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まつもと大歌舞伎「夏祭浪花鑑」生配信決定!中村勘九郎「必ずやりたかったこと」

ナタリー

「渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』」より。(c)松竹

「第7回 信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』」のライブ配信が決定。配信に向け、去る6月4日に出演者である中村勘九郎の取材会がオンラインにて実施された。

串田和美演出の「夏祭浪花鑑」は、コクーン歌舞伎として1996年に初演されて以来、これまで繰り返し上演されてきた人気演目。今回は、団七九郎兵衛役の勘九郎、団七女房お梶役の中村七之助、一寸徳兵衛 / 徳兵衛女房お辰役の尾上松也の顔合わせで行われる。「渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』」と題された東京公演は5月に公演を終え、6月17日からは、「第7回 信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』」として長野・まつもと市民芸術館 主ホールで上演される。

配信されるのは、6月20日15:00開演回。配信媒体は歌舞伎オンデマンド、MY Bunkamura、Streaming+、PIA LIVE STREAMで、視聴チケットは、本日6月8日10:00に販売開始される。配信の実施について「必ずやりたかったこと」と目を輝かせる勘九郎は、東京公演の初日が、新型コロナウイルスの感染拡大と緊急事態宣言の影響を受け、6日間延期になってしまったことに言及。「配信を通して、中止公演のチケットをお持ちだったお客様に『夏祭』をお届けしたいという気持ちがまずありました。それから、東京公演に行きたくても行けない、というお声も全国からいただいていて。そういった方々にも観ていただけるので、配信が実現してとてもうれしい」と微笑む。

勘九郎は、かつては配信に対して前向きではなかったと話し、その考えが変わったのは、昨年中村屋で実施した生配信公演だったと続ける。「コメント欄が、“待ってました”、“やってくれてありがとう”というお言葉であふれていて。(配信は)今後も続けていきたいですね」と思いを述べた。

配信のメリットを記者から聞かれた勘九郎は、「自由に観られるところ」と回答。「江戸時代の歌舞伎には、ご飯を食べたり、お酒を飲んだり、入退場自由で観られるという魅力がありました。当時の自由な見方が楽しめるのは、ご自宅なんじゃないかと。あと、これは七之助も言っているんですけど、配信って1枚の視聴チケットを買ったら、ご家族全員で観ていただける。なのでこれを機に、これまで歌舞伎に触れてこなかった方にも観ていただけたら」と語る。

「団七は、父(中村勘三郎)を通してとても好きな役で、必ずやりたい役の1つだった」と話す勘九郎が、団七九郎兵衛を初役で務めたのは、2011年に福岡・博多座で上演された「桜壽博多座大歌舞伎」。このとき、勘九郎は勘三郎の代役として出演した。初役時を「あまり記憶がない」と明かす勘九郎は「急に決まったことでしたね。九州新幹線の開通記念で、博多の皆さんも父を待っていたときで。またちょうどその時期、僕は、三谷幸喜さんの『ろくでなし啄木』という三人芝居を終えたばかりだった。体力的にもキツかったですし、しかも東日本大震災も起きて……。芝居をしていていいものなのか、自問自答をしながらの日々でした」と当時の苦悩を振り返る。

今回の上演について「準備期間もたっぷりありましたし、10年前とは心も身体も全然違う」と話す勘九郎は、「コロナ禍に合わせて演出の変更があり、出演者も七之助、松也と、メンバーが一新しました。このカンパニーでの団七がつかめた気がします」と手応えを述べた。さらに勘九郎は「本作では、父もやっていなかった道具屋の場面を含め、玉島兵太夫内の場など、原本から端折っている部分もあります。なので、串田さんとは新型コロナウイルス(の状況)が晴れたら『夏祭浪花鑑』の“完全版”をやろう、と話しています」と構想を明かした。

「第7回 信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』」配信

2021年6月20日(日)15:00~

「第7回 信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』」

2021年6月17日(木)~22日(火)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

「渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』」

2021年5月12日(水)~30日(日)※公演終了
東京都 Bunkamura シアターコクーン

作:並木千柳、三好松洛、竹田小出雲(「夏祭浪花鑑」より)
演出・美術:串田和美

出演

団七九郎兵衛:中村勘九郎
団七女房お梶:中村七之助
一寸徳兵衛 / 徳兵衛女房お辰:尾上松也
玉島磯之丞:中村虎之介
団七伜市松:中村長三郎
傾城琴浦 / 役人左膳:中村鶴松
三婦女房おつぎ:中村歌女之丞
三河屋義平次:笹野高史
釣船三婦:片岡亀蔵

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