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『同期のサクラ』新田真剣佑演じる葵の“価値のある言葉” 同期一巡を経て物語は後半戦へ

リアルサウンド

19/11/7(木) 6:10

 高畑充希が主演を務めるドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系)が、11月6日に第5話を迎えた。

 第1話の2009年では主人公のサクラ(高畑充希)、第2話の2010年でサクラと同期の菊夫(竜星涼)、第3話の2011年で百合(橋本愛)、第4話の2012年で蓮太郎(岡山天音)と1話毎にサクラとその同期にスポットが当たってきた。第5話、2013年9月に同期ラストを飾るのが葵(新田真剣佑)だ。

 将来社長になりたいと公言する葵は、人付き合いが上手く、入社5年目、27歳の若さで社長賞を獲得するほどとなる。しかし、それは花村建設が国土交通省に勤める葵の父親への忖度でしかなかった。葵が所属する都市開発部のプロジェクトの着工が凍結に。当然、部は葵が父親に頼み、凍結リストから外してもらえるように期待する。父、そして同じく官僚で働く兄からの葵への返答は、「国が決めたことに民間が口を出すな」。部の期待する結果をもってこれなかった葵に上司は、葵がコネ入社でしかない、実力もない、いてもいなくても困らないやつと本音をぶつける。それでも変わらず偉そうに振る舞う姿に、とうとう同期からも見捨てられ、葵は会社でも、家でも、同期からもアウェーとなってしまうのだ。

 全ての自信をなくし、空っぽになった葵は、会社を引き返し、走ってくるトラックに身を投げようとする。そこに助けに来るのがサクラ。彼女が伝えた葵への言葉は、「勝ち負けなんかにこだわらずに自分の価値を知る方が大切」というメッセージだ。葵は新人研修のプレゼンで、サクラの夢である故郷の島に橋を架けるという計画を文章にしていた。サクラはそのプレゼンを評価し「とっても価値のある言葉だから。あなたには素晴らしい才能があるんだよ」「自分が偽物だと思うなら、これから本物のリーダーになればいいじゃない」と葵に伝える。

 その頃、会社には葵の父親と兄の姿が。変わらず凍結したままのプロジェクト。民間を見下す2人に葵は意を決して意見をぶつける。

「誰よりも考え誰よりも悩むのがリーダーじゃないんですか?」「あなたたちは、自分たちのことしか考えてないじゃないですか」「何のために官僚になったんですか! 高い給料もらって民間に威張れるからですか? 定年が来たら何度も天下りしてそのたびに莫大な退職金をもらうためですか?」「この国に暮らす人たちを少しでもいいから幸せにするためじゃないんですか!?」「俺は今まで2人に認めてほしかったけど、これからはここにいるみんなに認めてもらえるような人間になりたい。頼りにされるような人間になりたい。困ってる人がいたら助けられるような人間になりたい」

 結果、葵の訴えは届かず、彼は土木課に異動、同じく2人に意見したサクラは子会社に出向となる。しかし、葵の本音は少なくともサクラと同期たちには“価値のある言葉”として心に響いた。それはつまり勝ち負けではない世界。SNSでも葵が直訴するシーンに大きな反響が集まっている。だらしなく曖昧で、時にはサクラを口説くような上辺だけだった葵が、どん底から這い上がり、自分の本心をぶつける。正統派のイケメン俳優である新田真剣佑が、これまでの回のイメージとは違ったギャップのある演技で挑んだことも理由の一つだろう。

 救われた葵はサクラを好きになるが、「あの後、あんなことになるなんて」と、2019年の葵が話す一幕も。サクラとその同期を一巡した物語。第6話でフィーチャーされるのは、サクラの元上司で人事部のすみれ(相武紗季)だ。取り上げられるのは、仕事にも子育てにも奮闘する女性としての生き方。『同期のサクラ』も折り返しに入った。サクラの故郷と本土を結ぶ橋を架ける夢は果たされたのか、なぜ2019年にサクラは意識の戻らない状態になってしまったのか。その謎が今後、少しづつ見え始めてくるだろう。(渡辺彰浩)

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