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カタキン所長の存在感が強烈! 『おちょやん』『バイプレイヤーズ』でインパクト放つ六角精児

リアルサウンド

21/1/18(月) 6:00

 『おちょやん』(NHK総合)第6週目「楽しい冒険つづけよう!」後半での急展開で、主人公の竹井千代(杉咲花)が次なる“冒険”に出た先が鶴亀撮影所。そこで半裸にふんどし姿でインパクトの強い登場をするのが通称“カタキン所長”の片金平八(六角精児)である。

 千代の活躍の場が変わる毎に、その場を象徴する強烈な人物が配置されており、一気に空気感が変わるのが面白いが、今回その一役を買っているのは間違いなくこの人物である。六角が珍しく偉そうに振る舞う所長役を演じるが、やはり裏では大山鶴蔵社長には頭が上がらないという役どころで、拭い切れない“小物感”を共存させているのが六角らしい(『キワドい2人-K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』(TBS系)でも池袋署の副署長役を演じており、常にボスの存在がチラつくあくまで“二番手”役が多いのも特徴かもしれない)。

 六角は本作が連ドラ出演6作品目。作品内で独特の存在感を残していく六角だが、そもそも彼が注目を集めたのは『電車男』(フジテレビ系)での“ネットの住人”牛島貞雄役だった。それもそのはず、後々わかることだが六角本人がかなりの“鉄道オタク”で、クイズ番組『99人の壁』(フジテレビ系)の鉄道問題出題回のワンマッチゲストとして出演し、その“ガチオタ”ぶりが話題になっていた。ちなみに六角は自身の名を冠した『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』(NHK BSプレミアム)という番組も担当し、“六角精児バンド”で鉄道をモチーフにした楽曲もリリースしているほどだ。

 そんな自身の“オタク気質”も手伝ってか、六角の知名度をさらに押し上げたのはご存知の通り人気刑事ドラマシリーズ『相棒』(テレビ朝日系)での鑑識官・米沢守役の好演だった。16年間も同じ役を演じ、スピンオフ映画『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』では映画初主演を務めた。『相棒』ファンにとっても、なくてはならない中毒性の高い“お決まり”キャラクターだったのではないだろうか。掴みどころがなく飄々としておりあまり“帰属意識”を感じさせず群れない、そして多くは語らないながら自身の美学や正義を持ち合わせているであろう米沢は六角本人とも近しいところがありそうだ。

 『おちょやん』での登場直後に『バイプレイヤーズ〜名脇役の森の100日間〜』(テレビ東京系)第2話に出演した六角がSNSを湧かせていた。なぜか小銭いっぱいに敷き詰められたバスタブに入った六角が「手数料泥棒」というシュールな台詞を放ち、そう長くはない単独出演シーンでもかなりの画力に仕上がっていた。そう言えば六角のスーツ姿をかなり久々に観た気がするが、一見したところどこにでもいそうな、むしろ“真面目”にさえ見える風貌ながらしれっとそれを覆し、おふざけをおふざけとも思わせずに見せてくれるところはさすがである。映画化も決まっている『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら』の公開も楽しみである。因みに六角は映画『すばらしき世界』への出演も控えており、ここでの名バイプレイヤーぶりも見ものだ。

 『おちょやん』第7週「好きになれてよかった」では、映画女優の卵として再スタートした千代の姿が描かれるが、気づけば“カタキン所長”の登場シーンを待ち望んでしまっている自分がいる。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥、中村鴈治郎、名倉潤、板尾創路、 星田英利、いしのようこ、宮田圭子、西川忠志、東野絢香、若葉竜也、西村和彦、映美くらら、渋谷天外、若村麻由美ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

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