のっちはゲームがしたい! 第1回 ゲームの記事ってどうやって書いてるの? ファミ通編集部でお話を聞いてきました
20/2/28(金) 20:00
ファミ通編集部を訪れたのっち。
Perfume・のっちさんがゲーム業界のさまざまな人々に会いに行く連載「のっちはゲームがしたい!」がいよいよスタート。記念すべき第1回はゲーム総合誌「週刊ファミ通」(刊行:KADOKAWA Game Linkage)の編集部を訪問し、オフィス内で仕事の様子を見学させてもらいつつ、これからゲームの連載を始めるうえでのアドバイスなどを林克彦編集長に聞いてきました。
ゲームだらけのファミ通編集部に潜入
かつて女性誌の取材中に、ゲームの話ばかりしていたため「うちはファミ通じゃないんですよ」とたしなめられた過去があるというのっちさん。これからついに本物のファミ通編集部に足を踏み入れます。
編集部のあるオフィスフロア内は週刊誌「週刊ファミ通」のチームと、Webメディア「ファミ通.com」チーム、そしてゲームの攻略本や書籍を制作するチームなどがあります。のっちさんは林編集長に案内してもらいながら、皆さんがどんな仕事をしているのかを教えてもらいました。
「週刊ファミ通」の名物コーナーといえば、4人の編集者やゲームライターがレビュアーとなって新作ゲームに点数を付ける“新作ゲーム クロスレビュー”。レビュアーたちはこの記事の執筆のために、オフィスの真ん中に設置された、製品版とは異なるクロスレビュー専用のゲーム機でプレイしています。というのも、ここで扱っているのはほとんどが発売前のゲームなので、情報の流出を防ぐために持ち出せないようになっているんです。自宅でゲームをしながら記事を書けると思っていたのっちさんは、「おうちではやれないんですね!」とビックリ。1本のレビューを書くために数十時間プレイすることも頻繁にあるそうで、その話を聞いたのっちさんは「発売されてから自分でプレイするのを楽しみにしてるゲームのネタバレ画面が、仕事中にチラチラ目に入りそうで嫌ですね(笑)」と、ここで働いている皆さんの大変さを感じ取っていました。
大量のポケモングッズが置かれた机を発見して、興味津々ののっちさん。話を聞くと、そこはポケモンを担当する編集者の席とのことで、「ちゃんとそのタイトルがめちゃめちゃ好きな人が記事を作ってるんですね」と感心していました。ちなみにその担当者は、昨年さまざまな販売店で配布されたポケモンの冊子の編集も手がけたそうで、のっちさんは「それ渋谷PARCOのポケモンセンターでもらったやつ!」と大喜び。そのほか、のっちさんが大好きな「ニーア オートマタ」のキャラクターが飾られたデスクなどもあり、のっちさんは「皆さん、自分の色を出してますね」と興味深そうに眺めていました。
林さんのデスクに座らせてもらい、編集長の気分を味わうのっちさん。
編集長のデスクの脇にはたくさんのゲームソフトが積まれていました。「いっぱいあって楽しそう!」と喜びつつ、のっちさんはそのタイトルを1つひとつチェック。「知らないゲームがいっぱいありますね……パッケージを見る限りだと『じんるいのみなさまへ』というのが気になります」。
1986年に発売された「ファミコン通信(現:週刊ファミ通)」創刊号の現物を見せてもらって「私が生まれる前ですね」と語るのっちさん。ちなみに表紙に描かれているイラストは荒井清和さんのマンガ「べーしっ君」のキャラクターで、荒井さんは現在もクロスレビューのページでレビュアーの似顔絵を担当しています。
この編集部の一番の特徴は、YouTubeやニコニコ生放送のチャンネルで番組を配信するための専用スタジオがあること。グリーンバックの部屋の中で、声優やゲームクリエイターなどを迎えてのゲーム実況や、お酒を飲みながらのゆるいトークなどを毎日ライブ配信しています。中に入ったのっちさんは「すごい! 憧れのゲーム実況機材!」と興奮。実際に機材の前に座ってゲーム実況の感覚を味わいながら「これ会社に欲しいな……アミューズにも俳優さんとかで実況してる人がいるし、会社にこの機材があったらいろんな人が使えるのにな……」とうらやましそうにしていました。
オフィス見学のあとで、のっちさんと林編集長は会議室に移動。ゲームについての連載をするうえでの心構えなどをいろいろ教えてもらいました。
のっちさんに求められてるのは“いちゲームファンとしての目線”
のっち この連載を始めるときに「ゲームについての記事を作るうえで、何に気を付けたらいいのかな?」と考えていたら、「じゃあ、それを教えてもらいにファミ通編集部に行っちゃおうぜ」という話になりまして……。
編集長 ありがとうございます。これまで、ゲームクリエイターの方とお会いしたこととか、仕事で絡まれたことはあるんですか?
のっち ゲームの方とはほとんど接点がなかったですね。昔からのPerfumeファンの方が「キングダム ハーツ」の小説を書いていらっしゃった、というくらいかな?
編集長 なるほど。のっちさんがプレイされて「どうしたらこんなゲームが作れるんだろう」とか「これ面白かったなあ」とか感じたゲームについて、その制作者に会いに行って素直な感想を伝える、というのが一番いいんじゃないかと思いますよ。
のっち やっぱりそうですよね。でも例えば、私は「ニーア オートマタ」が大好きなんですけど、あの方たちはよく生配信をされてるじゃないですか。
編集長 ディレクターのヨコオタロウさんとか、プロデューサーの齊藤陽介さんとか、デザイナーの田浦貴久さんとかですよね。
のっち 私は裏話を聞くのが好きなので毎回観てるんですけど、皆さんお酒を飲みながらかなり深いところまでしゃべってるので、もし私がお会いしたとしても、それ以上もう何も聞くことがないんじゃないかって……。
編集長 あんまり考えすぎなくていいと思いますよ。例えばファミ通がゲームクリエイターの方にインタビューするときは、僕らはゲームメディアなのでプロの目線で話を聞くわけです。のっちさんが取材を受けるときも同様に、プロのインタビュアーが話を聞いていると思います。でもたぶん、この連載でのっちさんに求められてるのは“いちゲームファンとしての目線”だと思うので、そんなに肩肘張る必要はないんじゃないでしょうか。
のっち そっかー。
編集長 「世間話をしに行く」っていうとアレですけど、インタビュー項目をがっつりと固めて掘り下げるみたいなことは、むしろしないほうがいいんじゃないかと思いますね。
のっち 確かに。そのへんカッコつけしいなんですよね、私(笑)。
編集長 疑問に思うことやわからないことがあれば、素直に聞いたほうがいいと思うんですよ。それって逆に僕らはあんまりやらないことだから。そうすればきっと、ゲームメディアとかに普段載ってるようなインタビューとはまた違うものになるんじゃないかな。
「スマブラ」のティザー映像のワクワク感を、どうにか音楽でも表現できないかなって
のっち ゲーム情報を読者の皆さんに伝えるために、意識してることはありますか?
編集長 ゲームって、売りになるポイントがいっぱいあるんです。システムはもちろん、キャラクターも音楽もそうだし。さらにシステム1つとっても、成長システムとかバトルシステムとかいっぱいあります。そのうちのどこに焦点を当ててゲームを紹介するべきか、というのは編集者として常に意識しています。まんべんなく紹介しても「このゲームの魅力ってなんだっけ?」となってしまう。それだと意味がないので「ちゃんと魅力を伝えるためにはどこをフィーチャーするべきか」は考えるようにしてますね。
のっち あー、なるほど。
編集長 ちなみに雑誌の場合、1冊にいろんな種類の記事が載ってるので、ページをめくる指が止まらないとその記事は負けなんですよね。例えばキャラクターを見せたいのなら「そのキャラクターをどこにどう配置すれば誌面映えするのか」とか、キャッチコピーはどうするのかとか、指を止めさせるためにどうすればいいのかを常に考えてます。
のっち 大変だー!
編集長 のっちさんも、「ニーア オートマタ」をやっていて「バトルが楽しかった」とか「物語が面白かった」とか「キャラクターのモデリングが好きだった」とか、いろいろあると思いますが「ここすごくよかった!」という部分があったはずです。そこからお話を広げていけばいいんじゃないですかね?
のっち ありますあります。でも、しゃべるの苦手なんですよね……(笑)。
編集長 話をすることが苦手でこの企画を始めるの、なかなかのチャレンジですね(笑)。でも大丈夫です。クリエイターの皆さんはみんな優しいですから。
のっち 本当に優しいといいなあ……(笑)。雑誌の記事もそうですけど、ゲームって宣伝の仕方が本当にうまいなって思うんです。発売前に出す情報のバランスがめちゃくちゃ絶妙だなって。
編集長 そうですね。タイトルやメーカーさんによって宣伝の仕方にも違いがあって、例えば「龍が如く」だと毎回、映画みたいにキャストを呼んでの制作発表会や完成披露会を開いたりしてますね。
のっち きっと凄腕の宣伝担当が各社にいるんだろうなー。
編集長 でもそれ、たぶん音楽もそうなんじゃないですか?
のっち 音楽もそうなのかな……(笑)。私「スマブラ(「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズ)」の「参戦!!」っていうティザー映像が大好きで。あのワクワク感をどうにか音楽でも表現できないかなって考えてるんですよ。
編集長 「スマブラ」の参戦ムービーって、ディレクターの桜井政博さんがご自身で指示されて制作してるんですよ。「ここのコマにこれを挟もう」みたいな細かい部分まで全部。そこまでやられる方はそうそういないです。
のっち そうなんだ! すげー! 誰が作ってるんだろうなって思ってたけど、ディレクターさんご本人だったとは……。
いろんな人の実況を観てると、見事に全員違うから面白くて
編集長 そもそもなぜ、のっちさんはゲームがお好きになったんですか?
のっち 初めて自分でクリアしたのが「テイルズ オブ ジ アビス」で、ストーリーがあるゲームをやったのも初めてだったんですけど、映画やドラマでは味わえない、自分が旅をしているみたいな没入感がたまらなくて。「私のもう1つの人生がこの中にあるんだ」って感動したんです。
編集長 じゃあRPGが好きなんですね。
のっち そうですね。だから、お兄ちゃんがいる家庭にすごい憧れがあるんです。「『ロマンシング サ・ガ』はどのキャラでプレイして……」みたいな思い出話をしてる同い年の女の子がいて「いいなあ……そういうのを知りながら育ちたかったな……」って気持ちになるんですよ(笑)。
編集長 なるほど(笑)。お忙しいと思いますが、ゲームは夜中にやるんですか?
のっち お休みの日ですね。気付いたら10時間くらいやってます。夜は眠いのであんまりやらないですね(笑)。「『Dead by Daylight』を3戦だけやったら寝ようかな」って感じで。
編集長 けっこうやってますね。
のっち 今が人生で一番ゲームしてるかもしれない。
編集長 それはどうしてですか?
のっち なんでだろう……? ニコ生とかYouTubeとかでゲーム実況を観るようになったのが大きいかもしれないです。
編集長 ゲーム実況って、それを観て興味を持ってプレイするタイプの人と、実況を観ただけで満足するタイプの人といらっしゃいますが、どちらのタイプですか?
のっち 両方ですね。例えば、「Dead by Daylight」は実況を観て自分でもプレイしてみたくなったけど、「Detroit: Become Human」は自分ではやらずに4、5人の実況を観ましたね(笑)。
編集長 えっ!? その楽しみ方は珍しいですね。
のっち この実況者は、どのルートを選ぶんだろうって、いろんな人の実況を観るんですよ。
編集長 ははは(笑)。「この人はここでこれ選ぶんだ」みたいな楽しみ方をしていると。
のっち はい。見事に全員違うから面白くて、それで満足しちゃってます(笑)。そういえば、林さんがヨコオさんと一緒に配信してるのも観てましたよ。
編集長 え、僕ですか? 確かファミ通で「ニーア」の番組をやって、ヨコオさんの誕生日をみんなでお酒を飲みながらお祝いする配信をしましたけど、そのときですかね?(笑)
「ストV」ではバーディーです
のっち ゲームって昔は「男の子の遊ぶもの」みたいなイメージがあったと思うんですけど、最近は女の子のゲーマーが増えているっていう話を聞いたんです。「週刊ファミ通」を作っている立場からも、ユーザーの男女比が変わってきたのは感じますか?
編集長 正確な数字はないですけど、女性は昔と比べたら断然多いです。ゲームのタイトルにもよりますが、例えば、「モンスターハンター」の大会は男女ペアで出場する方がいっぱいいますし、ゲームミュージックのコンサートとか舞台、朗読劇のようなイベントに行くと、女性のほうが多いです。「ゲームは男の子のもの」というイメージは世間的にもあまりなくなってきていると思います。
のっち そういうのなくなりましたよねー。
編集長 あとは「キャラクターの声を担当している声優さんのファンだからゲームを始めた」というパターンも増えてますね。
のっち わかります! 私もそれで選ぶことけっこうあります! 「ペルソナ5」にハマったきっかけは 「うわ! マモ(宮野真守)が! 水樹奈々さんが出てる!」だったし。
編集長 話を聞いていると、ちゃんとコントローラを握ってゲームしてるんですね。格ゲーとかもやるんですか?
のっち 格ゲーは試みましたね……。
編集長 試みた?
のっち アミューズに「ストV(ストリートファイターV)」のeスポーツプロゲーマーの方が所属してて。プロの方が自分を動かすかのようにキャラを動かしている姿に憧れて、私もやってみたんですよ。まったく無理でした(笑)。あれは時間を使って修行しないと、全然強くなれないですね。
編集長 シビアなんですよね。オンラインでガシガシ対戦したり、トレーニングモードで繰り返し同じ技をコツコツ練習しないと、なかなか強くなれない。ちなみに、のっちさんが使うキャラクターは誰なんですか?
のっち バーディーです。
編集長 けっこう男臭いキャラクターを使うんですね(笑)。
のっち 自分はうまくないけど、eスポーツの大会でうまい人同士のプレイを観るのは楽しいです。人対人の戦いなので「数年前からの因縁がある2人が再び対戦」みたいな関係性を見てるのは、女の子目線ではすごくグッときます(笑)。
みんなの質問、のっちが代わりに聞いてきますのコーナー!
のっち Twitterのハッシュタグを使って、林さんに聞いてみたいことを読者の皆さんから募集したんですけど、ここからはその質問をしていいですか? まずはこちら。
編集長 ほかのお二人もゲームをするんですか?
のっち かしゆかが「モンハン(モンスターハンター)」をやってるくらいだったんですけど、去年みんなで「Overcooked」をやるのにめちゃくちゃハマったんですよ。協力するのが好きで、よく一緒に脱出ゲームに行ったりもするから、「Overcooked」はその感じにぴったりハマったんだと思います。3人でやるとしたらやっぱりNintendo Switchのゲームかなあ。
編集長 「フォートナイト」とかどうですか? チームを組んで戦えるので、いいと思いますよ。
のっち あ、かしゆかがやってるって言ってました! それはいいですね。
編集長 あと「モンハン」で、3人で狩りに行くのもいいんじゃないですか?
のっち それは難しい! あ~ちゃんが「血い出るの無理じゃ」って泣いちゃう(笑)。
編集長 でも、後ろで笛を吹いたりとか、サポートもいろいろできますから。
のっち 「あ~ちゃん笛吹いとるけーね!」って(笑)。それ楽しそうですね。キャラメイクをめちゃくちゃがんばって、みんなでかわいいキャラを作ってみたいな。じゃあ次の質問です。
2020年おすすめの作品を知りたく...。わたし的注目作品はFF7リメイクとRE3、ラスアス2です
(※取材後にツイートが非公開になったため匿名で質問を記載いたします)
編集長 1月頭に発売した「週刊ファミ通」増刊号で、今年の期待作について特集してるんです。「ファイナルファンタジーVII リメイク」は1997年発売の「FF7」をフルリメイクしたもので、4月発売予定ですね。あとは“ペルソナ無双”とも言えるアクションゲーム「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」も注目されていますし、Nintendo Switch版の「あつまれ どうぶつの森」も出ますし、2020年は期待作が多い年だと思います。
のっち 私はもともと“無双系”ばっかりやってたので、「ペルソナ」は楽しみですね……(「週刊ファミ通」増刊号の表紙を見ながら)この実写みたいなキャラクターはなんですか?
編集長 これが「ラスアス(The Last of Us)」というゲームですね。アクションゲームなんですが、すごくストーリーが重厚で、本当に映画を観ている感覚になります。まだちょっと先なんですが、今年第2弾の「The Last of Us Part II」が発売される予定なんですよ。
のっち 第2弾なんだ。じゃあ第1弾のほうもやらなきゃダメですかね?
編集長 やってるほうがより面白いと思います。このゲームはもともとPlayStation 3で出たんですけど、個人的にPlayStation 3のゲームの中で一番面白かったのが「ラスアス」なんです。ご興味があったらぜひ。
のっち へー! やります! PS3も改めて買ったので。
編集長 そうでもないですよ、普通です。
のっち そうなんですか?(笑)
編集長 めちゃめちゃ下手ではないですし、ひと通りはできます。でもプロゲーマーとかと比べると全然ですね。昔、格闘ゲームが大好きで、お金も時間も全部そこに注ぎ込んでたんですよ。でもゲームに1000時間使ったとして、同じゲームに1000時間使った人と実力に圧倒的な差が出るんです。そのときに「うまい人には勝てないな」って思って。
のっち あー、わかります。ちなみにその格ゲーはなんだったんですか?
編集長 セガさんの「バーチャファイター」です。
のっち あ、バーチャ勢というやつですね(笑)。
編集長 そうです(笑)。格ゲーはスポーツと一緒ですよね。最終的にはセンスの問題に行き着くので。
のっち 確かに格ゲーに限らず“ゲームがうまい=操作が正確”というわけでもないですよね。例えば「ここに何かアイテムがありそうだな」みたいな、何かと何かを頭の中でつなげる知性やセンスも重要だし……で、次の質問はこちらです。
編集長 新しく発表されたゲームの情報を見たときに、経験から「これはこういうゲームなんだろうな」って思っちゃうんですよ(笑)。
のっち うわー!(笑) それはつらいなあ!
編集長 でも去年発売された「DEATH STRANDING」は「こういうゲームだろう」というのが全然わからなかったんです。取材で小島秀夫監督からお話を伺う機会はあったし、監督が考えていることはなんとなくわかっていたんですが、あれは実際にプレイしないと絶対にわからないゲームですよね。だからすごくワクワクしました。
のっち 確かに、絶対的なボスキャラがわかってて、それを倒すまでの物語だと目的がはっきりしてるから、「こうなってこうなって、最後こうなるんだろうな」というのがある程度は予想できちゃったりしますよね。
編集長 その部分が楽しめないと、ただキャラクターを強化してミッションをやって……の繰り返しになっちゃうので、そこに当てはまらないゲームが出てくると僕はとても楽しいです。
編集長 数えたことはないですね……。
のっち そうですよね(笑)。
編集長 でもそんなにやってないと思いますよ。僕はたぶん年に20~30本くらいかな。編集のスタッフのほうがやってると思います。やってる人は本当にめちゃめちゃやってるので。僕もクロスレビューを担当してたときは週に10本やったこともありました。
のっち すごい!
編集長 ただ、昔と違って今は1本のゲームで遊べる時間が長くなっているから、本数の問題じゃなくなっていますよね。昔は「エンディングを見たら次のゲームを買う」というサイクルがあったけど、今は1本で何年も遊べる“運営型ゲーム”が増えているので。
のっち ああ、確かに。じゃあ、この質問はどうですか?
編集長 誌面やWebなどに載るものはすべて仕事なので、そういう意味では“完全プライベートでのゲーム”というものはないんです。
のっち 会社で勤務中にゲームしてるんですか?
編集長 はい。なので、仕事中に記事と関係ない趣味のゲームをやっててもわかんないですよね(笑)。のちのち何かにつながるかもしれないから、広い意味で言えばそれも仕事なんです。
のっち ゲーム好きにはたまらない職場ですね。
編集長 最近はあんまりしないですけど、以前は編集部のみんなで夜中までゲームをして、そのあとに話すのが楽しかったんですよ。ゲームをしてる時間ももちろん楽しいんですけど、終わったあとに「どうだった?」と盛り上がる時間も含めて楽しいんですよね、ゲームって。
のっち えー、いいなあ。私も「ドラゴンクエストXI」を発売されてすぐ始めて、ヘアメイクさんとかゲーム好きな友達とかと「どこまで行った?」みたいな話をするのがすごく楽しかったんですよね。
編集長 そういう話ができる人が近くにいっぱいいる、というのがこの仕事のいいところですよね。
のっち 最後はこの質問です。
編集長 そういうことは普段考えないですよね(笑)。ゲームってなんなんでしょうね。
のっち よく聞かれてそうですけどね。
編集長 今の僕にとってはご褒美みたいなものです。ゲームが仕事とは言っても、日中は会議や取材でスケジュールが詰まっていて、ゲームをしてる時間は全然ないんですよ。だから最近は、家に帰ってビールを飲みながらコントローラを握る時間が、ご褒美みたいなものだなと感じるようになって。
のっち ゲームがご褒美っていうのは私もわかります。「よっしゃ帰った! 明日休みだ! ちょっと飲みながらゲームやるぞ!」みたいな時間は最高ですよね(笑)。
編集長 やっぱり仕事って大変なことがいっぱいあるじゃないですか(笑)。そういうのから切り離される時間なんですよね、ゲームって。
のっち うん、わかります。今日はどうもありがとうございました!
編集長 とんでもないです。話を聞いてると、のっちさんは本当にちゃんとゲームをやっていらっしゃるのが伝わったので、話を聞いてみたい人にどんどんアタックしていくと本当に面白い連載になると思いますよ。ぜひ自信を持って続けてほしいです。
のっち ははは(笑)。はい! これで前に進めます!
のっちさんの取材後記
こんにちは、のっちです。ゲームがすきです。
「のっちはゲームがしたい!」
いよいよ本格スタートいたしました!
普段3人で活動していて、ひとりでのレギュラー仕事は初めてなもので、あの、皆さまには生温かく見守るスタンスでお願いしたいです。
今回の取材写真、素敵に撮っていただいてますが、「あれ、さてはこいつ、人の目を見て喋れねぇな」ということに、早速、気付いていただけたかと思います。
「人の目を見て喋りましょう」
31歳、新たな目標ができました。お願いします。ナタリーさんありがとう。
さて!(°▽°)
近況としては「ゼルダの伝説 夢をみる島」Nintendo switchリメイク版(2019)、あそびました! 主人公を操作して、謎を解いて、武器やアイテムを入手したり、村人と交流して、ストーリーを進めてゆくゲームです。
オリジナルが発売されたのが1993年。
当時5さい。
ゼルダシリーズでプレイしたのはブレスオブザワイルドだけ。
タイトル画面ですぐ、ゲームボーイ版の音楽をオーケストラアレンジ(だよね? 多分)してるのだなと察してノスタルジー! 当時を知らんけど勝手にノスタルジー!でした。
音楽の軽やかさ、可愛らしさ、音選びがいちいち本当に素敵。
ボス戦の音楽も程よく可愛くてかっこよくて、何回も死んだけど、全然苦じゃなかった。
しかし逆に言うと、これを当時3音で表現してたってヤバいよな。痺れる。ゲーム音楽本当好き。一生聴いてたい。自分の人生にフィールド曲流れててほしい。オリジナルフィールド曲つくるビジネスしてる人いませんか。需要あります。買います。
このゲーム、謎ときがむずかしくって。分かっちゃえば、何だそんなことかあ!なんだけど。めちゃめちゃレベル上げて強火力で脳筋ゴリ押ししたい私としては、非常に辛い(笑)。何度も詰んだ。
なんでも試してみるマインドが大事で、もー全部試したし、アイテムも全部使ってみたし、もう出来ることないよう。と思っても、正解があるんだよなあ~。
応用力試される。
これはかしこちゃんになるね。
というか正直、まじでわかんなくて実況動画見ながら進めた。
行き詰まったら、そこまで見て、「なるほどー!」つって真似して、また自分で進めて。
攻略サイトで、正解を見て進める作業感が無く、追いつけ追い越せで、友達と遊んでる気持ちでした。
「あんた! 流石やわ、あったまいーな!」
「そこで詰まるんだ~。へーそこもっと楽にいけたけどな~」
これが2020年だ。ストレス耐性低めの私にはこれくらいが楽しかった。
そして今「龍が如く7」で大レベル上げに苦戦しています。
“あの2人”が強くて、ほんと心折れる…
誰か私にストレス耐性つけて…
今回は最終的に、林編集長にとにかく励ましてもらいに行く取材になりました。
まじで、第一村人が最強武器くれた!と思いました。滅茶苦茶勇気もらいました。
心強い仲間ができて嬉しかったです。
そして次回は、今回の話を受けてプラス、ファミ通編集部の方に「のっちさん好きでしょ?」と、過去の特集号をいただきました、大好きなFGOのお話を第2部ディレクターのカノウさんに伺いにゆきます。
どうしてこんなに惹きつけられるのか、聞きたいこと沢山あります。そしてきっと、好きなサーヴァントや、概念礼装の話をする。オレの、男と女の好みを晒すこととなる。恥ずかしい。はあ。
次回予告
「のっちはゲームがしたい!」の2回目は、スマートフォン向けRPG「FGO」こと「Fate/Grand Order」の企画・開発・運営を手がけるディライトワークス株式会社を訪問。「FGO」第2部の開発ディレクターであるカノウヨシキさんにお話を聞かせていただくことになりました。
この連載では、訪問相手に聞いてみたいことをTwitterで募集中。ハッシュタグ「#のっちはゲームがしたい」を付けてツイートされた質問を、のっちさんが代わりに聞いてくれるかもしれません。ぜひ質問をツイートしてください。
(※1つのツイートに書き込む質問は1つだけにするようにお願いいたします)
Perfume最新情報
・2月に開催されたドームツアー「Perfume 8th Tour 2020 "P Cubed" in Dome」のファイナルである東京・東京ドーム公演の模様を、3月29日(日)にWOWOWプライムで放送。
・野外フェス「METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2020」への出演が決定。Perfumeの出演は5月23日(土)の東京・若洲公園会場。
取材・文 / 橋本尚平(取材後記は除く) 撮影 / 上山陽介 ヘアメイク / 大須賀昌子 題字 / のっち
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