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米津玄師、2週連続バイラルチャート上位独占 最新作に並びランクインする『BOOTLEG』収録曲に再注目

リアルサウンド

20/8/18(火) 12:00

参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(8月13日公開:8月6日~8月12日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:米津玄師「Lemon」
2位:米津玄師「馬と鹿」
3位:米津玄師「パプリカ」
4位:米津玄師「Flamingo」
5位:米津玄師「ピースサイン」
6位:米津玄師「LOSER」
7位:米津玄師「海の幽霊」
8位:米津玄師「orion」
9位:米津玄師「TEENAGE RIOT」
10位:米津玄師「灰色と青」

 先週バイラルチャートを席巻した米津玄師の大躍進が今週も止まらない。8月5日にリリースされたニューアルバム『STRAY SHEEP』はCDの売上枚数が早くも100万枚を突破するなど、サブスク時代にも関わらずとてつもないセールスを記録している。その人気は音楽のみに留まらず、8月14日にはユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」とコラボしたTシャツが日本をはじめ世界のユニクロで順次発売され、いくつかのユニクロの店舗には長い行列ができ、一部の商品が売り切れるほど好評だ。

 ボカロP「ハチ」として音楽活動をしていた時代の作品も含めた全曲を『STRAY SHEEP』発売日に一斉にサブスクで配信開始した米津玄師。Spotifyのウィークリーバイラルチャートに目を向けてみると、『STRAY SHEEP』収録曲以外のランクインも目立つ。今週のベスト10では6曲が『STRAY SHEEP』収録曲、残りの4曲が2017年発表の前作アルバム『BOOTLEG』収録曲となっている。ベスト20まで含めると『BOOTLEG』収録曲のランクインは9曲にのぼる。サブスク時代の到来により流行の移り変わりが加速するなかで『BOOTLEG』のような約3年前のアルバム作品が最新アルバムとチャートで肩を並べる状況は異例だ。しかし、「ピースサイン」「LOSER」「orion」といった『BOOTLEG』に収録されている過去のヒットシングル楽曲がランクインすることは、ベストアルバムをリリースしていない米津玄師としては順当な結果と言える。

米津玄師 MV「ピースサイン」Kenshi Yonezu / Peace Sign
米津玄師 MV「orion」
米津玄師 MV「LOSER」

 驚くべきはシングルカットされていないアルバム曲もしっかりチャートに食い込んでいることであろう。例えば「灰色と青」はしっかり10位にランクインを果たし、その存在感を示している。この楽曲は菅田将暉の客演がファンの間でも話題になり、そのクオリティはTV番組『関ジャム 完全燃SHOW』で、音楽プロデューサーの蔦谷好位置に2017年リリース曲のなかで「圧倒的な1位」と言わしめたほどだ。

米津玄師 MV「 灰色と青( +菅田将暉 )」

 「灰色と青」の他にも11位〜20位には「春雷」「爱丽丝」「砂の惑星」といった『BOOTLEG』収録のアルバム曲がランクインしている。この現象からニューアルバム『STRAY SHEEP』だけが牽引する一過性の推進力ではなく、過去作も含めた「米津玄師作品」による非常に強い推進力を感じずにはいられない。一方で今後これほどまでにそびえ立った米津玄師の牙城を崩すのは、どのようなアーティストのどのような楽曲になるのだろうか。音楽チャートは移ろう時代の鏡である以上、盛者必衰の世界だ。米津玄師の大躍進を見守りながらも、新たな楽曲との出会いに期待がふくらむ。

■Z11
1990年生まれ、東京/清澄白河在住の音楽ライター。
一般企業に勤務しながら執筆活動中。音楽だけにとどまらず映画、書籍、アートなどカルチャー全般についてTwitterで発信。ブリの照り焼きを作らせたら右に出る者はいない。
Twitter(@Z1169560137

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