちたで、また周りの当たりがキツくなる。なんだあいつただのナルシストじゃんって言われているような空気を感じ取っちゃって。今思えば、そんなの別にどうでもいいって思えばよかったんですけどね。当時はなかなかそう割り切れなくて、余計にこの世界に踏み出せなくなりました。

── なるほど。消防士を辞めて、芸能界に挑戦するもっと前にそんな挫折体験があったんですね。

実はジュノンボーイにはその次の年も応募しているんです。今度はweb投票で1位になって、2次審査が免除されたんですけど、結局そのときは自分の意思でそれ以上先は受けませんでした。これ以上、周りの人に何か思われるのが嫌だったんです。

── そうやって一度踏みとどまった経験があったからこそ、消防士を辞めるときは思い切って吹っ切れたのかもしれませんね。

そうですね。それに、そういう経験をしてきた僕だから伝えられるものもあるのかなって。今なかなか踏み出せない人にも周りを気にしないで自分の行きたい道に進んでほしいなって気持ちもあるし、自分の姿を通して背中を押せればと思っています。

── IVVYの結成が2015年。そこから着々と活動を重ね、立石さん個人としては2017年に『テニミュ』の幸村精市役で俳優デビューを果たしました。それまでの間にオーディションを受けたりもしたんですか?

モデルやCMのオーディションを受けさせてもらったことはあるんですけど、ドラマや舞台のオーディションに受かったことは一度もなくて。それこそ他のミュージカル作品を受けたこともあったんですけどダメで。いつになったら受かるんだろう。どうせ次も受からないだろうなって気持ちになりかけていた頃だったので、『テニミュ』に関してはやっと掴んだチャンスという感じでした。

── まだ世間に見つかる前の、悔しい想いをしていた自分に今声をかけられるとしたら何と言ってあげたいですか?

「そのままでいいんじゃない?」ですね。効率の悪いこともやってきて、今の自分からしたら歩みが遅いように見えるし。初めてのことに挑戦するにしても、今ならどうすればもっとうまくできるか見越した上で行動できるけど。それも全部、いろいろ経験してきたから言えること。だから、大変な想いをいっぱい味わうことになるだろうけど、「そのままでいいんじゃない?」と言ってあげたいです。

── お芝居について楽しいと思えるようになったのはいつ頃からですか?

『テニミュ』で初舞台を経験したときから、緊張はあったけど、楽しいって気持ちもありました。ただ、今思えばその頃はまだ楽しみきれていなかったなという感じで。本当の意味でお芝居の楽しさがわかるようになったのは、MANKAI STAGE『A3!』~SPRING 2019~からだと思います。

── それは何があったからですか?

実はその前に出させてもらった舞台に入る頃にちょっとお芝居について悩んでいて。自分がどんなふうに演じたらいいのかスランプにぶつかっていたんです。

ただその頃、Short Story『先生とホスト探偵』の撮影もあって。舞台と映像、両方の仕事を行き来するような毎日だったんですね。両方の現場を行き来することで、それぞれからフィードバックがあって。

── フィードバック?

たとえば舞台と映像のお芝居の違いに、相手との距離があって。映像は舞台よりずっと近い距離でお芝居をする。そうすると相手の目から発せられるエネルギーを、舞台よりもずっと強く感じることができて。それが面白いなと思ったんです。

特に僕が出演している舞台の場合は、カラーコンタクトをしていることが多いので、なかなか目から相手の感情を読み取ることが難しくて。でも、映像の場合、カラーコンタクトはないので、目と目とのやりとりがすごくしやすい。そこからもらったヒントを、今度は舞台で試してみると、今までよりもずっと相手のお芝居から感じられるものが増えた。そして、そこで得たものを今度は映像の現場に持っていって……というのを繰り返していくうちに、どんどんお芝居が面白くなっていったんです。

だから、~AUTUMN & WINTER 2019~が終わる頃にはお芝居が楽しくて楽しくて。早く次がやりたいっていう気持ちでいっぱいでした。

── 立石さんは春組にいるときはどんな存在なんですか。

春組はみんな本当にバラバラの性格で。でも、バラバラだからこそ春組っていう感じがするんです。春組の『Spring has come!』という曲の中に「少しちぐはぐなのがいいじゃない?」という歌詞があるんですけど、まさにそんな感じで。ちぐはぐだからこそいいというか、その中でも僕はいちばんみんなをちぐはぐさせる存在かなと思っています(笑)。

── 音楽活動の方で言うと、ちょっと前のお話しにはなりますが6月にソロ曲『ONE』の配信が開始になりました。自分のソロ曲を発表できたことに対してはどんな気持ちですか?

待望の、という感じですね。今回、歌詞をお願いするにあたって、自分なりにこういうものにしたいというイメージがあって、それを作詞家の方にお伝えして。初めてのソロ曲なので、今まで見せたことのないような自分を表現できたらという想いがありました。

── 「答えはひとつじゃない」というフレーズがとても印象的でした。ぜひこのあたりに込めた想いを聞かせていただけたら。

この曲に関してはひとつの言葉でいろんな捉え方ができるものにしたかったんですね。だから歌詞もとても抽象的だし、きっと聞いている人それぞれで「これは何のことを言ってるんだろう?」「いつのことを言ってるんだろう?」っていろんな解釈が生まれるんじゃないかなと。僕はそれでいいと思っていて。みなさんそれぞれの捉え方で自由に楽しんでもらえたらうれしいです。

── レコーディングはいかがでした?

すごくスムーズでした。僕のやりたいようにやらせてもらえて。エンジニアさんともお互い意見をやりとりしながらつくれたので、自分としてもすごく満足できるものになりました。

ファンのみなさんに言ってもらえたのが、今まで聴いたことのない声だったと。「最初に聴いたときはTOSHIKIくんじゃない気がした」と言ってくれる方もいて。それはうれしかったし、聴いてみると確かに今まで出したことのない歌声だなと思いました。

ただ僕自身はレコーディングのときはそこはあまり考えずに歌ったんですよね。初めて今の素直な自分の気持ちで歌えたという感じで。IVVYのTOSHIKIでもなく、何か役をまとっているわけでもなく、ありのままの僕で歌えたので、それが自然と歌声に乗っていたのかなと思いました。

── 初めてのソロ曲だからこそ、ありのままの自分を表現できたわけですね。

本当にそうで。この曲で表現したかったのは、僕の半生。それをファンのみなさんに伝えたかった。歌っていると、自然と僕の中で当時の景色とか辛かった気持ちがこみ上げてくるんですね。しかも、曲を制作していた頃と今ではまた伝えたい想いも変わってきていて。きっと歌うたびにどんどん変わっていく曲なんじゃないかなという気がしています。

なので、僕自身もそのときに沸いた気持ちの通りに歌うのが正解かなと思うし、みなさんにもそれぞれの人生に何か重なるところを思い浮かべながら聴いてもらえたらうれしいです。

── では最後に、舞台やライブが中止になったり、いろんなことがあった自粛期間でしたが、それを経て何か表に立つ人間として自分の中で生まれた感情の変化があったら聞かせてください。

舞台も中止になってライブも中止になって、最初は何をすればいいのかなっていう感じで、とりあえず家で過ごしている日常の動画をアップしたりしていたんですけど。EXILEのATSUSHIさんの『輪廻』という曲を聴いて、「生きているだけで幸せ」という曲のメッセージに僕自身いろんなものをもらったり。Official髭男dismの藤原聡さんがインスタライブで生歌を披露してファンのみなさんとコミュニケーションをとっているのを見て、これじゃんと気づいたんです。今いちばん僕がみんなに喜んでもらえるのは、歌だよなと。

もちろん日常の動画をアップすることが間違いとかじゃなくて。ただ、ありがたいことに、今、僕は見てもらえる人がいて、少なくとも何か影響を与える力を持っている。だったら、その影響力をもっと世の中を良くしていくために使いたい。

僕は心から争いのない世界、愛に溢れた世界を望んでいて。きっとそれは僕だけじゃなく、みんな同じだと思うんです。じゃあそんな世界にするためにどうすればいいかと言うと、待っているだけじゃ何も変わらないから、まずは自分から変えていかないと。まず僕から周りにいる人に愛や優しさを与えて、その人がまた別の誰かに愛や優しさを広げていく。そんなふうにして世界をもっと良くしていくことがしたいなと思いました。

── すごくいい気づきだと思います。そういう意味でも、これからの立石俊樹さんがすごく楽しみですね。

ありがとうございます。本当は自粛になる前に気づけることってあったよなとも思うんです。目の前の人を大切にした方がいいのに、いてくれることが当たり前になっていて、ないがしろになっていたり。そういうことって絶対にあったと思うから、これからはもっとちゃんと人を大切にしていきたいです。

音楽にしろ、お芝居にしろ、僕の根底にあるのは伝えること。だからもっともっといろんな人に伝えていきたい。僕自身、辛いときに音楽やお芝居に救われてきたので、そんなふうにどんなに辛いことがあってもまた頑張ろうと思えるエネルギーを届けられるような表現者になりたいです。

立石俊樹さんのサイン入りチェキを3名様にプレゼント!応募の方法はこちら

撮影・デザイン/高橋那月、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、
スタイリング/添田和宏、衣装協力/ジャケット¥30,000、ベルト¥9,000/エフィレボル(ともにビン トウキョウ TEL:03-6416-0634)
シャツ¥3,999/フィグメンツ(ウィゴー TEL:03-5784-5505)
タンクトップ¥8,000、パンツ¥27,000/ともにキート(ティーニー ランチ TEL:03-6812-9341)
シューズ¥18,000/サロモン(サロモン コールセンター TEL:03-6631-0837)
※すべて税抜価格

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