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現実と夢が錯綜 山科圭太監督のサスペンス映画『ボディ・リメンバー』6月公開

CINRA.NET

21/3/17(水) 10:00

映画『ボディ・リメンバー』が6月25日から東京・アップリンク吉祥寺で公開される。

『第23回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭』に選出された同作は、小説家のハルヒコが、従姉のヨウコ、ヨウコの夫アキラ、ヨウコの愛人ジロウをモデルにした小説を書き進めるうちにミステリアスなヨウコにのめり込み、やがて現実と夢、小説の世界が混ざり合って翻弄されていく姿を描くサスペンス。

同作のヨウコ役で初主演を務めるのは田中夢。アキラ役を奥田洋平、ジロウ役を古屋隆太 、ハルヒコ役を柴田貴哉、ハルヒコの恋人リリコ役を鮎川桃果が演じるほか、上村梓、神谷圭介、影山祐子が出演している。監督を山科圭太が務め、三宅一平と共に脚本を手掛けた。音楽を額田大志(東京塩麹)が担当。

発表とあわせてメインビジュアルと場面写真が公開。メインビジュアルには「消えたヨウコ、螺旋する記憶。仕掛けられた二重の罠――。」というコピーが添えられている。さらに、出演者と山科圭太、万田邦敏、古澤健、松田正隆、隈元博樹(BOTA、『NOBODY』)、玉田真也のコメントが到着。

万田邦敏のコメント

不思議な映画だ。とっかかりがないというか、妙な肩透かしを食らうというか、といっていわゆるオフビートではまったくないので腹が立つことはなく(昨今のオフビート=現代映画にはうんざりだ)、男二人と女一人の濃厚な(はずの)三角関係が描かれていて、その関係は巧妙に仕組まれた語り口よって水面下にのたうち、それが突如噴出してくる。女優二人の厚くもなく薄くもない存在感も不思議。

古澤健のコメント

どうやったらこんな場面を撮れてしまうのだろう、と映画を観ながら問うのはやめにしようと思う。それでもやはり、この映画を観ながら何度となく、こんな出来事がカメラの前で起きた、という事実に驚くほかはなかった。俳優たちが「役になりきる」のではなく、「映画になりきる」ことこそ映画の撮影には必要なのだ、という真理をこの映画は与えてくれるのだけれど、そのことについて考え始めると結局、では一体どうやったらそんな高度な芸当ができるのか、という問いが延々と頭の中を巡ってしまう。つまり『BODY REMEMBER』はなんとも甘美な迷宮であるということか。

松田正隆のコメント

この映画は、さまざまな傑作映画の断片を想起させるのだけれど、その、どのジャンルの映画にも似ていないのは不思議だった。語るべき人(ハルヒコ)が語らず、語られるべき人(ヨウコ)が語っていること。車が問題の核心へと導かれるように小説の中へと誘われること。この語り口と冒頭の彷徨こそがこの映画の特異性なんだなと思いました。海辺のシーンが好きです。

隈元博樹(BOTA、『NOBODY』)のコメント

書かれる小説、進行する現実とのパラレルワールドを彷徨しつつ、俳優たちの身体とその語りに寄り添い、絶えず併走を試みる『ボディ・リメンバー』。ありえそうで、ありえないできごと。ただそれでも秘かにあってほしいと思うのは、彼らのくゆらす紫煙が目にしみたとき、「あのね、この前こういうことがあってさ」と、誰かにふと話したくなる自分がそこにいるからなのです。

玉田真也のコメント

監督の山科くんとは俳優として出会って、毎回僕の作品に出演してもらっている。ストレートな人柄と、どんなときでも格好良くありたい(格好悪い行動はしたくない)という傾奇者のような美学の人で、そういうところが彼の魅力だと僕は思っている。この映画もまさにそういう彼の美学と人間性が詰まっている映画だった。この映画が好きな人、なんか嫌いになれない人、は山科くんのことが好きだと思います。

田中夢のコメント

撮影では、特別な演技はせず自然な感じで臨みましたが、完成された映画では、リアルな世界が捻れるように流れていて、その捻れた世界に自分の姿が映っていて……。目眩がするような体験でした。皆さまには深くこの映画を支えてくださった感謝しています。本当にありがとうございました。

奥田洋平のコメント

僕は、明日の日記を今日書くのですが、それはフィクションなんですが、結構当たります。しかし、牛乳の賞味期限が切れてたり、叔父が亡くなったりします。いっぱお外れます。虚実入り交じるこの作品において、俳優は、どれであれ、カメラ前で、強く居ることが仕事だと、この撮影現場で痛感しました。幸せな現場でした。

古屋隆太のコメント

監督の目の奥の強い意志の光がとても印象的でした。ご自身が見せ方を知っている俳優でもあり、朧のような世界で難しいシナリオでしたが、力強いリードで終始楽しい撮影だったのを覚えています。一般公開決定おめでとうございます!

柴田貴哉のコメント

山科くん本当におめでとう!そしてスタッフ、俳優部のみなさん本当にありがとうございました。個人的に!後になって、あれしておけば良かったとかこれしとけば良かったとかうだうだ考えてましたが、そんな事はもうあれなんで!本当、楽しかったです!一生懸命やらせてもらって感謝しています!フィルマークスが楽しみです」

鮎川桃果のコメント

思い返してみると、撮影現場は楽しい夏の思い出のようです。映画の中では夢のような、思い出のような曖昧さが気持ちわるく、そこを楽しんでもらたらと思います。私が演じるリリコは、いろんな事に振り回されてるけど、芯があって自分なりに乗り越えて、一生懸命に生きてる女の子です。衣装が可愛いです。タバコも吸います。そんな子と同じ目線でこのお話を観てください。皆様に観ていただける事を心から嬉しく思います。

山科圭太のコメント

素晴らしい俳優とスタッフの仕事が一つ一つのカットに刻み込まれています。ただただ、スクリーンに映る画面を見つめて欲しです。観終わったあと、きっといろんな思考が浮かび上がると思います。誰かと、あるいは僕たちと、それについて話してもらえたら幸いです。

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