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北川景子が島本理生原作「ファーストラヴ」で殺人者の心理に迫る、監督は堤幸彦

ナタリー

19/11/7(木) 5:00

「ファーストラヴ」より、北川景子演じる真壁由紀。

第159回直木賞を受賞した島本理生の小説「ファーストラヴ」が映画化。北川景子が主演し、堤幸彦が監督を務める。

本作の主人公は、父親を刺殺した女子大生・聖山環菜(ひじりやまかんな)のドキュメンタリー本を執筆することになった公認心理師・真壁由紀(まかべゆき)。二転三転する供述に翻弄されながらも面会や手紙のやり取りを重ねていく由紀だったが、やがて彼女は環菜に過去の自分と似たものを感じ始める。なお公認心理師とは、専門的知識および技術をもって心の問題を抱える人物やその周囲の人間を観察・分析し、助言や援助を行う職業だ。

髪を30cm以上切って由紀を演じた北川は「原作・脚本を読みながらも胸が苦しかったのですが、今だからこそやるべき作品だと思いました」とコメント。「ミステリーの中にも人々の愛情やドラマが織り込まれた、新しいエンターテインメント作品になると思います」と自信をうかがわせている。

浅野妙子が脚本を手がけた「ファーストラヴ」は、2021年に全国ロードショー。

北川景子 コメント

この度、映画「ファーストラヴ」で主人公の真壁由紀役を演じることとなりました。
由紀は公認心理師として活躍し、幸せな家庭を築いている、とても恵まれた女性ですが、ある日女子大生・聖山環菜が起こした父親殺害事件のドキュメンタリー本の執筆を依頼されたことをきっかけに事件に、環菜に、翻弄されていきます。
次第に環菜と自分の過去が重なっていく。少しずつ事件に侵食されていき、押し殺していた気持ちが蘇り、本当の自分と向き合わなくてはならなくなる。築き上げてきた現在の生活が崩れてゆく。
その様子を丁寧に演じたいと思います。

なぜ環菜は父親を殺さなくてはならなかったのか。タイトルの「ファーストラヴ」の意味とは何なのか。
ずっと考えながら撮影しています。

この度このファーストラヴのお話をいただき、島本さんの素晴らしい原作の映画化に携われること、堤監督とご一緒できること、主演できること、全てがとても嬉しかったです。原作・脚本を読みながらも胸が苦しかったのですが、今だからこそやるべき作品だと思いました。
人は皆、大なり小なりそれぞれが問題を抱えていたり、心に傷を負っているものですが、それがいつの日か救われたり、乗り越えられる日が来るのかもしれないと思わせてくれました。そして胸がえぐられるような場面もあるのにもかかわらず、原作を読み終えたとき、心の澱を洗い流せたような、清々しく前を向けたような気持ちになりました。
私はあの気持ちが忘れられなくて、映画をご覧になる方々にも同じ想いになっていただける作品にしたいです。

初めてご一緒する堤監督はずっとご一緒したかった方。お声をかけていただき本当に嬉しかったです。堤監督はいつも明るく、的確に導いてくださいます。
監督は昨日撮った映像を次の日に見せてくださったり、時代はこんなにも進んでいるのか、と感じました! 繊細な作品ですが堤組の現場がカラっとした雰囲気なのでとても助けていただいています。
これから撮影は後半戦に入りますが、監督と組のスタッフの皆様を信じて感情を出し切れるよう頑張ります。
ミステリーの中にも人々の愛情やドラマが織り込まれた、新しいエンターテインメント作品になると思います。
皆様どうぞ楽しみにしていてください。

堤幸彦 コメント

原作を読んだとき細やかに描かれた作中の人びとの葛藤と「救い」を、映像作品にすることが私の力量で可能なのかかなり思い悩んだ。しかし奇跡的なキャスティングと的を射る脚本、気心知れたスタッフによってそれは“目に見えるシーン”となっている! そして私が挑んだことのない領域に日々押し上げられている! 毎日モニターとにらめっこして、立ち止まり悩みながらなのだが、なんともそれは幸福な仕事なのだ。その成果を一日も早く皆様に届けたい。ご期待ください!

島本理生 コメント

十代の頃から夢中になって観ていた堤幸彦監督の作品に、自分の小説が加わることを嬉しく思います。
主演の北川景子さんを始めとしたキャストの方達が、娘の父親殺しという事件を通して、家族問題や恋愛の深い闇をどう解明していくのか。原作はけっして明るい題材ではないですが、その色を塗り替えるような豪華なキャスティングに、どんな化学変化が起きるのだろうかと今から非常に楽しみです。
秘密を抱えた登場人物たちの横顔が、エンドロールの後も焼きついて残るような映画になることを期待しています。

二宮直彦(プロデューサー)コメント

「動機はそちらで見つけてください」
父親を刺殺した女子大生が言い放った扇情的な言葉から始まる物語の導入とは裏腹に、〈ファーストラヴ〉と題された理由、それは島本理生さんのとても繊細な筆致で綴られ、ラストにその意味が明らかになる。
心理サスペンスでありながらその裏にある隠されたドラマが重層的に絡む本作を当代きってのエンターテイナーである堤幸彦監督にメガホンを取っていただき、主演に北川景子さんをお迎えして、この上ないチームが実現しました!
北川さんは事件の真相を探りながら自身の過去と向き合うという難役を、「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターや「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンといった映画史に残る女優たちが見せた知性、野心、繊細さに迫った女優魂で臨んでいただきスタッフ一同圧倒される撮影の日々です。
張り詰めた緊張感の先に最後は清涼感を与える新しいエンターテイメント作品になると確信しております。
どうかご期待ください。

(c)2021「ファーストラヴ」製作委員会

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