Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

青年団の若手が『東京ノート』を大胆に再構築

ぴあ

19/12/24(火) 0:00

青年団若手自主企画vol.80 堀企画『トウキョウノート』

1995年に岸田國士戯曲賞を受賞した平田オリザの『東京ノート』。青年団によって初演されてから四半世紀を経て、若き演出家によって解体・再構築される舞台が、本日より開幕する。

東京にある美術館を舞台に、そこを訪れる客や学芸員の断片的な会話を同時多発的に見せる。物語の背景にはヨーロッパで起きた架空の大きな戦争があり、登場人物たちの会話を聞くごとに少しずつそのことが浮かび上がってくる。これまで13カ国語に翻訳され、世界16カ国で上演された。

そんな、青年団の金字塔とも言うべき代表作に、2005年から青年団に所属している演出家で俳優の堀夏子が挑む。青年団では劇団員誰もが企画公演を立ち上げることができ、その中から審査を通った者が「若手自主企画」として上演を果たすのだ。オリジナル版『東京ノート』では20人いた出演者が、今回はなんと7人。同時多発で聞こえづらかったセリフや、登場しない人物たちにフォーカスをあてて、「不在」を浮かび上がらせる。タイトルも『トウキョウノート』と改題しての上演だ。

堀は桜美林大学在学中から平田に師事。2006年から20012年まで平田演出の『東京ノート』に出演しており、2020年に上演される『東京ノート』にも出演予定。今年10月に、演劇集団キャラメルボックスの俳優・多田直人による企画公演で初めての作・演出を経験したばかりだ。

新しい世代の作り手が、かつての名作を作り直す。ただの「再演」とは違う、実にクリエイティブな試みがそこにある。青年団若手自主企画vol.80 堀企画『トウキョウノート』は、東京・アトリエ春風舎にて12月29日(日)まで。

文:小川志津子

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む