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『麒麟がくる』帰蝶VS道三の父娘対決 川口春奈が見せた迫力ある演技

リアルサウンド

20/4/13(月) 6:00

 “マムシの娘”こと帰蝶(川口春奈)VS本家マムシの道三(本木雅弘)の父娘対決が描かれた『麒麟がくる』(NHK総合)第13回。「帰蝶のはかりごと」と題された通り、帰蝶の気転と計らいにより、信長(染谷将太)を取り巻く環境が好転していく。

 信長と面会がしたいという道三からの文に、信長はためらいを見せる。信長は父である信秀の死後、家老は切腹してしまい、部下や身内からも謀反を起こされ四面楚歌の状態であった。そんな中で信長は、道三に自身が殺されるのではないかと考えたのだ。しかし帰蝶は、面会を断れば和睦がなくなり、帰蝶自身は美濃に還ることになると話す。だが、信長から伊呂波太夫(尾野真千子)の話を聞くことで一計を案じ、信長のために兵を用意した。信長は帰蝶の支えもあり、道三と聖徳寺で面会することになった。

【写真】川口春奈登場シーン

 帰蝶は過去に夫である土岐頼純(矢野聖人)を道三に毒殺された経緯がある。父親からの文で信長が呼び出されたときに、真っ先にこのことが帰蝶の頭をよぎったのだろう。信長を救うために即座に動いたこの帰蝶の敏腕ぶりは、思わずゾクゾクするほどであった。信長を道三好みの姿に仕立て上げることに加え、道三が企てた30丁の鉄砲組を遥かに上回る300丁の鉄砲組を準備した。これらを手配する際の、伊呂波太夫との交渉シーンは圧巻。煽るような顔つきを見せながら砂金でいっぱいの袋をぼとぼとと床に落とす。極め付けは、やや微笑んだような表情で砂金を床にさらさらと撒くのであった。帰蝶の痺れる交渉のおかげで、信長は立派な兵を手にすることができたのだ。

 そもそもは人質のような立場で嫁入りした割に、信長と帰蝶の関係は良好だ。「これは父上と私の戦じゃ」と放つ帰蝶に対して「ワシの戦を横取りするつもりか?」と返す信長、この夫婦のやり取りに胸を掴まれた視聴者も多いだろう。さりげなく帰蝶に膝枕される信長からは帰蝶に心を許している様子がしみじみと伝わってくる。愛情深い帰蝶はその一方で多くの男性を掌握していると言っても過言ではないだろう。このような強く芯の通った女性を、初めての時代劇でこれほどの迫力で演じることができる川口には脱帽するばかりだ。

 次週は信長と道三の対面が描かれる。一癖も二癖もある2人の間でどのような駆け引きが展開されるのか目が離せない。

(Nana Numoto)

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