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奥山かずさ、写真集『AIKAGI』の見事な肉体表現 スラッとした背中で語る“覚悟”

リアルサウンド

20/9/28(月) 15:31

 女優の背中を、これほどまでに逞しいと感じたことが今までにあっただろうか。率直にそう感じさせてくれたのは、女優・奥山かずさ。2018年『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日)で女優デビューを果たし、同年、グラビアデビューしてするも軒並み表紙を飾り、一気に人気と知名度を上げた。そのスタイルは「日本で一番美しいカラダ」と称されるほどで、ハリとしなやかさのバランスが良く、自然の中で作られたナチュラルさが魅力だ。そんな奥山かずさが2020年7月20日に2nd写真集『AIKAGI』(ワニブックス)を発売した。この写真集では、まさにその美しい体をじっくりと見せてくれており、「エロス」とともに逞しさをも感じさせる力強い作品となっている。

 デビュー作となった『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の出演当時、奥山かずさは24歳。女優デビューとしては比較的遅めの年齢ではあるものの、そんなことを微塵も感じさせない威力があるから奥山かずさは本物だ。父親が元警察官だったこともあり、もともとは自身も公務員を目指していたという。そんな彼女が今や女優として着々と実績を積んでおり、2020年には『SEDAI WARS』(MBS/TBS)、テレビ朝日『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』と、連続ドラマに2本出演する活躍ぶりを見せてくれている。

 さらに、グラビアでの活躍も見逃せない。2018年7月30日に発売された『週刊ヤングマガジン』(講談社)第35号で、初グラビアながら表紙を飾り、程よく引き締まった正統派のスタイルを見せると瞬く間に人気が出て、グラビアデビューから約半年経った2019年3月12日に1st写真集『かずさ』(講談社)を発売。その約1年後に本作である2nd写真集を発売しているのだ。このスピード感から、奥山かずさの溢れ出る魅力と、鋭い肉体表現を感じてもらえるのではないだろうか。

じっくり見せる、ありのまま

 写真集『AIKAGI』は、どこまでも生っぽい。じりじりと記憶に染み付いてくるような湿っぽさと時おり昭和を感じさせる渋さがあり、可愛く・美しく撮ろうということ以上に、奥山かずさはこの場所で何を感じ、どんな表情を見せるのだろうかということを、自身もまだ未知のまま、じっくり探っていくような写真集となっている。そこに写るのは、今までに見せたことがないような表情ばかりで、一撮一撮に、ありったけの情熱が込められているのが感じられる。

 全体的に、奥山かずさの体のラインや肌の質感がしっかりと感じられる写真が多く掲載されている。至る所で足を開いたり、胸元を大きく開けたり、どこかしどけなさも感じさせる「エロス」は、いやらしいどころか自然体で勇しい。下着を身に付けずに布一枚で体を隠すカットも多く、その度に完璧すぎるスタイルに惚れ惚れしつつも、生々しさにじんわりと目を奪われる。光と影のなか、重力に任せて流れる肉をそのままに、ときに柔らかく、ときに鋭く、ときに無の表情を見せる。そこには一切の迷いがない。

 自分を良く見せよう、綺麗に見せようという執着よりも、乱れた髪も、不完全さが写る画角も全て受け入れ、静かに鳴るシャッター音に耳を済ませては、”ありのままの自分を撮られる”という快感に浸っているような印象を受ける。急スピードで駆け上がってきた約3年。一枚のグラビアからさまざまな感覚を匂わせるまでに表現力の幅を広げており、そこからは運でも虚像でもなく、堅実な努力が見えてくる。だからこそ、まだまだこれから大きくなっていく人なのだと思えるし、今後どんな表現を見せてくれるのか楽しみで仕方がない。

幅広い表情を見せる背中

 特に本作で注目したいのが背中だ。グラビアの背後カットは珍しいことではないが、他の写真集と比べても比較的多いように感じるし、まさに「背中で語る」という言葉がピタリとハマるほど、スラッとした背中から強い情熱を感じる。自分では見にくい部位であるからこそ、ケアも難しく、自分も知らない自分が写る背中。その背中を自信を持って見せる姿に、やはり勇しさや逞しさを強く感じた。奥山かずさの魅力は、この背中が物語っていると言っても、きっと過言ではない。

 本作を撮影したのは写真家の中村昇。『週刊プレイボーイ』の撮り下ろしでも奥山かずさとタッグを組んだことがあり、その時のインタビューで奥山かずさは「これまでのカメラマンさんと違ってあまりシャッターも押してもらえないし、今までにやってこなかったことも要求されたりして。」と語っている(女優・奥山かずさが台湾ロケで見せた”奇跡のバックショット”の舞台裏とは?「布が一枚あるかないかで感情が全然違うんです」より)。本作もまた、焦らすようなテンポ感でじっくりと撮影されたのだろう。ひとつの表情が、どこまでもリアルで、情熱的に写っている。ページをめくる度に、ゾワゾワと静かに胸が高鳴った。

 この情熱、この生感。「愛鍵」を持つことでしか覗くことのできない、奥山かずさのありのままが詰まった『AIKAGI』は、彼女にとっても大きな布石となる一冊となったに違いない。

■とり
日々グラビアに勇気と希望をもらって生きており、 グラビアを熱くドラマチックに語るのが趣味。 読んだ後に心が豊かになるような文章を心がけています。 好物はカレーとサーモンです。Twitter:@seikatsu_torinote

■書籍情報
奥山かずさ写真集『 AIKAGI 』
写真:中村 昇
価格:3,300円(税込)
出版社:ワニブックス
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