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漫画誕生

19/11/27(水)

(C)映画『漫画誕生』製作委員会

戦争末期の1943年に、イッセー尾形演じる北沢楽天が、検閲官に呼ばれ、狭い部屋で若き日を回想していく形式の伝記映画。この検閲官の部屋でのシーンは舞台劇のようで、緊張感がすさまじい。若き日は橋爪遼が演じる。 楽天以外に、宮武外骨など著名人が出てきて、明治から昭和にかけての「風刺」「滑稽」という文化が、どういう人びとによって、どのように発展していったかが、分かるようにもなっている。しかし、歴史の教科書風には示されないので、ある程度の予備知識があったほうがいいかもしれない。 「漫画」は自然と生まれたのではなく、楽天という青年が創始し、命名したジャンルである。画家が描きたいものを描くのではなく、新聞・雑誌というメディアに載せて広く見てもらうために描かれる。出版されなければ意味のないものだ。それゆえに、「時代」というものに翻弄される。その翻弄ぶりが、どちらかというと淡々と描かれ、そこにリアルさがある。 楽天が生み出した「漫画」は、戦後、手塚治虫が「ストーリーマンガ」を生み出したことで、大きく変わる。手塚以後の漫画史を『手塚治虫とトキワ荘』(集英社刊)として書いたばかりだったので、「その前」を描いたこの映画を興味深く観た。

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