パラサイト 半地下の家族
19/12/27(金)
面白い。これに勝る正義はないのではないか。ポン・ジュノはついに開眼したのだと思う。
たとえば、格差社会を痛烈に皮肉った問題作、などという紋切型の賛辞は、この面白さを前に完全に敗北するだろう。
設定、キャラクター、展開、構図、芝居、シークエンス、ジャンルの混合、文体の交錯、末路、読後感、すべてが面白い。面白さが面白さ以上の何か(たとえばアートなど)を目指さないというひたむきさもまた、呆れるほど面白い。
面白さとは、生まれながらに、ひとつの抵抗であり、ひとつの思想であり、ひとつの主義であり、何よりもひとつの純潔である。解説や解読はすべて蛇足だ。わたしたちは、ただ満足すれば、それでよいのだ。
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