「東京の恋人」の初日舞台挨拶が東京・ユーロスペースで6月27日に行われ、ダブル主演を務めた森岡龍と川上奈々美、監督の下社敦郎が登壇した。

本作は結婚して夢をあきらめた主人公・大貫立夫と、学生時代の元恋人・満里奈が約10年ぶりの再会を経て、青春と決別する姿を描いたラブストーリー。MOOSIC LAB 2019の長編部門で最優秀女優賞と松永天馬賞に輝いた。

立夫役の森岡は、満席の会場を見渡して「映画を映画館で観られることが当たり前ではない時代に無事初日を迎えられた。本当にうれしく思います」と喜びをあらわにする。下社も「この状況でお客さんが入るか本当に心配でした。満席となり本当にうれしいです」と感謝を口にした。

満里奈役の川上は、撮影時は20代後半になる頃。役に心から共感できたと述べ、「思いが込もりすぎてNGが出た場面もあったくらいで」と明かした。また大胆な性愛描写については「殺陣のように、ダンスのように演じることを意識しました」と振り返る。

コロナ禍後の映画のあり方について問われると、森岡は「自粛期間中はリモート映画など新しい可能性も発見できた一方、やはり自分は躍動する肉体を映画に求めているので、早く収束するのを祈るばかりです」と切実に語った。また川上は「どん底でもポジティブに考えてしまうタイプなので、こういう形の初日を迎えるのも運命かなって。自粛明けに皆さんの思いを直接感じられてうれしいです」と登壇できたことへの喜びを改めて伝えた。

「東京の恋人」は全国で順次公開。

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