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菊田一夫演劇賞大賞の堂本光一「ここにいるのはジャニーさんのおかげ」

ナタリー

20/7/18(土) 8:00

第45回菊田一夫演劇賞の受賞者たち。

第45回菊田一夫演劇賞の授賞式が昨日7月17日に東京都内で行われた。

授賞式には「SHOCK」シリーズを20年にわたって牽引してきた功績で大賞に輝いた堂本光一をはじめ、演劇賞を受賞した岡本健一、川平慈英、高橋一生、朝夏まなと、そして演劇賞特別賞に選ばれた宝塚歌劇団の酒井澄夫が出席した。

「Endless SHOCK」のスタッフ・出演者一同は、2007年度に菊田一夫演劇大賞を受賞しているが、今回は堂本個人に対して賞が贈られた。個人として史上最年少で大賞を受賞したことを受け、堂本は「恐ろしくなるような、背筋の伸びる思いです。今後も(「SHOCK」を)賞に恥じないものにしなければ、自分自身もそうなっていかなくてはと感じました」と胸の内を語る。

「自分が今ここにいること、『SHOCK』を長く続けられていることは、ジャニーさんのおかげ」と故・ジャニー喜多川への感謝を口にした堂本は、「ジャニーさんと一緒に作り上げてきたものの良さを、今後も絶対になくしてはならない」と述べ、舞台を演出する際は常に「ジャニーさんだったらどう思うのかな?」と自らに問うていると言う。さらに堂本は「今一番聞きたいのは、世の中がこういう状況になって『ジャニーさんだったらどうする?』ということ。まだ返事はありません」と、コロナ禍におけるエンタテインメントを模索していることを明かし、「エンタテインメントの力を信じながら、みんなが心から楽しめる時間が戻ってくることを願っています。そのためにどうすればいいか、考えていこうと思います」と言葉に力を込めた。

続く岡本は、故・森光子から菊田一夫についてよく聞いていたことに触れ、「森さんから菊田先生に稽古でしごかれた話や功績について伺っていました。賞をいただけたのは何よりありがたかったです」と喜びを口にする。「海辺のカフカ」の大島役、「終夜」のヨン役の演技で演劇賞を受賞した岡本は、「海辺のカフカ」フランス公演について「フランスの方たちが感動する姿を見て、エンタテインメントは国境を越えて、思いを伝えられるんだなと感じました」と述懐し、さらに「終夜」については「僕が日本一好きなシアター風姿花伝という劇場での演技を評価していただけてうれしい」と話した。

「ビッグ・フィッシュ」のエドワード・ブルーム役の演技で演劇賞を受賞した川平は「最高、クウー! 猛烈にうれしいです」「(自分は)なんて幸せ者なのかとシャウトしてしまいました!」と喜びを爆発させる。川平は「ビッグ・フィッシュ」カンパニーに「スタッフ・キャスト、演出の白井晃さんのビッグハートとビッグサポートに、心から感謝申し上げます」と謝辞を送り、「誇りと自信を持って素晴らしい作品を作り、客席に“ハッピーパワー”を伝えたい」と今後の目標を掲げた。

高橋は「天保十二年のシェイクスピア」で演じた佐渡の三世次役の演技での受賞となった。出演を振り返り、高橋は「皆さんの中にある僕自身のイメージを裏切るようなお芝居となったかと思いますが、自分ではこの役で大きなジャンプをした感覚はありませんでした」と述べ、「久しぶりの舞台で歌うのはハードルが高かった。最初の歌のレッスンで『きっと大丈夫だろう』と言われましたが、僕は『きっと大丈夫じゃないんだろう』と思っていました……」と打ち明ける。受賞を受けては「これからもお芝居というものに真摯に取り組んでいきたいな、という気持ちがより一層高まりました」と決意を新たにした。

「感謝の気持ちでいっぱい」と話すのは、ミュージカル「Little Women -若草物語-」のジョー役、ミュージカル「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」のデロリス役の演技で演劇賞に選ばれた朝夏。朝夏は「どちらの役も夢をあきらめず力強く生きていくという点が共通していて、自分にとって財産です」と役への思いを語り、「舞台に立てることが当たり前ではなくなったとき改めて、私は舞台に立つことが好きだと心から思いました。新しい日常で自分にできること、表現できることを模索しながら精進します」と意気込んだ。

そして、長年の宝塚歌劇における作・演出の功績に対し演劇賞特別賞を贈られた酒井は「宝塚の作品に関しては、伝統を守っていかなくてはいけないなという思いが強い」と明かし、「宝塚には、いわゆる演劇界とは少し違う伝統がある。そのことを大事にして、昨年の『Eclair Brillant(エクレール ブリアン)』でもそれを守ろうと演出しました」と語った。

一般社団法人映画演劇文化協会が主催する菊田一夫演劇賞は、大衆演劇の舞台で優れた業績を示した作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフに贈られる賞。例年は4月に授賞式が行われるが、今年は新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。

※「Eclair」のEはアキュートアクセント付きが正式表記。

第45回菊田一夫演劇賞

菊田一夫演劇大賞

・堂本光一(20年にわたり「SHOCK」シリーズを牽引してきた功績に対して)

菊田一夫演劇賞

・岡本健一(「海辺のカフカ」の大島役、「終夜」のヨン役の演技に対して)
・川平慈英(ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」のエドワード・ブルーム役の演技に対して)
・高橋一生(「絢爛豪華 祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』」の佐渡の三世次役の演技に対して)
・朝夏まなと(ミュージカル「Little Women -若草物語-」のジョー役、ミュージカル「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」のデロリス役の演技に対して)

菊田一夫演劇賞特別賞

酒井澄夫(永年の宝塚歌劇における作・演出の功績に対して)

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