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BOYSぴあSelection 第23回 宮野真守

宮野真守「ユウの姿に、前を向いて生きていく勇気をもらった」

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特集

19/8/23(金)

製作総指揮/原案・脚本を務めるのは、『妖怪ウォッチ』『レイトン』シリーズを生み出したレベルファイブの日野晃博。

監督は、『おもひでぽろぽろ』『火垂るの墓』を手がけたスタジオジブリ出身の百瀬義行。

そして音楽は、『千と千尋の神隠し』の久石譲。

日本を代表する豪華クリエイター陣が結集し、アニメ映画史に残る新たな名作を生み出した。それが、8月23日(金)より公開の映画『二ノ国』だ。

人気RPG『二ノ国』を、完全オリジナルストーリーで映画化。現実世界と魔法世界。命のつながりを持つふたつの世界が交差する冒険ファンタジーがスクリーンで繰り広げられる。

宮野真守が演じるのは、二ノ国の魔法宰相・ヨキ。日本のアニメのトップシーンで活躍する宮野の目に、本作はどのように映ったのだろうか。

この映画だから感じられる命の輝きがある

── まずは『二ノ国』に対する宮野さんの感想を聞かせてください。

世界観が非常に面白いですよね。

まず原作のゲーム自体が、もしかしたら本当にこういうことがあるのかもしれないと思わせてくれるようなファンタジーで、その世界観の作り込みが非常に素敵でしたし。きっとゲームをプレイした多くの人が「魔法を使いたい」と夢を抱いたんじゃないかと思います。

そんな思わず夢が膨らむファンタジー要素はそのままに、映画ではキャッチコピーにある通り「命を選べ」というシリアスなテーマも盛り込まれている。だからこそ感じられる命の輝きが、本作にはあると思いました。そういったところをみなさんにも感じ取ってもらえたらうれしいですね。

── 特にどういった人に観てほしいという想いはありますか?

いや、むしろこの映画は人を選ばない作品だと思っています。日常生活の中で難しい選択に迫られる瞬間というのは誰しもあると思うんですけど、本作は命にフォーカスしている分、その選択がより真に迫るものになっていますし、そこでユウたち登場人物がとる行動は非常にまっすぐ。大事なものは何なのかという問いにまっすぐ向き合う彼らの姿に教えてもらうことがいっぱいありました。だからこそ、たくさんの人に観てほしいですね。

── 主人公・ユウを山﨑賢人さん、その親友・ハルを新田真剣佑さん、そしてハルの恋人のコトナを永野芽郁さんが演じています。お三方は普段声のお仕事をしているわけではないですが、3人の声の演技を宮野さんはどんなふうにご覧になりましたか。

僕自身も声優以外のお仕事をさせていただくことも多いので、新しいことに挑むのは誰しも大変だし、大きなチャレンジであることはすごくよくわかります。その中で、みなさんまっすぐ役と向き合っているのが、その素敵なお声を聞くだけで伝わってきて。僕はみなさんの後に録りだったのですが、おかげで非常に楽しく演じることができました。

── さらに二ノ国の妖精・ダンパを、宮野さんにとっては盟友である梶裕貴さんが演じています。

とても可愛かったですよね(笑)。

ダンパの声も僕がアフレコに入るときはもうすでに入っていたんですよ。だから、声を聞いた瞬間に、言葉にできない安心感がありました。それは梶くんのお芝居の幅の広さによるところもあるし、この業界で一緒に切磋琢磨して頑張っている梶くんがいろいろチャレンジしている姿に対して感じたものでもあるし。彼から出てくる安心安定の表現を聞くだけで、何かほっとするものがありました。

自分がユウと同じ立場なら、あんなに強く生きられるだろうかと考えた

── ストーリーもユウの成長が瑞々しく描かれていて、胸がいっぱいになりました。ユウの姿を見て何か感じたことはありますか?

自分の運命をどう捉えていくか。そのまっすぐな姿勢に魅力を感じました。

きっとユウはこれまでたくさん悔しい想いをしてきたと思うんですね。けれど、言い訳をして蓋をせず、前を向いていく強さを持っている。そこがすごいなと思ったし、もし自分がユウと同じ立場だったらあんなふうに強く生きられるだろうかと考えました。彼の生き様を通して、きっとたくさんの人が勇気をもらえるんじゃないかと思います。

── アニメーションのクオリティも素晴らしかったです。宮野さんがご覧になって素敵だと思った場面はどこですか?

それはやっぱり戦闘シーンですよね。『二ノ国』が映画になるなら絶対に欠かせないシーン。これだけのスケールの映画でカッコいい戦闘シーンがあるのは、アニメファンなら思わずたぎる部分ですが、期待してもらっていいと思います!

僕の本気をこめた作品。ひとりでも多くの人に楽しんでもらえたら

── 挙げればキリがないほどトピックのたくさんある作品ですが、宮野さんが選ぶこの作品の推しポイントはどんなところでしょうか?

いろんな場所から集まった方たちが、ひとつの作品に携わることによって生まれる化学変化。これは非常に大きいと思います。

山﨑さん、新田さん、永野さんのまっすぐな演技に加えて、僕らが声優の世界で培ったものが遺憾なく発揮されていて、この『二ノ国』でしかできない表現、ムーブメントがぐるぐると渦巻いている。それがエネルギーとなって画面から伝わってくるところにワクワクさせられました。

── では、宮野さんご自身の役の推しポイントは?

それは僕の本気です。手を抜いたつもりは一切ないし、どのシーンにも僕の全力が注がれている。時にはヨキの設定をめぐって制作陣と熱いディスカッションを重ねたこともありました。そんな僕の本気がしっかり作品に反映されていると思います。

── 最後に、7月にLAで開かれた世界最大級のアニメ・コンベンション「Anime Expo 2019」に参加されましたが、そこで何か感じたことはありますか?

日本のアニメーションってこんなにも世界から求められているんだということを感じて、非常に感動しました。僕はトークショーで行ったんですけど、ステージに登場した瞬間、まるでこれはロックショーかというぐらい歓声が上がって。その熱量を目の当たりにして、日本のアニメのすごさを肌で感じました。

今まで僕たちが一生懸命全力で臨んできたことがこんなにも受け入れてもらえたことが嬉しかったし、だからこそもっとたくさんの人に満足してもらえる作品をつくって全世界に広げていければと気持ちを新たにもしました。

この『二ノ国』もきっと世界中の方に愛される作品になるはず。ぜひひとりでも多くの人に楽しんでいただきたいです。

撮影/高橋那月、取材・文/横川良明

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