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『僕のヒーローアカデミア』イレイザー・ヘッドはなぜ人気? 無気力だけどかっこいい魅力を分析

リアルサウンド

21/1/21(木) 8:00

 『週刊少年ジャンプ』の中でもトップクラスの人気を誇る、『僕のヒーローアカデミア』。今年で連載7周年を向かえる同作の人気は凄まじく、アニメ化はもちろん、実写映画化、舞台化、ゲーム化、小説化など様々なメディアミックス展開を見せている。

 しかも外国での人気も高いという、ワールドワイドな作品だ。主人公の緑谷出久や同級生の轟焦凍、爆豪勝己など、同作には魅力的なキャラクターが多々登場する。その中の1人が、緑谷たちの担任、相澤消太ことイレイザー・ヘッドだ。

 無精髭に長髪というくたびれた外見の雄英高校の男性講師であるイレイザー・ヘッドは、視た相手の個性を抹消するという個性のほか、首に巻かれた捕縛武器で近接戦闘もできるプロヒーロー。キャラクター人気投票ランキングで常連の生徒たちに混ざり、毎回高い順位にランクインする人気者だ。

 初登場時はヌボっと寝袋から現れたかと思いきや、体力テストで成績いかんによっては除籍処分もあり得ると言い放つ冷徹さを見せるのだが、それはトコトン正論。緑谷を心配したオールマイトに対して言い放った「見込みがない者はいつでも切り捨てます 半端に夢を追わせる事ほど残酷なものはない」という言葉は、もはや名言的扱いとなっている。

 そんな合理主義で冷たいイメージがあるイレイザー・ヘッドだが、非常に多くのギャップの持ち主でもある。そしてそのギャップこそが、彼の人気につながっているのではないだろうか。

 ギャップの一つ目は、なんと言っても「冷徹に見えて実は生徒思い」なところだろう。先に挙げた体力テストの除籍処分も、ヒーローは想像以上に苦難に見舞われることを知っているからこその言動だ。

 さらに、USJ襲撃事件では、生徒たちを守るため、安心させるために、一人でヴィランたちに立ち向かい、重傷を負いながらも身を挺して生徒全員を守り抜いた形となった。また、夏の林間合宿ではいち早く「ヴィランの目的は生徒」と見抜き、生徒たちに戦闘を許可。

 本来、ヒーロー免許がない者は個性を使った戦闘は禁止されているが、ヴィランに襲われた際に生徒たちが自衛できるようにと、様々な処分や懲罰を受け入れる覚悟を持ち、生徒を守るために決断をしたのである。そして、生徒を守る方法は身を挺してだけではない。

 林間合宿で爆豪がヴィランに連れ去られてしまった件での記者会見。マスコミ嫌いなイレイザー・ヘッドだが、オールバックにスーツという格好で登場し、謝罪。記者から爆豪の気性の荒さがヴィランに狙われたのではないかと意地悪な質問を投げかけられると、自分の指導不足と認めつつも「(爆豪は)誰よりも“トップヒーロー”を追い求め…もがいてる あれを見て“隙”と捉えたのなら敵は浅はかであると私は考えております」と反論し、言葉でも生徒を守ったのである。またこのシーンは、イレイザー・ヘッドが生徒一人ひとりをしっかり見ていることがより伝わり、読者からの人気が一気に高まる要因になったのではないだろうか。

 さらにギャップとして挙げられるのは「実力があって強い」ことだろう。イレイザー・ヘッドは視た者の個性を消すというチート級の個性を持っているが、瞬きをすると解除されてしまう。ただ、本人はドライアイを患っているため長くは続けられない。

 だが、USJ襲撃事件時、死柄木弔が蛙吹梅雨の頭を粉々にしようとした際に死柄木の個性を消すなど、ここぞという時に能力を発揮。無気力に見える外見とのギャップである。さらに、ストーリーが進むに連れ、対象を一度でも視れば視界から外れても効果が継続するという事実も判明。「一芸だけじゃヒーローは務まらん」と体術も習得しており、個性が使えない状態でも十分に成果を上げることができるほどなのだ。

 そのほか、実は猫が好きというギャップもあったり、期末試験で轟・八百万百ペアが自分を捕獲して課題をクリアした時には優しい表情を垣間見せたりなど、ギャップを挙げればきりがない。教育者として非の打ち所がなく、ヒーローとしても確固たる実力があるという「頼れるキャラクラー」の要素をしっかり持つイレイザー・ヘッド。それがギャップとして表れるとなれば、人気キャラの常連であることは納得だ。

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