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岡田結実、恒松祐里、中村ゆりからの高い完成度 若手女優たちが光る『女子高生の無駄づかい』

リアルサウンド

20/3/6(金) 10:00

 ビーノ原作の漫画がアニメ化され、次いでドラマ化された『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日系、以下『女子無駄』)。タイトルの通り、個性的な女子高生たちが、日常を無駄に過ごしていくさまが丁寧に描かれている作品で、ドラマらしいわかりやすく劇的なストーリーがあるわけではない。しかし、放送されている時間帯が地域によって違えども毎回Twitterでトレンド入りを果たし、多くのファンを作っている。

 『女子無駄』に共存するキャラクターたちが持つ「個性」は、ともすれば「コンプレックス」として自分の胸に秘めがちになるものでもある。型破りな問題児「バカ」(岡田結実)、恋多き漫画家志望「ヲタ」(恒松祐里)、無機質系天才少女「ロボ」(中村ゆりか)、重度の厨二病「ヤマイ」(福地桃子)、心と頭が弱い優等生「マジメ」(浅川梨奈)、反抗期中の良い子「ロリ」(畑芽育)、コミュ障なオカルトマニア「マジョ」(井本彩花)、小悪魔系百合ガール「リリィ」(欅坂46 小林由依)……この文字のラインナップだけを見ると、ポジティブに受け取ることができない人もいるはずだ。

【写真】ロボ演じる中村ゆりか

 それでも本作では、「あだ名」を軸にしたそれぞれのキャラが愛おしく確かに「個性」として描かれ、共存している。その個性を持つからこそ思い浮かぶ発想、持っている性格があるのだ。登場人物によって視点が全く違い、同じ空間にいても全く別の学校生活の景色が見える。そこに思わずクスッとなる女子高生あるあるが詰められているのがおもしろい。

 また、ドラマを鑑賞するにあたって、“推し”を作ることは作品をより楽しむ要因の一つ。その中で本作はそれぞれが全く異なる個性で魅力を放っているため、ハマらないキャラがいたとしても、いずれかにはハマってしまえる。そして、その推しについてのネット上での語り合いが、本作をより一層楽しませ、話題性にも繋がっているのだ。

 そして、漫画、アニメ、そして実写とバトンが繋がれてきた本作であるが、実写化されたキャスト陣の完成度が高い。

 「バカ」を演じる岡田結実は、ご存知の方も多い、ますだおかだ「岡田圭右」の長女。
それもあってか芸能界に入った頃はバラエティでの活躍が目覚しかったが、ちょうど1年前に放送された『私のおじさん~WATAOJI~』(テレビ朝日系)にて連ドラ初主演に抜擢され、それに続いて本作でも主演に抜擢されている。コミカルな演技が「バカ」そのもので、今後はコメディエンヌ女優としての姿も楽しみになった。

 また、「ヲタ」を演じる恒松祐里は着実に女優としてのキャリアを積み、昨年には重要な役どころで『凪待ち』『アイネクライネナハトムジーク』『殺さない彼と死なない彼女』などに出演、より一層花開いてきた若手女優であると言えよう。「ヲタ」は「バカ」の行動に対してツッコミを入れていく立ち位置として、二人の掛け合いによる笑いを生み出しており、それがとてつもなくハマっている。

 「ロボ」を演じる中村ゆりかは、近年女優として静かに存在感を出してきており、特にドラマでの活躍が目覚ましい。『賭ケグルイ』(MBS/TBS)から始まり、女優としての力を見せつけたのが『左ききのエレン』(MBS/TBS)である。周りの天才に囲まれる中で凡人として生きることを選び、自らの感情を隠し、徹底的にエレンのマネージャーとして奮闘する加藤さゆりを見事に演じ切った。今回も感情が表に出ない「ロボ」を演じているが、その人となりはまるで違い、クールビューティー役へのハマり具合が絶妙だ。

 それ以外にもNHKの朝ドラ『なつぞら』の福地桃子、アイドルやグラビアとして活躍し徐々に女優業も増えてきている浅川梨奈、欅坂46として活躍している小林由依、そして本作が実質ドラマデビューとなる畑芽育と井本彩花はいずれも、今後が楽しみな女優ばかりである。

(岡田拓朗)

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