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FLOW、アニメ×ロックの最前線を走り続けるパフォーマンス 『アニメ縛りリターンズ』を振り返る

リアルサウンド

20/3/20(金) 18:00

 “アニメ縛り”とは何なのか。それは2017年12月に初めて開催され、翌年に南米ツアーも行われた、FLOWのFLOWによるアニメのためのお祭りだ。その名の通り、FLOWが手掛けたアニメ関連曲を全投下する一大イベントが、満を持して帰ってきた。2月24日、幕張メッセイベントホールにて、題して『FLOW 超会議 2020 〜アニメ縛りリターンズ〜』。この模様はニコニコ動画で生配信もされた。普段のFLOWのライブとは違う、男子比率とペンライト比率がぐっとアップした満員のオーディエンス。開演前の「影アナ」担当は内田真礼だ。いきなり豪華。16時30分、無礼講の宴が始まる。

「ふはははははははは……」

 いきなりスクリーンで高笑いしたのは、『コードギアス 反逆のルルーシュ』のゼロだ。

(写真=kimura yasuyuki)

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。この瞬間を楽しめ!」

 出た、名セリフ。メンバー登場、ド派手なレーザー、ペンライトの海。オープニングは『コードギアス 反逆のルルーシュ』シリーズから、「COLORS」「WORLD END」「PENDULUM」の三連発。「楽しみ倒そうぜ!!」とKEIGO(Vo)が叫ぶ。言われなくてもすでにフロアは沸騰状態、ペンライトの色を変えながら「オイ!オイ!」の大合唱だ。スクリーンには『コードギアス』の名場面が流れる。疾風怒濤のオープニング、ファンもメンバーも気合がハンパない。

「初めてワンマンで幕張メッセイベントホールに来たぜ。伝説作ろうぜ!」

 KEIGOの開幕宣言を受け、聞こえてきた曲紹介のナレーションは、『デュラララ!!×2 結』の竜ヶ峰帝人。曲はもちろん「Steppin’out」、客席は全員もれなくタオル回しで忙しい。続いて『PERSONA-trinity soul-』から「WORD OF THE VOICE」、『べるぜバブ』から「Hey!!!」。ラテンのリズム、疾走セツナロック、グラマラスなヘヴィロック。アニメに合わせてアプローチを変え、それでもすべてFLOWらしく着地させるのが、譲れない彼らの流儀だ。ベースのGOT’Sは、重低音を支配して動かざること山の如し、ドラムのIWASAKIは雷神の如くリズムをスパークさせ、ギターのTAKEは天馬の如く縦横無尽なプレーで駆け回る。盤石のバンドサウンドに乗り、KEIGOとKOHSHIはぐんぐん飛ばす。5人のバランスはエクセレントだ。

 今度のナレーションは『サムライフラメンコ』から羽佐間正義だ。

「みんなの正義と愛の力を幕張に集めましょう!!」

 粋なセリフからの「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」、しかも総勢14名のGinyuforcE(ギニュ〜特戦隊)&RAB(リアルアキバボーイズ)のオタ芸ダンス付き、これが盛り上がらずにいられるか。映画『ドラゴンボールZ 神と神』からの「CHA-LA HEAD-CHA-LA」と「HERO~希望の歌~」、“元気玉”ロック二連発も歌わずにはいられない。スクリーンでは、悟空と破壊神の空中バトルが熱い。『HEROMAN』からの「INVASION」は楽器隊3人だけで、気迫満点のインストカバー。続く「CALLING」は、青く染まったペンライトの中で切なく熱く疾走するロックチューン。めまぐるしく変わる映像と音楽、FLOWがアニメ界で積み上げてきたキャリアの重みと広がりを感じさせる、圧巻のパフォーマンスだ。

「最高の景色、見てます。みんなのおかげです」(IWASAKI)
「8割くらい、二次元じゃない?」(GOT’S)
「一人残らず、間違いなく、優勝させます。最後まで楽しんで!」(TAKE)

 三者三様、楽器隊の挨拶を受けて「まだ半分行ってません!」と煽るKEIGO。そこにかぶさるのは、レントンとエウレカの声ではないか。

「I Can Fly!」

 またもや出た、名セリフ。『交響詩篇エウレカセブン』からの「DAYS」「Realize」、そして「ブレイブルー」は、FLOW流ダンスロック路線を定着させた名曲ばかり。大スクリーンいっぱい繰り広げられるリフティングも、爽快の一言。「ブレイブルー」のペンライトはもちろん青一色。みんなよくわかってる。

 ベルベットの声が聞こえたら、それは『テイルズ オブ』シリーズの始まりの合図。「BURN」にかけて、ステージの上では炎が上がる。スレイ、ミクリオ、ロゼ、アリーシャの声でさらにエンジンをかけ、「風ノ唄」から「INNOSENSE」へ。大量のスモークがステージを覆い、劇的なサウンドがドラマを盛り上げる。GOT’Sのスラップがばしばし決まり、宴は最高潮だ。

「アニメの曲は、ただのタイアップだと思っていません。作品とぶつかりあって、向き合って、コラボさせてもらってます。これからも全力で作品に、そしてみんなに、ぶつかっていきたいと思います。コラボレーションさせてもらった全作品に感謝します」

 KEIGOの熱いMCに満場一致の拍手が応える。「アニソン? ロック? ジャンルをぶっ壊せ!」と声高らかな宣言から始まるラストスパートは、FLOW×アニメ史の中でも最も関わりの深い、『NARUTO -ナルト‐』シリーズとのコラボ曲を一気に聴かせる、“NARUTO祭り”だ。ミラーボールが美しく回る「光追いかけて」を皮切りに、ナルト、サスケ、サクラ、シカマル、ヒナタの声の応援を得て一気にヒートアップ。「おまえらの真っ直ぐな忍道を見せてくれ!」とナルトに言われたら、見せ方がわからなくても関係ない、ぶちあがるのみ。明るく爽やかな「Re:member」、炎とレーザーのラウドロック「Break it down」、ドラゴン花火が火を噴く「SUMMER FREAK」、ラーメン「一楽」を舞台にしたバックの映像が切ない「虹の空」と、あの手この手で盛り上げる。「まだまだ飛べるだろ!」、とKEIGOが煽る。FLOWのキラーチューンNo.1「GO!!!」は、走る、飛ぶ、跳ねる、コール&レスポンス、ウェーブ、金テープ発射と、何でもありで急上昇。さあ、クライマックスご一緒に。

「今日歌わせてもらったすべての楽曲、作品、そして目の前のみんなが俺たちの誇りです。これからも俺たちにしか歌えない歌を歌っていきます。これからもよろしく!」(KEIGO)

 この日の24曲目、“アニメ縛り”のフィナーレを飾ったのは「Sign」だった。YouTubeで2000万回再生を突破した、FLOW×アニメ史に燦然と輝く代表曲。サビで観客が熱唱し、スクリーンに、ニコ生と連動したコメント欄が流れる。「最高」「圧倒的感謝」「優勝」ーー膨大な書き込みが、ライブの興奮が動画を通して伝わったことを証明する。バラードなし、全力疾走で駆け抜けた2時間半。宴が済んで日が暮れて、最後はなごやかな記念撮影、合言葉は「アニメ縛りリターンズ!」「最高!」だった。

 メンバーが去り、エンドロールで流れる「Sign」、そして最後にもう一つお楽しみ。スクリーンに再び姿を現したのはゼロだ。

「素晴らしいライブをありがとう。それではまたいつかお会いしよう……」

 みんなのセリフを代弁する優しいゼロ。楽曲、演出、すべてが“アニメ縛り”だからこそ実現した熱狂のライブは、これにて全編終了。アニメとロックの融合の最前線で走り続ける、FLOWの底力を見せつけるパフォーマンス。“信じた道をひたすら進め”、それがFLOWの忍道だ。

(写真=kimura yasuyuki)

(メイン写真=Shibata eri)

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