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2021年版は“新たな旅立ち”、野村萬斎が新演出で届ける「子午線の祀り」詳細解禁

ナタリー

20/12/25(金) 19:13

「子午線の祀り」2017年公演より。(撮影:細野晋司)

「子午線の祀り」2021年版の詳細が明らかに。併せて演出・出演の野村萬斎からコメントも到着した。

「子午線の祀り」は、「平家物語」を題材とした木下順二の叙事詩劇。2017年には世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演として萬斎の演出で上演され、第25回読売演劇大賞の最優秀作品賞を受賞した。新演出での上演となる今回も演出を萬斎、音楽を武満徹が担う。また、初演で31名だった出演者は17名に再編成され、萬斎、成河、河原崎國太郎、吉見一豊、村田雄浩、若村麻由美らがキャスティングされた。

2021年版の公演は2月21日から27日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホール、3月3・4日に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、7・8日に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、13・14日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、19日から30日まで東京・世田谷パブリックシアターにて。チケットの一般販売は2月14日にスタートする。

萬斎は、「子午線の祀り 2021 with コロナバージョンに向けて」と題されたコメントを発表。萬斎は「この1年間、世界はコロナウイルスという大きな波に揺れている。しかし我々は、足を波に掬われようとも自分の座標軸をもち、すっくと現在この時に立っていなければならない。この『子午線の祀り』も、早くも大きなアップデートを迫られている。戯曲を圧縮し、言霊を磨き、舞台美術を変え、役者の身体性をより強固にアグレッシブにして、演出の濃度を上げる。それは再演という括りでは収まらない、新たな旅立ちである」とメッセージを送っている。

野村萬斎コメント

子午線の祀り 2021 with コロナバージョンに向けて

1979年の初演より半世紀を過ぎて尚輝く名作。2017年の新演出では、数々の賞を頂きました。何故この作品がこれまで息長く、また時代に合わせたアップデートに耐えて輝き続けるのか。

それは木下順二が、日本の普遍の名作「平家物語」に、世界の普遍の名作「ギリシャ悲劇」「シェイクスピア」を掛け合わせ、宇宙の目線から見つめるというハイブリッドな戯曲(レクイエム)を書き上げたからに他ならない。数百年、数千年の普遍を掛け合わせれば、それは絶対普遍とも言えるのではないか。後は、現在に生きる我々が、いかにアップデートするかにかかっている。

この1年間、世界はコロナウイルスという大きな波に揺れている。しかし我々は、足を波に掬われようとも自分の座標軸をもち、すっくと現在この時に立っていなければならない。この「子午線の祀り」も、早くも大きなアップデートを迫られている。

戯曲を圧縮し、言霊を磨き、舞台美術を変え、役者の身体性をより強固にアグレッシブにして、演出の濃度を上げる。それは再演という括りでは収まらない、新たな旅立ちである。

コロナ禍だからこそ我々は、現在、何処に、何故に、どのように生きているのか? あなたの目前に漂う「生と死」と、歴史の波に漂う源平壇ノ浦合戦の「生と死」が合致してオーバーラップする時、あなたは自分の存在を宇宙の目線から知り、自らをアップデートするのである。そして「満々とひろがりひろがる現在という時空の海面に、あなたはすっくと立っている。」ことを自覚するのである。

戯曲の主人公の一人である平知盛を演じるのは4度目である。「見るべき程のことは見つ」とまさに世の中を俯瞰して千尋の海に沈む知盛の目線は、時空の闇を超えて今を生きるあなたの目線に、影身として寄り添うのである。

「子午線の祀り」

2021年2月21日(日)~27日(土)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール

2021年3月3日(水)・4日(木)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2021年3月7日(日)・8日(月)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

2021年3月13日(土)・14日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2021年3月19日(金)~30日(火)
東京都 世田谷パブリックシアター

作:木下順二
演出:野村萬斎
音楽:武満徹

キャスト

新中納言知盛:野村萬斎
九郎判官義経:成河
大臣殿宗盛:河原崎國太郎
梶原平三景時:吉見一豊
阿波民部重能:村田雄浩
影身の内侍:若村麻由美

星智也、月崎晴夫、金子あい、時田光洋、松浦海之介、岩崎正寛、浦野真介、神保良介、武田桂、遠山悠介、森永友基

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