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大久保佳代子 (オアシズ)の 人生そろばん

変わり続ける社会にフラフラと適応していけるのが理想

毎週連載

第115回

21/3/21(日)

『ぴあ』のこの連載も、気づけば2年強続けてきました。毎週更新で既に100話を超えていますが、今回で最終回となります。この2年間を振り返ってみようと思うんですけど、この1年の新型コロナウイルスが強烈過ぎて、その前の1年が何をしていたか、よく覚えていません。まぁ、特に大きな出来事はなかったんだと思います。

コロナ禍のこの1年は、どの分野もそうだと思いますが、本当に色んなことが変わりました。私が関わるテレビ業界で言えば、まず番組の作り方が変わったし、ソーシャルディスタンスということから、それまで出演していた番組でも人数制限などで呼ばれない事も増え。メディアもネット配信やYouTubeなど様々な媒体が加わるように。最近、テレビ収録で若いユーチューバーの方と一緒になることがあるのですが、まったく分からないですもん。もっと勉強しないといけないですね。とにもかくにも、誰にとっても変化を強いられた1年だったと思います。

このコラムでも言ってきましたが、1回目の緊急事態宣言の外出自粛の際は、仕事が激減。不安を抱いて憂鬱になることも多々ありました。そんな状況を経験して改めて思ったのは、これからはひとつの事に固執するのではなく、今まであったものが仮になくなったとしても臨機応変にフットワーク軽く動ける人でありたいなと。そのほうが間違いなく精神的に楽なはずなので。

ここ最近、よく耳にするのが「何年かぶりに『土の時代』から『風の時代』になる」という話。その手の話は、あんまり信じていないところもあるんですが。ただ「風の時代」を勝手に解釈すると、変わり続ける社会にフワフワと風のように動き適応していける人が楽しく生きていけるんじゃないかなと。

あくまでも理想の話ですけど、以前のように仕事だけに依存せず、今ある50歳の自分が出来ることは他にもあるはずだからと視界を広げられたらなと思います。性格もあるので、なかなか難しいとは思いますが。結局、ずっとテレビで仕事をしてきたのもあって、テレビが大好きなんです。お笑いという世界で、「面白い」と言われたら最高に幸せだし、「面白くない」と言われたら死ぬほど落ち込むという一喜一憂をさせてくれるのがテレビだったので。でも、間違いなく世の中は変化していきます。そこに自分がどうやって挑んでいくのか、他人事みたいですがちょっと楽しみでも。

樹木希林さんの大好きな言葉を思い出しました。「おごらず、人と比べず、面白がって平気に生きればいい」。面白がる余裕を持って、風のようにふらふらと生きていけたらいいですね。

長い間、この他愛もない内容ばかりのコラムを読んでいただきありがとうございました。これからも、たまに応援してもらえるとうれしいです。



構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

大久保佳代子おおくぼ・かよこ

1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
http://www.p-jinriki.com/talent/oasiz/

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