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松下洸平演じる八郎の魅力が止まらない! 『スカーレット』が描く物作りの根源

リアルサウンド

19/12/14(土) 15:30

 『スカーレット』(NHK総合)第11週「夢は一緒に」では、喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)が常治(北村一輝)のもとへ挨拶に訪れる。

参考:『スカーレット』第67話では、正月休みに東京から直子(桜庭ななみ)が帰ってくる

 “授業料”という名の夫婦貯金を始めたり、大阪に映画を観に行き美術館、絵画展を巡る約束をしたりと、順調に愛を育む「ハッチー&ミッコー」こと八郎と喜美子。しおらしい喜美子の表情に思わず布団に顔を突っ込んで叫ぶ八郎の姿は、好きで堪らない心情を上手く伝えた名シーンである。「一緒に乗り越えよな」。そんな八郎のセリフを経て、やっと辿り着いた常治への交際の挨拶。「いつか陶芸家になりたい夢を持ってる……そんな夢、必要ですか?」。両親を早くに亡くし、苦労して美術大学を出た八郎の生い立ちを知った常治は、丸熊陶業という安定した職場にいてほしいと伝える。常治が結婚の条件として八郎に提示したのは、陶芸展での受賞だった。

 陶芸展に向け、集中して作陶に取り組む八郎。彼の横で土をこね、一緒に夢を追う幸せを味わう喜美子。八郎の大鉢は焼きあがったが、若社長・敏春(本田大輔)の評価は「この色でええんか。綺麗に焼けているだけ、それだけ」と厳しい。作品作りは一からやり直しに。休みの日を返上して、八郎は作陶に没頭していく。

 一息入れて頭を柔らかくするためと、喜美子は八郎をカフェに誘う。カフェとは、信作(林遣都)の実家が大野雑貨店から改装したお店。信作だけでなく大野夫妻ともすっかり打ち解けている八郎は、お店に湯飲みを提供していた。それをきっかけに、八郎は夫妻からコーヒー茶碗の制作を依頼され、快諾してしまうのだった。

 カフェの開店は年明けの1月15日、そして陶芸展の締め切りが1月末。喜美子は夫妻の依頼を受けてしまう八郎が理解できずに、作品が思うようにいかないからコーヒー茶碗に逃げているのではないかと彼を責める。しかし、そこにあったのは陶芸家を夢見る八郎の変わらぬ思いだった。

「湯飲み茶碗、好きや言われて救われた。小さなことやけどな。ものすごぉ大きく救われたんよ。コーヒー茶碗欲しい言われたんも、作品作りに返せる力をもろた」

 八郎には、人の心を動かす作品を作りたいという思いがある。それは物作り、クリエーターにおける根源。八郎が喜美子にもらった絵を支えにしていたように、八郎の作品にも誰かを癒したり、励ましたりする力がある。八郎はそのことを見出してくれた夫妻の思いに応えたいと、依頼を快諾していたのだ。優しさだけではない、八郎の奥にしっかりと存在している信念に、憂慮していた喜美子の視線は真っ直ぐ前を向く。

 それにしても、八郎はなんと魅力的な男だろう。喜美子には常に優しく思いやりをもって接し、常治には真摯に誠実に自分の思いを伝え、クリエイターとしてのプライドもしっかりと持つ。加えてどこか鈍くさい、愛すべきところもある。八郎を演じる松下洸平も本作を経て人気が出ることは間違いないだろう。

 第12週「幸せへの大きな一歩」では、八郎が陶芸展で新人賞を受賞し、結婚の準備が始まるようだ。八郎の姉のいつ子(しゅはまはるみ)、女性陶芸家として成長の兆しを見せる喜美子を訪ねるひろ恵(紺野まひる)と新たなキャストも登場。予告では「キスはいつするんや」という八郎のセリフとともに、唇を近づける喜美子と八郎の姿も。八郎が語っていた夢の一つひとつが叶えられていく。(渡辺彰浩)

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