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『エール』志村けんさんが見せる音楽家としての貫禄 古田新太と渡り合う“強い妻”二階堂ふみの姿も

リアルサウンド

20/5/14(木) 12:00

 木枯(野田洋次郎)に連れられて行ったカフェーをきっかけに、裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)が初の大喧嘩となった『エール』(NHK総合)第33話。第34話では、音の前に謎の男改め、プリンスとして相談役に現れた佐藤久志(山崎育三郎)が幼なじみである裕一と再会、そして裕一が小山田(志村けん)と初対面を果たす。

参考:朝ドラ『エール』第35話では、音(二階堂ふみ)が「椿姫」の主役選考会に臨み……

 喫茶バンブーの夫妻が良からぬアテレコをしだすような音と久志、2人の相談の場に偶然鉢合わせた裕一。夢の新婚生活もこれでおしまいかと思われたが、あの謎めいた幼なじみというまさかの展開となる。裕一、鉄男(中村蒼)と並び、“福島三羽ガラス”と呼ばれることになる久志は、幼少期に裕一が通う小学校に転校してきた県議会の息子だった。「今はデモクラシーの時代」とキザなセリフを発し、急に現れては消える。そのミステリアスな部分は、今となんら変わっていない。

 小学校5年生のときに藤堂先生(森山直太朗)から出された作曲の宿題を絶賛され、裕一は一躍有名に。そこには久志の背中を押す一言があった。現在、なかなか専属作曲家として曲が採用されない裕一に、久志は「焦ることはないさ。選ばれし者なんだ。いつか必ず道は開ける」と再び力強い助言を送る。幼少期のナレーションにて、久志は裕一にとっての終生の友とされており、2人の関係性は今後も続いていくだろう。

 しかし、久志の言葉も虚しく、裕一の道は閉ざされたまま。さらに、裕一には、「来期の契約金の半額」という、さらなる試練が待ち受けていた。レコードを1枚も出せていない裕一にとって、それはクビの宣告を受けているようなものであった。その知らせを聞いた音は、「冗談じゃない」とコロンブスレコードのディレクター・廿日市(古田新太)に直談判。廿日市の弱みに付け込み、見事、昨年と同じ契約金で話をつける。そこで音が知ることになるのが、裕一のコロンブスレコードとの契約には、日本を代表する西洋音楽の作曲家・小山田の推薦があったということだ。

 すれ違う音の方を振り返る小山田。これまでも度々登場し、そのいぶし銀の演技を見せてきた志村けんだが、回を重ねる毎に、その貫禄は増していく。ラストにはついに裕一が小山田と初対面。小山田の付き人・猿橋(川島潤哉)は、国際作曲コンクールで二等に輝いた裕一を「新世代の音楽。先生の後継者がようやく現れた」と評し、それに小山田は「本物かまがい物か……楽しみだね」とつぶやいていた。じっと鋭い眼光で裕一を見つめる小山田。その胸中にある思いは。(渡辺彰浩)

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