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いま、最高の一本に出会える

森崎ウィン

『蜜蜂と遠雷』森崎ウィン「神様に愛される人は『努力をする人』なんだと思う」

ぴあ

19/10/8(火) 18:00

史上初の快挙となる直木賞(第156回)、本屋大賞(2017年)のW受賞を果たし、映像化不可能と言われた『蜜蜂と遠雷』が豪華キャスト、スタッフ陣により実写映画化。10月4日に全国公開された。国際ピアノコンクールでの熾烈な戦いを通して、お互いに刺激し合い葛藤し、そして成長を遂げ‘覚醒‘していく物語だ。音楽エリートとして超名門音楽院に在籍し、優勝候補最有力の重圧に挑むマサル役を森崎ウィンが熱演。ジャンルは違うが、同じアーティストとして活躍する森崎の目にマサルはどう映ったのだろうか?

「マサルはすごく繊細だけど、責任感もあって、サービス精神がある。でもそれは人から見えているマサルで、内面は芯がとても強くて、自分で世界を切り開くんだ、自分で新しいものを作るんだ、というビジョンがとてもはっきりしている人。だから本番でも先生から言われた通りじゃなくて、自分流にやってしまうところがある。そこにはよし、いける!っていう絶対の自信があって迷わず突き進める強さがある。そういう感覚的なところは、僕と似ているなって思いましたね」

森崎もマサル同様、端正な顔立ちと精悍なたたずまいで「王子」と呼ばれるのに相応しい。しかし本人は「王子」と言われるとプレッシャーに感じると言う。

「僕とマサルは全然似てないというか(笑)。マサルが刻むリズムってすごくゆっくりなんですが、僕はすぐ反射的に返してしまうことが多くて。ゆっくりしゃべるとか、動作も静かに流れるようにするとか。マサルに寄り添うために、リズムを落とさないといけないのが、すごく難しかったです」

森崎はアーティストとしても活躍しているが、クラシックはこれまで演奏したことがなかった。マサルを演じる上で、「ピアニストとしてのマサル」を知るために、音楽教室に通い、半年以上かけて弾けるようになったという。同時に、クラシックの難しさを痛感した。

「クラシックって弾く指の番号まで決まっていて、決められたルールを守らないといけないんです。それはなかなか慣れなかったですね。どうしても自分が弾きやすいように手を動かしてしまって。あと指を広く開くこと。運よく僕は手が大きかったので届きましたが、それでも痛い!って思いながら、でもどんどん弾かないといけないし。レッスンが終わると本当に手が痛かったですね」

『蜜蜂と遠雷』は「音楽の神様に愛された天才」の戦いの物語でもある。どんな世界でも、「天才」という人がいて、その中で神様に愛されるのは、「努力をする人」だと森崎は考える。

「諦めずに前向きに、しっかりと自分の将来を見据えて、努力をする人が最終的には勝つと思います。人ってやっぱり見ているんですよ。そこは信じて、しっかり努力を続けていくことじゃないかなって思います。僕も他の仕事の合間でピアノの練習をしていたので、本当に大変でしたが、絶対に弾いてやるっていう気持ちで練習しましたし、本番では弾けるようになっていました。撮影後に石川監督から、感動したって言ってもらえて、本当に嬉しかったです。一つひとつを怠らず、積み重ねることだと思います」

4人のライバルには、同世代で活躍している松岡茉優、松坂桃李、大型新人として鈴鹿央士との共演があった。現場ではライバル同士だったこともあり、和気あいあいとした雰囲気はなく、程よい緊張感があったという。

「茉優ちゃんも、桃李君もキャリアは僕なんかより長いですし、場数も全然違うんで。もう一回違う作品で出会えるように頑張りたいなって思いました。鈴鹿君は初めてとは思えないくらい堂々としていて、人としても魅力的でした。現場で今日のお弁当は何を食べましたか?とか、昨日は何をしていたんですか?とか聞いてくれて、可愛かったです(笑)」

『蜜蜂と遠雷』は4人の天才ピアニストの葛藤や人生の壁を乗り越えるヒントが見つかる作品でもあり、まるでアスリートの戦いを見ているような感覚になれる映画でもある。

「クラッシックコンクールの話だから敷居が高くて、近寄りがたいイメージがあると思うんですけど、そんなことはないです! 僕の言葉を信じて、一度劇場に足を運んでくださると、本当に画面の中でアスリートたちが、癒しの音楽と共に戦っているんで、ぜひその臨場感を劇場で味わっていただけたらと思います」

『蜜蜂と遠雷』
全国ロードショー中

撮影/高橋那月、取材・文/若村幸江

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