Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

永野芽郁が明かす、20歳を迎えての心境 「一番可能性があって、一番面白がれる時期」

リアルサウンド

20/3/5(木) 10:00

 現役医師作家・知念実希人の同名小説を実写化した映画『仮面病棟が』3月6日に公開される。本作は、ピエロの仮面をつけた凶悪犯に占拠された病院内で、一夜限りの当直医・速水と、凶悪犯に撃たれた女子大生の瞳たちが、危険な密室と化した病院から脱出を試みようと奮闘するさまを描いたミステリー映画だ。

参考:永野芽郁が明かす『半分、青い。』鈴愛役の苦悩と喜び「壊れるかもしれないと思った時期もあった」

 初の映画単独主演となる坂口健太郎が演じる一夜限りの当直医・速水秀悟と協力して、病院からの脱出を試みる女子大生・川崎瞳を演じたのは、永野芽郁だ。初のミステリー映画挑戦で感じたこと、『俺物語!!』以来の共演となった坂口健太郎について、そして20歳を迎えての心境などを、語ってもらった。

ーー今回の作品にはどのような印象を受けましたか?

永野芽郁(以下、永野):原作を読んでから脚本を読んだんですけど、原作がおもしろすぎて、逆に映画になって大丈夫かなと少し不安な気持ちもあったんです。でも、同じ作品なんだけど実写ならではのテイストにちょっと変わっていて、いい感じに面白くなっていたので、安心しました。

ーー撮影は本物の病院で行われたそうですね。

永野:そうなんです! 1カ月ちょっと北九州の病院で撮影しました。回想シーン以外はほとんど病院の中にいたんですけど、病院の中では階数が変わるくらいしか動かないので、いま何時なのかとか、時間の流れが分からなかったりしました。ただ、その前にやっていた『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)でも監禁されていたので、監禁慣れはしてました(笑)。

ーー確かにそうですね!(笑)

永野:なので、“監禁”ということに対しては抵抗はありませんでした(笑)。でも、病院だとまたちょっと雰囲気が変わるので、展開が分かっていながらもドキドキしながら撮影に臨んでいました。

ーー意外だったのですが、ミステリー映画に挑戦するのは今回が初めてだったそうですね。

永野:そうなんですよ。ミステリーは、観るほうでも今までまったく触れてこなかったジャンルだったんです。なので、今回やってみて初めてその面白さを知りました。「結構好きかも!」と。ミステリーはいろんなところに伏線があるので、脚本のト書きどおりに演じることで、一番綺麗な終わり方にできるということを今回初めて学んだんです。今までは結構、自分の感情でお芝居をしていて、そこになんとなくト書きだったり他の共演者の方と合わせたりという作業をしていて。でも今回は、ずっと頭の中で「台本に忠実に」と考えていました。なんでここで「笑う」って書いてあるんだろうと思ったら、のちのちそれが繋がっていたりもする。ミステリーは感情だけじゃダメなんだなと思いましたね。

ーー今までとは演技のアプローチも違ったと。

永野:アプローチの仕方は全然違ったと思います。自分が考えているお芝居ではなく、監督や共演者の皆さんの話を聞きながら、「なるほど、ここはそういうことか」と全て理解しなきゃいけなかったので、先が分からないという意味では、連続ドラマを撮っている感覚でした。今までで一番みんなで話し合いながら作った作品になったと思います。すごく一致団結できた現場でした。

ーー登場人物全員に、犯人であるかのような怪しさが漂っていました。

永野:みんなそれぞれ怪しさを意識して演じているわけではないんですけど、その空間にいることで、全員が全員怪しく見えてしまうのは、私も不思議だなと思いました。きっと、もっと明るい場所にいたら誰も悪い人に見えないと思うんですけど、やっぱり病院の暗さと雰囲気ですよね。人って本当に雰囲気に引っ張られるんだなと思いました。

ーーそんな中、永野さんは現場では太陽のような明るい存在だったと聞きました。

永野:どうなんでしょう……(笑)。作品の性質上、すごくピリつく現場になると思ったんですけど、坂口(健太郎)さんがすごく穏やかだったのが大きかったかもしれません。率先してスタッフさんたちとコミュニケーションをとったり、現場を和ませたりしてくれていたので、座長がそうならば私もそこにくっついていきたいなと思ったし、坂口さんに引っ張っていただきながら、大変な中でも明るく楽しい現場にできるといいなという気持ちはありました。

ーー坂口さんとは2015年に公開された『俺物語!!』以来の共演となりましたが、久しぶりの共演はいかがでしたか?

永野:お互い何か変わったか話もしたんですけど、あまり変わった感じはしないよねという感じでした。『俺物語!!』の時とは役も関係性も違いましたし、お芝居の仕方も当時とは違ったと思うんですけど……。でも、私は坂口さんのことを、ずっとお兄ちゃんだと思っている感覚はありました。なので、すごく安心感を持って演じることができましたね。作品のテイストも全然違ったので、坂口さんの新たな一面を直で感じることができたと思います。

ーー今回永野さんが演じられた川崎瞳は、仮面の凶悪犯に撃たれ拉致された「女子大生」という役どころです。演じるにあたって何か意識したことはありますか?

永野:瞳は体を撃たれているので、常に体をかばっていなければいけないのは大きかったです。体勢をあまり変えられないので、表情の変化でしか表現できないんです。セリフもそんなに多くはなかったので、常にその場でリアルに反応したいなと思っていました。なので、同じシーンを何回撮るにしても、新鮮な気持ちを保てるように頑張らなければいけないなと思いながらやっていました。それがうまく出てたらいいなと思います。

ーー今回の『仮面病棟』で初めて経験したことはありましたか?

永野:なんかあるかな……。あ、初めて頭に銃を突き付けられました! そんな経験なかなかないじゃないですか(笑)。当てられるだけですぐ恐怖心が芽生えるものなんだと思いました。だって、1本指を曲げられたらもう終わりだから、「どうしよう、どうしよう」って。「頭が真っ白になる」っていうのはこういうことかと思いました。それは初めての経験でしたね。

ーー永野さんは昨年9月24日に20歳の誕生日を迎えられましたが、撮影はちょうどその頃だったんじゃないですか?

永野:そうなんですよ! この作品のクランクインが、20歳になってから2日後とかでした(笑)。

ーーそれはなかなかのタイミングですね!

永野:「これが20歳初めての仕事だ!」と、いつもとは違ったクランクインの気持ちでした。

ーー20歳になって初めての作品になったわけですが、何か特別な思いはありますか?

永野:お芝居に対しては、今までと変わりなく、好きだと思いながらやっているんですけど、仕事というものに対しては、もっと責任をもって向き合う年齢になったんだなと感じるようになりました。そういう意味では、今回すごく真面目にやった気がします。自分の中でも、20歳になって初めてやった作品と言われたら、すぐに『仮面病棟』のことを思い出すだろうし、自分の中でも記憶に残る作品になりました。

ーーでは、20歳のうちにやりたいこと、今後トライしてみたいことはありますか?

永野:これまではあまり職に就いている役をやってこなかったんですよ。学生役のほうが多かったので、20代は何か仕事をしている役ができたらいいなとも思うし、一方で、学生の役はずっとできるわけではないので、まだやれるうちにやっておきたいなと思っています。たぶん、これからが一番いろいろできる、一番可能性があって一番面白がれる時期なので、ここから3~4年は、学生の役も大人の役も、怖がらずに何でも自由にできたらいいなと思います。(取材・文=宮川翔)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む