ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を
20/1/16(木)
『ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を』 (C)VEIT HELMER FILMPRODUCTION
こんなに奇妙な魅力に充ちた映画も滅多にあるもんじゃない。アゼルバイジャン(って、どこにあるか御存知ですか?)の広大な草原を走る貨物列車の鉄道運転士、ヌルラン。毎日、郊外の住宅地を通りぬけるが、そこは家と線路の距離が、とても近く、住民はレールを挟んで洗濯物を干していたりする。誰も列車に轢(ひ)かれたことはないが、いくつかの洗濯物が列車にひっかかったりする。誠実なヌルランは、それらを全部回収して、元の家に戻しているが、ある日、青いブラジャーが引っかかり、その持ち主を探すことから騒動が……。
この映画、途中で気がつくのだが、全篇セリフなし。それでも全く気にならず、むしろ心地よく感じるのは、ファイト・ヘルマー監督が登場人物のキャラクターを、しっかり把握して描いているからだろう。ヌルラン役のミキ・マノイロヴィッチの素朴な味が良い。
新着エッセイ
新着クリエイター人生
水先案内