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宮崎大祐の新作「VIDEOPHOBIA」公開実現のため支援者募集、返礼品にマスク

ナタリー

20/6/15(月) 15:24

「VIDEOPHOBIA」

「大和(カリフォルニア)」「TOURISM」の宮崎大祐が監督を務めた「VIDEOPHOBIA」のクラウドファンディングが、MotionGalleryで行われている。

2020年秋より東京都内から順次公開できる目処が立っていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で配給・宣伝費の捻出が困難になった本作。このままでは劇場公開の実現が厳しい状況になったため、宣伝活動費、宣材物の制作費、劇場公開の費用を調達するため、クラウドファンディングに踏み切った。目標金額は190万円。一口1000円から、20万円まで支援可能だ。7月30日23時59分まで受け付ける。

リターンには全国共通の劇場鑑賞券をはじめ、クリアファイルやマスク、Tシャツ、パーカーといったオリジナルグッズ、本編を収録する限定DVD-Rなどが用意された。宮崎が自作で初めてクラウドファンディングの実施に至った思いを語るコメントは下記に掲載している。

「VIDEOPHOBIA」は大阪のアンダーグラウンドを舞台に、1人の女性を襲う不条理をモノクロで描いた“サイバースリラー”。廣田朋菜が主演を務めたほか、忍成修吾、芦那すみれ、梅田誠弘、サヘル・ローズがキャストに名を連ねた。YouTubeでは国際版予告が公開中だ。

宮崎大祐 コメント

今からおおよそ8年前にはじめて自分の監督した長編映画を渋谷のユーロスペースでかけていただいて以来、2010年代前半の大きなスランプをはさみつつも、この8年間で4本の長編作品を劇場公開させていただきました。

この8年間、自分勝手な映画制作を続けながらも、毎回劇場公開までこぎつけてこられたのは、ひとえにぼくを取り巻く方々の多大なるサポートあってこそでした。

いつもより少しオシャレをして初日の舞台挨拶に登壇し、お客様のダイレクトな反応を垣間見たとき、自分の制作した映画のタイトルを街中の若者の会話の中に聞いたとき、ぼくは決して豊かとは言えない、人に迷惑ばかりをかけている自分の映画制作を少しだけゆるすことができ、次こそは今回お世話になった方々に恩返しができるようにがんばろうと、はじめて次を考えることができました。

それはおそらくぼくの今まで携わってきたキャストやスタッフのみなさん、支援してくださる方々も同じで、映画を劇場でかける、広めることによってしか生まれない、そういった瞬間にこそ賭けて、ぼくを信頼してくださっていたのでしょう。

ささやかな映画を作り劇場で公開することで広がる小さな話題が、映像コンテンツの氾濫する世の中で次の映画を作るチャンスをくれていました。そんなつつましい循環がさまざまな幸運とともに8年という時間をかけて少しずつ大きくなり、昨年ようやく「最高傑作ではないか」と多くの方々が評してくださる作品「VIDEOPHOBIA」が生まれました。

そして過去最大規模の劇場公開に向け宣伝準備をはじめた矢先にコロナ・ウィルスが大流行したのです。

ご存知の通り映画産業は劇場を筆頭に壊滅的な打撃を受けてしまい、我々制作者も配給会社も同様でした。このまま行けば劇場公開を繰り返すことによって地道につづけてきた我々の営みがあっさりと無に帰してしまう。

そこでぼくは初めてクラウド・ファンディングに踏み切ることにいたしました。

みなさんが我々同様大変苦しい状況にあることは百も承知です。

いくら恥ずかしいことに慣れている映画制作者といえども、この時期のこの決断は心苦しい限りです。

しかし、「VIDEOPHOBIA」を持って、また全国の劇場にいらっしゃるみなさんとお会いしたいのです。

その出会いから広がる未来が見たいのです。

ですから、もし、もし少しでも余裕がある方がいらっしゃったら、どうかぼくらに希望を与えてください。

我々に映画と生きつづけさせてください。

何卒よろしくお願いいたします。

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