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やなぎみわ、地元で“海上劇”を制作予定「神戸ならではの作品が作れたら」

ナタリー

18/10/7(日) 11:15

やなぎみわ

来年2019年9月から11月にかけて、兵庫の兵庫港地区、新開地地区、新長田地区で行われる「アート・プロジェクトKOBE 2019:TRANS-」のプレスカンファレンスが、10月5日に兵庫・神戸市役所で行われた。

「TRANS-」は、「アーティストとともにつくり、ひらく文化創生都市KOBE」をテーマに掲げたアート・プロジェクト。芸術祭には大人数のアーティストが参加することが多いが、「TRANS-」では参加作家を少人数に絞り、会場も10カ所程度を予定していると言う。昨日の会見には参加作家に名を連ねるドイツ生まれのアーティスト、グレゴール・シュナイダーと、今回の開催地である兵庫区出身のやなぎみわが出席した。

やなぎは、中上健次の小説をもとにしたキャラバン劇「日輪の翼」の映像を上映しながら、同作のコンセプトを説明。近年の代表作であるこの作品は、過去にさまざまな土地で上演され、昨年17年には兵庫・神戸港ほかにて開催された「港都KOBE芸術祭」でも披露されている。

やなぎは、移動舞台車(ステージトレーラー)を使用した「日輪の翼」の公演を振り返りながら、「トレーラーを用いて、私はこれまでいろいろな場所に物語を運んで来ました。過去の創作はよそ様の土地に入っていって、“私たちの物語”を語る、あるいは歌うことが多かったのですが、来年作品を発表するのは私が生まれ育った故郷。今回の企画をきっかけに、『外から入って来た人々を受け入れる方々はどんな気持ちなんだろう』ということを考えるようになりました」とコメント。これまで海外で作品を発表する機会が多かったことから、「神戸にとって自分はよそ者なのか、もしくはこの場所は我が庭なのか、よくわからないような感じです」とはにかみつつ、「神戸という土地の歴史を自分の中に入れていく作業が続いています。『TRANS-』に参加することによって、我が故郷の知らなかった歴史を知ることになるでしょう」と述べた。

また、具体的に企画を詰めていくのはこれからとしたうえで、「TRANS-」で上演が予定されている“海上劇”についても言及。やなぎは、神戸で盛んに行われている重工業の技術を用いて、“物語を運ぶ装置”を作りたいと話し、「海と関わってきた神戸ならではの作品が作れたら」と構想を明かした。なお彼女は「TRANS-」にて、「海の上での邂逅」を題材とした“海上劇”のほか、美術作品を発表する予定だ。

さらにプレスカンファレンスでは、やなぎと共に「TRANS-」に参加するシュナイダーが、インスタレーション作品「7つの道行き」を制作することや、主催プログラムに加えて、一般公募によるプログラムが実施されることなども明らかに。プレスカンファレンス終了後、やなぎとシュナイダーは久元喜造神戸市長と面会し、交流を深めた。

「アート・プロジェクトKOBE 2019:TRANS-」

2019年9月14日(土)~11月10日(日)
兵庫県 兵庫港地区、新開地地区、新長田地区

参加:グレゴール・シュナイダー、やなぎみわ

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