リリー・フランキーが日英合作映画「Cottontail（原題）」で主演を務めることが明らかに。共演に錦戸亮、木村多江、高梨臨が名を連ねる。

本作は、死んだ妻・明子の願いを叶えるため、疎遠になっていた息子トシとその妻子とともにイギリスへ旅立つ男・健三郎の姿を描く人間ドラマ。リリー・フランキーが健三郎、錦戸がトシを演じる。「ピーターラビット」の発祥地であるイギリスのウィンダミア湖に散骨してほしいと願っていた明子役で木村が出演。トシの妻さつきを高梨が演じる。

また「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」のキアラン・ハインズ、「ワイルド・ローズ」「もう終わりにしよう。」のジェシー・バックリーも出演。なおタイトルの「Cottontail」は、児童書「ピーターラビットのおはなし」に登場するピーターの妹の名前だ。

監督を務めたのは、日系アメリカ人の夫婦を描いた2013年の短編「Usagi-san（原題）」が高く評価されたパトリック・ディキンソン。早稲田大学への留学経験があり、多くの日本映画を観る中で今回の出演者を決めた。ディキンソンとプロデューサーのガブリエル・タナによるコメントは下記の通り。

「Cottontail」は2021年初夏に日本で撮影開始。2022年の公開を予定しているが、日本での配給会社は未定となっている。

パトリック・ディキンソン コメント

リリー・フランキーさんは、今を代表する素晴らしい俳優の1人です。彼が役柄にこめる繊細で人間らしい演技には、毎回驚かされますし、これこそが彼が特別な存在感を放つ理由だと思っています。今回「Cottontail」という愛の物語でリリーさんと一緒に作れることをとても楽しみにしていると同時に、世界中の人々の心に触れる美しい映画にしていきたいと思っています。

錦戸亮さんは、演じる役の感情に観客を引き込むことが非常に上手な俳優さんです。「羊の木」での亮さんのお芝居で僕は、どんどん彼の役の感情に引き込まれ、忘れられない映画体験をさせていただきました。才能豊かな亮さんの演技の幅広さと奥深さを「Cottontail」で皆さんにも体験していただけることをうれしく思っています。

木村多江さんが日本アカデミー賞を受賞された「ぐるりのこと。」でのお芝居を拝見して、本当に素晴らしいと感じました。多江さんは偽りのない真の感情を見事に表現していて、僕は何度も泣かされました。多江さんの、この“真に迫るもの”こそが、観客の心の奥深くまで響き、感動を与える理由だと思っています。多江さんと一緒に「Cottontail」という愛の物語で、彼女の才能を映像化できることが楽しみです。

高梨臨さんのカンヌ国際映画祭に正式招待された「ライク・サムワン・イン・ラブ」でのお芝居は本当に秀逸でした。臨さんは役柄を、希望や恐怖心などを抱え持つ人間味あふれる存在として見事に演じ、私は、彼女に特別な才能を感じました。幸運にも臨さんがキャストに加わって下さったことで、「Cottontail」をご覧になった方々は、きっと彼女の細やかな感情あふれるお芝居で胸心を動かされることだろうと思っています。

ガブリエル・タナ コメント

パトリック監督の脚本のもとに、こんなにも素晴らしい俳優さんたちが集ったことを大変うれしく思っております。この美しい物語を映画としてこれから皆さんと作れることを、製作者一同楽しみにしております。素晴らしい監督や役者やスタッフとともに、この愛の物語は、言葉も国籍も越え、多くの方々の心に響く作品にしていきたいと思っています。