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ウティット・ヘーマムーン×岡田利規×塚原悠也「プラータナー:憑依のポートレート」の出演者やスタッフたち。(撮影:加藤甫)

「プラータナー」日本公演閉幕に「まだ続きがあるような気持ちがしています」

ナタリー

19/7/9(火) 20:00

岡田利規が脚本・演出を手がける「プラータナー:憑依のポートレート」が7月7日に閉幕した。このたび、千秋楽を終えたタイ人キャストのコメント、6月26日のゲネプロで行われたグラフィックレコーディングの様子と、7月6日に開催された関連イベント「あなたのポストトーク」の様子を収めた写真が届いた。

キャストの1人、ササピン・シリワーニットは「この公演や自分の気持がまだ終わっていない、まだ続きがあるような気持ちがしています」とコメント。また日本公演について「反響は思っていた以上のものです。タイの物語、難しい内容、繊細な話でしたが、それに観客が共感していることがうれしいです。回を重ねるごとに増え客席を埋める人たちを見ても、興味を持っている人が増えているのだと感じました」と語る。

また同じくキャストのウィットウィシット・ヒランウォンクンは「このパフォーマンスをもう一歩先に進めたい、という気持ちです」と作品への思いを述べ、「観客を観ていると、知らない話をなぜ聞いているのかなと思う感じはありましたが、観劇前と後で観客の雰囲気が違ったような気がしました。最初は子供のように無邪気に入場してきたけれど、物語の重さが観客の中に入り込み働きかけている事を感じました。まだ消化しきれない人もいると思いますが、いつかは「これはあなたの話」になると思います。バンコク・パリでも感じたことですが、日本の観客はとくに忍耐強いと思いました」と日本公演での感慨を語った。

「プラータナー:憑依のポートレート」は、タイ文学の新鋭ウティット・ヘーマムーンの自伝的小説を、岡田が舞台化した作品。昨年2018年8月にタイで初演され、今回は国際交流基金アジアセンターが主催する、日本と東南アジアの文化交流の祭典「響きあうアジア2019」の1プログラムとして上演された。

ササピン・シリワーニット コメント

東京公演を経て、この物語をよりを深く理解することができました。それからチームとして、俳優・テクニカルが一つになったと感じました。先程舞台上でも話していたのですが……この公演や自分の気持がまだ終わっていない、まだ続きがあるような気持ちがしています。
東京公演のリアクションやフィードバックは日本語のわかる人から聞いた話ですが、驚きというよりも、うれしいものでした。岡田さんのファンも多いからかもしれませんが、反響は思っていた以上のものです。タイの物語、難しい内容、繊細な話でしたが、それに観客が共感していることがうれしいです。回を重ねるごとに増え客席を埋める人たちを見ても、興味を持っている人が増えているのだと感じました。
パリのときはリアクションがわかりにくかったのですが、同じアジアでのことだからなのかな、と思いました。観客と話せる機会があるならばぜひお話してみたいです。

タップアナン・タナードゥンヤワット コメント

ひと仕事終えた気持ちです。3回目の公演で、自分自身さらに成長できたと思います。
日本の観客には感動しました。日本人の観劇の習慣かと思いますが、みな集中して、物語を追ってくれていると感じました。わかるかどうかは別としても、岡田さんの演出がタイの物語を観客自身の物語に導いてくれたと思います。観客も何かを感じたり、得られたのではと思います。
パリ公演後、変化はたくさんあったと思います。うまく説明できないのですが……公演を(パリからは半年の時間を経て)繰り返したことで、その間に舞台の外での体験や人生経験を培い、その後物語を演じることで自分に引き寄せられたのかもしれません。自分にとっては新しい演技の仕方だったので、東京まで来て、自分の中に落とし込めたのではないかなと。
難しいメッセージでしたが、タイ語のわからない観客に身体を使って伝えること。そのような演じ方できたことは、自分の新しい可能性に気づけましたし、新しい道具を得たような気持ちです。

タナポン・アッカワタンユー コメント

11回公演は初めての経験で……疲れました。1回4時間ですしね。
観客については、パリと似た感じを受けました。観客は自分の知らない物語を知ることになるわけなので、いつも以上に頑張って、彼らを物語をひきつけるために努めました。
それから、日本の観客には作品を見るときのフィルターがある感じがします。作品を見て、分析・理解しようとしていることを強く感じました。意味を考え咀嚼しようという姿勢に感心しました。SNSやコメントの中でも、いろいろと考えてくれていることが分かりましたし。もしかしたら僕の気のせいかもしれませんが……舞台上では、そう思わせてくれる視線を感じていました。

ウェーウィリー・イッティアナンクン コメント

さっき終わったばかりで、ぼーっとしています。11公演はあっという間でした。
毎公演満席だったことにも、日本の観客は積極的に見てくれたことにも驚いています。舞台は日本の方に届けるにはチャレンジングな内容でしたが、反響をいただけて感動しました。
「チャレンジ」というところは、自分が演じるにしても長かったは4時間という長さ。観客が集中して見られるか、というところもですね。もう一つは話の内容について、タイ語のわかる自分が読んでも理解するまでに時間のかかった内容でした。難しいものだから、観客の方が一度見てどのくらい理解してもらえるかは挑戦だったと思います。
この作品ははじめての稽古から1年ほどが経って、自分なりの理解ができたと思います。正しいかはわかりませんが……岡田さんの演出・コンセプトへの理解も同様です。はじめての稽古から一週間のうちは、岡田さんへ「わからない……」ということを伝えていました。岡田さんも工夫をしてくれ、時間をかけて、わかるようになりました。普段はこのような演じ方はしないので、他の人の演技を見ても、こんなに繊細に見ていくことはなかったので、新しい演技につながっていきそうな気がします。

ウィットウィシット・ヒランウォンクン コメント

このパフォーマンスをもう一歩先に進めたい、という気持ちです。オーディション、ワークショップを経て、バンコク公演、パリ公演と歩んできましたから。岡田さんと塚原さんやスタッフ、他の俳優とともに作るというとても良い経験になりました。物語の理解をすることで、それが自分の体の一部になったように思えます。
初めて台本を読んだときは、自分ではない他の人の話であるように感じていました。けれど、稽古や公演を重ねていくうちに、自分の話をしているように思えてきたんです。観客を観ていると、知らない話をなぜ聞いているのかなと思う感じはありましたが、観劇前と後で観客の雰囲気が違ったような気がしました。最初は子供のように無邪気に入場してきたけれど、物語の重さが観客の中に入り込み働きかけている事を感じました。まだ消化しきれない人もいると思いますが、いつかは「これはあなたの話」になると思います。バンコク・パリでも感じたことですが、日本の観客はとくに忍耐強いと思いました。
バンコク公演では、観客は耳で聞きながら他に興味が行ってしまうという感じがしていましたが、日本では真剣に自分(俳優)が言っていることを聞いてくれたと感じました。「見つめる人間と、見つめられる人間」という言葉が劇中に出てきますが、バンコクやパリでは自分が見つめる側だと感じることが多かったのですが、東京では大勢の人達から見つめられている、と感じました。

ウティット・ヘーマムーン×岡田利規×塚原悠也「プラータナー:憑依のポートレート」

2019年6月27日(木)~7月7日(日)※公演終了
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

原作:ウティット・ヘーマムーン
脚本・演出:岡田利規
セノグラフィー・振付:塚原悠也

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