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エネルギー弾ける「ロミジュリ」開幕に小池修一郎「ジュリエットが刷新された」

ナタリー

19/2/23(土) 10:28

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」ゲネプロより、左から葵わかな演じるジュリエット、古川雄大演じるロミオ。

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」が、本日2月23日に東京・東京国際フォーラム ホールCにて開幕。ステージナタリーでは昨日22日に実施されたゲネプロの様子をレポートする。

22日のゲネプロでは、ロミオ役を古川雄大、ジュリエット役を葵わかなが務めたほか、ベンヴォーリオ役を三浦涼介、マーキューシオ役を平間壮一、ティボルト役を渡辺大輔が担当し、死を大貫勇輔が演じた。

本作の舞台となるのは、“時の流れからはみ出したような”近未来の街・ヴェローナ。開演すると、大貫演じる“死”が、戦争の映像を背景に妖艶なダンスを披露する。その後ステージには、緑と青を基調とした衣装のモンタギュー家と、赤いコスチュームのキャピュレット家の面々が登場。2つの家が激しく対立する様子が、アンサンブルたちのダイナミックなダンスや、ティボルト、ベンヴォーリオ、マーキューシオたちのアクションによって表された。

長い手足を生かしたダンスで会場を盛り上げる古川は、心優しいロミオが恋に高揚しつつ、モンタギューとキャピュレットの対立に思い悩む姿を表情豊かに演じる。初舞台の葵は透明感のあるソプラノを響かせ、恋を夢見る少女だったジュリエットが強い意志に目覚めていく様を、凛としたまなざしで表現した。

また叶わぬ恋に身を焦がすティボルト役の渡辺が力強い歌声で客席を魅了すれば、平間は好戦的なマーキューシオを、身軽さを生かしたダンスやアクロバットを交えて演じる。三浦は仲間たちとの軽妙なやりとりで観客の笑いを誘いつつ、ベンヴォーリオが友人の身を案じて苦悩する様子を好演した。恋人たちの背後にたたずみ、黒ずくめの衣装で妖しく舞う大貫の“死”や、春野寿美礼、シルビア・グラブ、岡幸二郎らの貫禄たっぷりの演技にもぜひ注目しよう。

本作のストーリーは、高層ビルやクレーンの映像をバックに展開する。ロミオとジュリエットが出会う舞踏会のシーンでは、色とりどりの照明や大音量のダンスミュージックが使用されるほか、デニム生地やファスナーがあしらわれた衣装を身に着けた登場人物たちがスマートフォンを手にしている。“近未来の街・ヴェローナ”を感じさせる要素がちりばめられる一方で、登場人物たちは古典の熱量そのままにエネルギッシュに喜怒哀楽をぶつけ合い、新たな「ロミオとジュリエット」の世界観を立ち上げた。

開幕に際し、演出の小池修一郎は、新演出となった2017年版に言及し「再演の魅力として、前回出演した皆さんは、前回出来なかったこと、あるいは、無我夢中でわからなかったことに覚醒していく面白さが、今回の再演の舞台にあふれていると思います。新しいメンバーも、この作品に新たなエネルギーを注いでくれています」と述べ、「ジュリエットの在り方が今までと比べると、一つ刷新された感じだと思いますので、ここが今回の公演で一番面白いところかもしれません」と期待を煽った。

出演者にはこのほか、ロミオ役の大野拓朗、ジュリエット役の木下晴香と生田絵梨花、ベンヴォーリオ役の木村達成、マーキューシオ役の黒羽麻璃央、ティボルト役の廣瀬友祐、さらに死を演じる宮尾俊太郎らが名を連ねている。

「ロミオ&ジュリエット」は、2001年にフランスで初演されたミュージカル。日本では10年に小池の潤色・演出により宝塚歌劇星組で初演され、11年には日本オリジナルバージョンが誕生した。今回は、新演出で上演された17年版の再演となる。東京公演は3月10日まで行われ、その後3月22日から24日まで愛知・刈谷市総合文化センター、3月30日から4月14日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。

なお本作はDVD化が決定しており、8月1日にリリースされる。DVDはBLACK、WHITEの2バージョンが展開され、BLACKには古川と葵、WHITEには大野と木下の出演回を収録。詳細は本作の公式サイトで確認を。

小池修一郎コメント

再演の魅力として、前回出演した皆さんは、前回出来なかったこと、あるいは、無我夢中でわからなかったことに覚醒していく面白さが、今回の再演の舞台に溢れていると思います。新しいメンバーも、この作品に新たなエネルギーを注いでくれています。中でも葵わかなさんのジュリエットは、今までとはまた違う、演技のコアがしっかりとしたジュリエットで、とても初舞台とは思えぬ力を発揮していただいていると思います。これまでにもジュリエットを演じてきた生田絵梨花さんや木下晴香さんは逆に刺激されて、元々持っていたミュージカル女優としての経験や素質に、いい意味で火が着いたなと感じました。ジュリエットの在り方が今までと比べると、一つ刷新された感じだと思いますので、ここが今回の公演で一番面白いところかもしれません。

古川雄大コメント

前回新演出になった「ロミオ&ジュリエット」は大変好評をいただいたので、皆様の期待値はとても高まっていると思います。その期待に応えるべく小池先生ご指導の下、稽古を重ね、より壮大で、よりリアリティがあるものが出来上がったのではないかと思っています。今までのポップさをいい意味で排除し、よりシリアスさを強くして、その中でロミオとジュリエットがあがいていく様子がしっかり描かれていると思いますし、この作品はロミオとジュリエット二人の愛が希望を残すという話ですが、ベンヴォーリオ、ティボルト、マーキューシオ、乳母、神父……全員のキャストがそれぞれ愛を抱えていて、その愛がきっかけとなって二人の愛が希望を残すという、より深い部分を先生が演出してくださったと思います。是非ご期待ください。

大野拓朗コメント

2017年から続投で演じさせていただくのですが、やはり演出が変わらないと言っても、一人ひとりが抱えている、心の中がさらに成長したところで今回のお話が進みます。より悲劇性が高くなりましたし、ロミオとジュリエットの愛情もとても大きくなっていると思います。また新キャストの皆さんが新しい風を入れてくださっていて、雰囲気の違う、新しい「ロミオ&ジュリエット」に生まれ変わるのかなと思っています。またやはりベテラン勢の大人チームの皆さんが圧倒的な力をもって、僕たちを支えてくださっていますので、その大人チームの皆さんが作ってくださった土台の上を、みんなで必死に駆けずり回って、日々成長していける舞台にしたいと思います。

葵わかなコメント

初舞台、初ミュージカルなので、今とても緊張しています。稽古場では同じジュリエット役の2人には特にお世話になりましたし、出演者の皆さんの歌、お芝居、ダンスなどをたくさん見て、日々新しい発見ばかりのとても刺激的な毎日でした。それを舞台に還元してお客様に届けられるように、これからの公演期間精一杯頑張りたいと思います。

木下晴香コメント

ジュリエット役に挑戦させていただくのは二度目で、再演の難しさに直面しています。二度目だからこそできることを探しながら、新しいキャストの皆さんから新しい刺激をいただき、沢山のことを感じながら過ごした稽古期間でした。最後までより素晴らしい舞台をお客様に届けられるように、日々進歩していけるよう精一杯頑張りたいと思います。

生田絵梨花コメント

今回は2017年度版の再演ということで、稽古場の段階から、新しく作品を捉えよう、深めようという雰囲気が大きかったように思います。前回の公演にお越し下さったお客様にも、どこか違うように感じていただけるのではないかと感じています。私が参加できるのは少しの間なのですけれども、悔いなくジュリエットを生きたいと思います。

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

2019年2月23日(土)~3月10日(日)
東京都 東京国際フォーラム ホールC

2019年3月22日(金)~24日(日)
愛知県 刈谷市総合文化センター

2019年3月30日(土)~4月14日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎

キャスト

ロミオ:古川雄大 / 大野拓朗
ジュリエット:葵わかな / 木下晴香 / 生田絵梨花 ※生田は東京、大阪公演のみ出演。
ベンヴォーリオ:三浦涼介 / 木村達成
マーキューシオ:平間壮一 / 黒羽麻璃央
ティボルト:渡辺大輔 / 廣瀬友祐

死:大貫勇輔 / 宮尾俊太郎 ※宮尾は大阪公演のみ出演。

キャピュレット夫人:春野寿美礼
乳母:シルビア・グラブ
ロレンス神父:岸祐二
モンタギュー卿:宮川浩
モンタギュー夫人:秋園美緒
パリス:姜暢雄
ヴェローナ大公:石井一孝
キャピュレット卿:岡幸二郎

R&Jダンサー:飯田一徳、祝陽平、大場陽介、岡田治己、小南竜平、小山銀次郎、酒井航、鮫島拓馬、鈴木凌平、高木勇次朗、仲田祥司、渡辺崇人、伊藤香音、おごせいくこ、織里織、小松芙美子、齊藤恕茉、Sarry、島田友愛、杉浦小百合、鈴木百花、平井琴望、深瀬友梨、松島蘭

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