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大久保佳代子 (オアシズ)の 人生そろばん

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

毎週連載

第104回

21/1/3(日)

私は1971年生まれですので、2021年の今年は、なんと50歳に。半世紀、無事に生きられそうです。江戸時代なら、死んでいる年ですからありがたい限りです。「1971年生まれ」の有名人と言えば、ペタジーニ、エマニエル坊やという面白い方々から、藤原紀香さん、檀れいさん、木村多江さんなどの美人女優さんなども。ただ、芸人さんとなると意外と少なくて。私達オアシズ、おぎやはぎ、ドランクドラゴン塚っちゃん、あとはナイナイの矢部さんとかかな。1つ2つ下の芸人さんのほうが、かなり多い状況で。

同じ年の藤原紀香さんとは昔、ディズニー映画「シュレック」の声優の仕事でご一緒したことが。紀香さんは、ヒロイン・フィオナの役。私が眠り姫の役で、光浦さんは髪長姫の役を。眠り姫の役なんて、8割方眠っているからセリフなんて数個でした。なのに、結構なダメ出しを受けて何度も撮りなおした記憶があります。

この映画の公開イベントでは、ドレスを着てティアラを付けお姫様の格好で出演したのですが、顔もスタイルも抜群の紀香さんの横で、着させられた感満載のドレス姿の私と光浦さんの惨めなことといったら。まさに引き立て役で。「同じ『1971年生まれ』でもこうも違うのか!」と愕然としました。でも紀香さんも私と同じように今年50歳になるわけで。なんか、ここに来て雲泥だった差が縮まりつつあるような気も勝手にしていますが。自分で言いますが、50歳の割には、私、かなり健闘しているように思います。昔より間違いなくブス濃度も薄まってきてますし。

話を戻し「1971年生まれ」は、すごい受験地獄を経験した世代。共通一次試験からセンター試験になった初めての学年ですし。私も「田舎から東京に出るためには、東京の大学へ行くしか方法はない」と思って血眼になって受験勉強していました。家からは「お金がないから私立はダメ、国公立のみ」と条件も出されていたので、さらに自分を追い込んでやっていました。後にも先にも、あんなに勉強したのはあの1年だけ。

なんとか東京からちょっと外れた千葉大学に入学。ここまでは良かったのに、ちょうど1971年生まれが大学を卒業して就職する頃になると、バブル崩壊後でやや不況の時期で。大学時代の同級生の友達たちは、まずまず名の通った企業に就職できたものの、その後、数年で辞めちゃったりしていましたね。

私は大学時代から、今の事務所である人力舎に片足を突っ込んでいたので、就職活動は一切やらずでした。親からしたら「国立大学まで卒業して就職もせず、お笑い芸人になるなんて」と思っていたはず。でも、特に何も言われず見守ってくれて。改めて、許してくれた親には感謝です。

そんな「1971年生まれ」にとって、今年は50歳という節目の年。とは言え、今年の誕生日は、1人きり、いや愛犬パコ美とひっそりと迎える感じでもいいかなと思っています。40歳の誕生日は、世話焼き&サプライズ好きの友達が、30人くらい集めて盛大に祝ってくれたけど、正直、疲れましたもん。30人に気を使うって、なかなかのエネルギーを必要としますから。

なんで、もし祝ってもらえるなら嬉しいけど、事前に誰が来るかを教えていただいき、せいぜい定員5人までだとありがたいですね。50歳…老化との闘いになるでしょうが、考えたらなんだかワクワクしてきました。素敵な50代にしたいものです。



構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

大久保佳代子おおくぼ・かよこ

1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
http://www.p-jinriki.com/talent/oasiz/

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