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『呪術廻戦』最強呪術師・五条悟はどうなる? 飄々とした天才が抱く、生徒への愛情

リアルサウンド

20/4/28(火) 15:20

 『週刊少年ジャンプ』2020年21・22合併号の『呪術廻戦』第104話では、前回に引き続き、渋谷事変が繰り広げられている。渋谷事変とは、呪術師と呪霊・呪詛師との総力戦であり、ハロウィンの夜の渋谷駅地下構内が主な舞台となる。最強の呪術師・五条悟は、夏油傑の持つ特級呪具・獄門疆に封印され、呪術師側は危機的状況だ。渋谷事変のキーパーソン・五条悟の動向によって、のちの展開は大きく左右されるはずである。本項では、そんな五条悟のキャラクターを改めて掘り下げていきたい。

参考:『呪術廻戦』心優しきヒーロー、虎杖悠仁の葛藤 「正しい死」の答えは見つかるのか?

 五条悟は東京都立呪術専門高等学校(以下、高専)の教師であり、悠仁や恵や野薔薇の担任。自他共に認める最強呪術師であり、特級呪霊に対しても楽勝できるほど。

 彼の基本的な術式には「無下限呪術」というものがある。それは、相手の体や攻撃が悟に触れようとする際に彼に近づけば近づくほど、それらの対象が遅くなる。そして対象と比較して、悟は驚異的なスピードで移動や攻撃ができるのだ。さらに、無下限呪術を利用した、術式順転「蒼」、術式反転「赫」、虚式「茈」などがある。

 領域展開は「無量空処」。知覚や伝達などの、生きるという行為に無限回の作業を強制する。そうすることで、生きている状況での全ての情報が与えられるぶん自らの意志では全く行動できなくなるのだ。

 ただ、上記の説明のみだと抽象的すぎてイメージしづらいであろう。ぜひとも、単行本2巻の第14話、第15話を読んでほしい。

 性格は「最強」とは思えぬほどに、飄々として一見テキトーなノリで終始ふざけているようにさえ思える。「最強」のわりにまるで風格がない。たとえば、高専の東京校と京都校との交流会に向けた訓練のとき。悠仁には呪力の制御を身につけさせるため、まさかの、四六時中さまざまなジャンルの映画を見るという課題を与えた。だが、その最中でも、悟は特級呪霊との闘いに見学と称して強引に悠仁を連れ出した。そういった、一見して思いつきに思える行動やふざけ具合には枚挙にいとまがない。

 だが、生徒への愛情は並々ならぬものがある。高専1年の3人が特級呪霊の相手をし、悠仁から宿儺が呼び出され、彼が宿儺に殺されたときは激昂する。また、呪術師としての経験が浅いわりに驚異的な能力を持つ悠仁に対して恵が嫉妬していると気づき、恵に稽古をつけたこともあった。

 生徒へのそのような想いには理由がある。まず、悟は彼のいう「腐った呪術師界」をリセットする信念に燃えている。悟ほどの実力があれば、単に上の連中を皆殺しにするのは簡単なはずだが、そうだとしても首がすげ替わるだけで変革は起きない。だからこそ、悟は教育を選び、並々ならぬ愛情で強く聡い仲間を育てるのだ。故に並の呪霊との闘いでは、悟ではなく生徒たちが討伐任務にあたる。

 では、腐った呪術師界とはいかなるものなのか。現状、具体的に明かされてはいない。悠仁ら1年生のはじめての特級呪霊討伐や恵との出会いなどから、あいまいに語られる程度だ。

 渋谷事変の後、その腐った呪術師界上層部との対決があるのか。あるとしたら、どのようなかたちになるのか。読者としては推測したくなるであろう。仮にその展開の線であれば、上記のキャラ造形からして、悟はみずから前線で対決するようには思えない。そう考えると、渋谷事変で悟は退場する可能性もある。今後の展開次第では、悟の生徒にその信念は継承されるのかもしれない。

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