FANTASTICSが語る、EXILEツアー帯同の裏側とグループの成長 「歓声や熱気は忘れられない」
19/4/3(水) 7:00
FANTASTICS from EXILE TRIBEの2ndシングル『Flying Fish』が、4月3日にリリースされる。先輩グループの数々のヒット作を手掛けたクリエイター陣を迎えた同作がまとうのは、デビューから半年足らずのニューカマーの楽曲とは思えないほどの王道感とエバーグリーンな輝きだ。一度に数百メートルも跳躍するというトビウオの如く、2作目にして完成度の高いこのシングルでブレイクを予感させるFANTASTICS。バラエティに富んだシングル収録曲について、そしてその完成度の裏側に隠されたEXILEのドームツアー『STAR OF WISH』に帯同した成果についても聞いた。(古知屋ジュン)【※インタビューの最後にサイン色紙プレゼント情報あり】
世界「10年後、20年後にもフレッシュさを感じてもらいたい」
――ニューシングルのタイトル曲「Flying Fish」は、先日公開されたMVの反響が大きいですね。
佐藤大樹(以下、佐藤):ありがたいことにすごく評判が良いです。この曲は「新しい自分」がテーマなので、進学や就職などで新生活を始める方が多いこのシーズンにぴったりかなと。
八木勇征(以下、八木):2作目にして歌詞を(EXILEをはじめLDH所属アーティストの人気楽曲を多数手掛けている)小竹正人さんに書いていただいたので、責任やプレッシャーも感じつつレコーディングに臨みました。歌詞の一語一語からいろんな色を連想できるような“小竹マジック”が詰まっている曲なので、僕たちボーカル2人もその魅力をどう声で表現するのか、歌い回しに試行錯誤しました。
中島颯太(以下、中島):先輩方が歌ってきた小竹さんの歌詞を思い出すと、勇征くんが言うように責任やプレッシャーを感じずにはいられなくて(笑)。それに、このテンポのダンスミュージックに日本語をのせて歌うのは難しいんですよ。歌詞にどうアクセントをつけるかも2人でいろいろ試してみて、サビでは爽快感を声でも表現できるように心がけました。楽曲の構造に合わせて、ストーリー性も考慮しています。
――MVでの振付も好評でした。振付は1stシングルの『OVER DRIVE』に続けて世界さん主導ですか?
世界:はい。イントロは大樹、(瀬口)黎弥、さわなつ(澤本夏輝)が作ってくれたので、全体的にキャッチーすぎず、難しすぎず、スタイリッシュなものになるようにバランスを取りながらまとめました。この曲ではボーカルも一緒に踊ることになったため、振り入れのときから全員で練習しています。裏テーマとしては“一体感”を意識して、説明するのではなく感じてもらえるような振付にすることを心がけました。
――世界さんはブログで「歌詞に出てくるトビウオにはいろんな意味が込められていると思います」と書いていました。
世界:小竹さんから楽曲の世界観の参考として、トビウオが泳いでいる映像をいただきました。トビウオって1回で何百メートルも飛びながら泳ぐんですけど、僕らにもトビウオのように猛スピードでこの世界を泳ぎながら、アーティストとして大きくなって、いろんな場所で名前を知ってもらえるようになってほしいという、小竹さんのメッセージが込められているように感じました。それは僕たち自身の願いでもあります。10年後、20年後にこの曲のパフォーマンスを初めて見る方にも、フレッシュさを感じてもらいたいです。
――パフォーマーのみなさんは完成した振りをどう受け止めましたか?
瀬口:最初に見たときに「これはヤバいな!」と。サウンドとのマッチ感もありつつ、振り入れの瞬間からすごく気持ちよく踊れたんです。個人的には〈新たな光を浴びて 鱗は青く輝き〉の部分の動きが、今までの振りにはないインパクトがあって気に入っています。
木村慧人(以下、木村):黎弥くんがいうように全体的に踊りやすいですし、見ている方に歌詞の言葉が入っていきやすい振りだと思っていて。イントロ部分で全員が魚群みたいに一緒に動くところがあるんですけど、そこが特に評判がいいです。
堀夏喜(以下、堀):僕、思ったことをすぐ口に出しちゃうので「ヤバい!」「かっけぇー!」とか逐一言っちゃうんですけど(笑)、この曲はもう踊っていて楽しすぎたので、すごくそのクセが出ましたね。2番のサビの〈この世界は広い 進んでく道 果てなく長い〉で“広い”に合わせて腕を開く動きがあるんですけど、そこの歌詞とダンスのハマり具合がすごく気持ちいいです。
澤本:僕はアウトロの〈take me there…〉のところが好きです。MVでは横一列になってメンバー全員で踊るんですけど、踊っていて自然と笑顔になれました。たぶん、見てくれている方も思わず笑顔になっちゃうと思います。
佐藤:今までのFANTASTICSの楽曲はテンポも速いし、曲調もガシガシ攻める感じの“THEダンスチューン!”な感じだったのが、今回はある意味真逆を行っていて。どっちも楽しいんですけど、この曲は爽快そのもので、今のFANTASTICSにぴったりだと思います。
――ボーカルのお二人は、一緒に踊ってみてどう感じましたか?
中島:MV撮影では8人で踊った時に一体感を出せるように、かなり練習しました。これからもっと工夫して、ダンスでもいろんな一面が出せるように頑張りたいです。
八木:MV撮影当日はけっこう緊張もしていたんですけど、撮影を重ねる中でメンバーのみんなとも声をかけあったりしていて、僕はシンプルに「ダンスって楽しいな!」と思いました。
佐藤「王様になった気分」
――シングル収録曲の「Believe in Love」は、映画『4月の君、スピカ。』の主題歌です。大樹さんは、ご自身の主演作の主題歌にFANTASTICSが起用されるのはどんな気分でしたか?
佐藤:まあ、王様になった気分ですよね。
全員:(笑)。
佐藤:正直、主演作での主題歌は夢だったので、「こんなに早く叶うんだ!?」という驚きはありました。映画の世界観と絶妙にリンクする楽曲に仕上げていただいて、映画の中でもどんぴしゃのタイミングで流れるんですよ。試写会でひと足先に見たメンバーも「鳥肌が立った」と言ってくれて、グループに貢献できたのもよかったです。
――メンバーのみなさんは、どんな気分で役者としての大樹さんの作品をバックアップしましたか?
中島:映画主題歌を歌わせていただくのは夢でしたし、しかも大樹くんが出ている作品ということで嬉しさも倍になりました。
八木:FANTASTICS初のバラードということもあって、この曲でもいろいろ試行錯誤しながらレコーディングに臨みました。映画を観ている方、聴いてくれる方に寄り添えるような歌い方になるように、ボーカル2人でニュアンスを話し合ったりして。
中島:歌声に表情をつけることをテーマにしつつ、映画館では曲が大音量で響くので、レコーディングではフレーズの最後まで歌詞を届けられるように、語尾までしっかり歌うことを心がけました。
――「Flying Fish」もそうですが、作家陣も作詞が岡田マリアさん、作曲、編曲が春川仁志さんと、LDHファンの方々にはよく知られているクリエイターで固めています。
佐藤:岡田さんはGENERATIONSの「Love You More」など、EXILE TRIBEファンに人気の楽曲をたくさん手掛けている方なので、この曲もライブで披露するときに、会場の熱量がぐっと上がるようなイメージが湧きます。あと春川さんの曲といえばEXILEの「ただ…逢いたくて」を思い浮かべる方も多いと思うんですけど、この曲のMVを監督した大谷健太郎さんが、映画『4月の君、スピカ。』の監督さんだったりもして、いろんな縁やめぐり合わせを感じる一曲でもあります。
――「Can’t Give You Up」は、ラテンのフィーリングも入ったアッパーな楽曲です。
世界:この曲ではボーカル2人が覚醒してるので要チェックですよ。
佐藤:これまでの楽曲にはないセクシーさがあって、夏の夜にぴったりだと思います。
八木:歌詞をMasaya Wadaさんという、自身でもアーティスト活動をされている方に書いていただいて、ボーカルディレクションもお願いしました。レコーディングを進めるなかで、フェイク回しから曲のグルーヴに合わせたボーカルのハメ方までいろんなことを教わって、本当に得るものが大きかったです。
中島:マイナーコードの曲なので、僕たちの声がそこにどう乗るかも考えながら取り組みました。こういうリズムの曲だと日本語で歌いながらグルーヴを出していくのが難しいんですけど、いろんな課題を乗り越えてきた成果が、この曲で出せたと思います。
八木「ATSUSHIさんやTAKAHIROさんにもアドバイスをいただきました」
――帯同したEXILEのツアー『STAR OF WISH』についても教えてください。FANTASTICSとして初めてのドームのステージはどうでしたか?
澤本:普通ではありえないような貴重な経験をさせていただきました。自分たちのパフォーマンスを映像で見返しつつお互いにアドバイスをしあったりして、一公演一公演レベルアップできるように頑張ってきました。EXILEのメンバーである世界さん、大樹くんに早く追いつきたいという気持ちも、もちろんありました。ステージを一番遠い客席から見たりして、大きい会場で自分たちがどんな風に見えているのかというイメージのつかみ方を勉強できたのも良かったです。
堀:最初から最後までずっと緊張しながら完走したのは、正直初めてでした。EXPGの生徒時代にアーティストの方々のツアーに同行させてもらったこともありましたけど、ここまで意識を高く緊張感を保てたかというとそうじゃなかったと思います。先輩方の顔に泥を塗るわけにはいかないですし、EXILEを観にきている方々の前でパフォーマンスするということで、どのライブもホームでありながらアウェーでもありました。このツアーを経験して、ステージへの取り組み方も変わってきたと思います。
木村:ツアーを観に来られた方々にも“初日と千秋楽のパフォーマンスが全然違ってすごくよくなった”と言っていただいたんですが、僕たち自身もグループとしての成長を実感したツアーでした。
瀬口:(堀)夏喜が言ったように僕らはスクール生時代にもドームには立っているんですが、アーティストとしてあのステージに立てるということがすごく光栄でした。個人的にはツアー中に、(黒木)啓司さんから毎公演のパフォーマンスに関する細かいアドバイスをいただけたのが印象的で。これまであまり会話をする機会がなかったんですが「自分に似ているダンスをしてるなと思って興味を持った」と言っていただいて、嬉しかったです。
――ボーカルのお二人は「Turn Back Time feat. FANTASTICS」でのコラボもありました。
八木:最初にツアーの話を聞いたときは正直、自分がドームのステージで歌えるのか不安でした。リハーサル段階でもEXILEのみなさんとの熱量の差みたいなものを感じていたんですけど、人を喜ばせるために一生懸命ステージを作っていく過程から見せていただいて、最終的には同じ気持ちでゴールできたように思います。ATSUSHIさんやTAKAHIROさんにもたくさん歌に関してアドバイスをいただきました。
中島:大好きなEXILEのみなさんと共演できるツアーということで、やっぱりすごく緊張しました。僕たちは初めてレコーディングした曲がATSUSHIさんやTAKAHIROさんと一緒に歌わせていただいた「Turn Back Time feat. FANTASTICS」で、楽曲自体にも思い出がたくさんあります。このツアーでは、リハでATSUISHIさんやSHOKICHIさんがライブだけのアレンジに取り組んでいく様子など、日本のトップレベルのパフォーマンスを裏側から見せていただけたことがすごくいい経験になりました。
――世界さん、大樹さんは初めて両グループのメンバーとしてツアーに参加しています。
世界:EXILEとFANTASTICSのどちらも全力でパフォーマンスに取り組むというところは変わらないんですけど、この2グループではいろんな部分で次元が違うので、切り替えが大変でした。FANTASTICSとしては自分たちの等身大を表現していますけど、EXILEの場合は自分たちの過去や未来、歴史など、大きなテーマを全員で抱えているようなイメージがあります。本番では先輩方が作った温かい空気感の中で、僕たちがその胸を借りる形で「OVER DRIVE」をパフォーマンスさせていただきました。メンバーも初日はものすごく緊張してましたけど、千秋楽のときには垢抜けたなと感じましたし、大樹も僕も、その場を楽しむ余裕ができたと思います。
佐藤:EXILEとFANTASTICSではまったく別物でした。僕はツアーでは毎公演めちゃくちゃ緊張するほうなのですが、「OVER DRIVE」ではメンバーの人数が少ない分、MAXに緊張していて(笑)。FANTASTICSは僕らが0から1にしたグループで、このメンツでいきなりドームのステージに立つということにも、武者震いしていました。ツアーの初日に京セラドームで僕たちのメジャーデビューを発表したんですけど、そのときのお客さんの歓声や熱気は忘れられない出来事です。
――今後の糧になるような経験だったのではないかと思います。ここから先のみなさんの活動にそれがどう反映されるのかも楽しみです。
佐藤:現状で発表されているイベント出演以外は、リリースもライブもまだ正式には決まっていないことが多いです。でも、今年中に何らかの形で新曲は発表すると思います。
世界:ワンマンライブも早めにやりたいと思ってはいますけど、あせらずに着実に歩みを進めて、FANTASTICSとしての完成されたエンタテインメントを見せたいです。その暁には誰もやったことがないようなステージにしたいと思っています。
(取材・文=古知屋ジュン/写真=林直幸)
■リリース情報
『Flying Fish』
4月3日(水)発売
CD+DVD:¥2,000(税込)
CDのみ:¥1,300(税込)
<CD収録曲>※2形態共通
M1.Flying Fish
M2.Believe in Love
M3.Can’t Give You Up
M4.Flying Fish(Instrumental)
M5.Believe in Love(Instrumental)
M6.Can’t Give You Up(Instrumental)
(Special Bonus Track)
OVER DRIVE(English Version)
<DVD収録内容>※CD+DVDのみ
Flying FishMV
■関連リンク
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