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【おとな向け映画ガイド】

人気劇団イキウメのSFホラーを岡田将生、川口春奈で映画化『聖地X』

ぴあ編集部 坂口英明
21/11/14(日)

イラストレーション:高松啓二

今週末(11/19~20)に公開される映画は19本。全国100館以上で拡大公開される作品が『土竜の唄 FINAL』『聖地X』の2本。中規模公開、ミニシアター系の作品が17本です。今回はそのなかから、日本製SFホラー『聖地X』をご紹介します。

韓国ロケが不気味でいい!
『聖地X』

風俗にいれあげた夫に腹を立て、もう離婚だ、と家出をして、ぷんぷんな状態で兄が住む韓国にやってきたら、うん? 街なかで見かけたあの男性は、日本にいるはずの、夫では!……?

新作がでるたびに注目度が増す人気劇団イキウメ。その舞台を、『SR サイタマノラッパー』や『22年目の告白』など、いま最も元気のいい監督入江悠が映画化したホラーです。といって、血みどろの残虐シーンがたんまり入った、こわいやつではありません。簡単に“ホラー”と語れるものではないんです。心理的恐怖を誘う、ドッペルゲンガー(分身)もの、というか、サイコもの、というか、そこにコミカルな要素まで加わって、何とも不思議な世界です。死体になった自分を見て、「あれが俺だとすると、この俺はなんだ」と悩む落語のような、どこかシュールな味わい。謎解きミステリーとしても楽しめる作品です。

岡田将生扮する小説家志望の引きこもり青年、輝夫が主人公。大金持ちの父が残してくれた韓国の別荘で生活をしています。海辺の家には広い庭があり、プールもあって、日がな飲み物を手に読書、なんとも優雅なひとり暮らしです。そこにとびこんできたのが、家出をしてきた妹の、要。川口春奈が演じています。その妹の出現から、不思議な現象が次々とおきるのです……。

原作の舞台は日本の地方都市ですが、映画は韓国。オール韓国ロケでの撮影です。これがまた大成功だと思います。別荘は仁川で撮影したといいますが、沖縄を思わせるリゾートの雰囲気。異国なのに、商店街も、歩く人も日本と間違えてしまうような似たところがあって、それが益々“謎”を増幅させます。製作スタッフは、『犬鳴村』『樹海村』のプロデュースチームや、『犯罪都市』『悪人伝』の韓国制作会社B.A.エンタテインメントなど、日韓融合。それぞれの得意な分野を結集し、「世界基準の恐怖クオリティ」で作られた意欲作です。

周囲で次々と起きる奇怪な現象に直面し、驚愕しながらも、小説のネタにしようと事件の謎に挑む、いわば探偵役が岡田扮する輝夫です。妹役川口春奈と仲がいいのか悪いのか、兄妹のコミカルなやりとりが映画のクッション。

薬丸翔演じる要の夫、滋が韓国で出没した場所は、庭に巨木と古井戸のある日本料理店。そのオーナー役で緒方直人、店長役で渋川清彦、滋がつとめる日本の会社の上司役に真木よう子と、一筋縄ではいかない俳優が脇を固めています。

劇団イキウメを主宰する前川知大の作品は、黒沢清監督のホラー SF『散歩する侵略者』や、同じく入江悠監督による『太陽』がこれまで映画化されています。SF、オカルト的なかわった作風です。そして、テレビの『大豆田とわ子と三人の元夫』と映画『ドライブ・マイ・カー』『CUBE』で今年絶好調の岡田将生、まさに旬の作家・監督・俳優の組み合わせは、見逃せません。

【ぴあ水先案内から】

笠井信輔さん(フリーアナウンサー)
「面白い!! これはホラーじゃない! 非常に知的なSFミステリー。……原作は劇団「イキウメ」の主宰者・前川知大の舞台。天才脚本家だと私は声を大にしていいたい……」

笠井信輔さんの水先案内をもっと見る

伊藤さとりさん(映画パーソナリティ)
「今年の岡田将生はノリに乗っている。しかもどの出演作でも存在感を残す演技を見せ、美しい顔立ちなのに一筋縄ではいかない人物を演じたら上手い!……」

伊藤さとりさんの水先案内をもっと見る

(C)2021「聖地X」製作委員会

※この作品は映画館と同日配信が決まっています。
『聖地X』配信
11月19日(金) 10:00〜auスマートパスプレミアム、TELASAにて公開

auスペシャルサイトはこちら
https://entm.auone.jp/camp/seichi-x/lpc?medid=mc_official&srcid=movie&serial=7376

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