ロマンスドール
20/1/20(月)
(C)2019「ロマンスドール」製作委員会
女性監督がラブドールについて描く。しかもタナダユキ監督初のオリジナル小説をご自身が映画化したわけでして。
あぁ、なんて愛おしい人たちなのでしょう。
こんなにも登場人物に愛着が湧いて、ずっと見守っていたいとさえ思えた映画に出会えたことが有難い。
そして、肌に触れただけで、相手との相性が分かるという、ある意味、本能に焦点を当てた恋愛というのも興味深いのです。
蒼井優さんが演じればどんな女性も魅力的になるのは分かっていたけれど、高橋一生さんにとっては代表作になるであろう、職人であり、愛おしい夫であり、妻への愛情を、佇まいから感じ取れるのは、長年の舞台経験から魅せる演技力に違いない!
男だから、女だから、とは言いたくないけれど、セックスについて言うならば、愛しているから触りたい、繋がりたい、愛おしいから抱き合いたい、という感覚が、大多数の女性が思っているセックス感なのではないでしょうか。
それは別に、手をつなぐ、抱きしめるだけでもいいときもあって。
愛を感じるための特別な儀式。
なんだか、そんな思いを画面いっぱいに伝えてくる愛おしい夫婦の物語なのです。
言葉が多いわけでもなく、お互いを探り合いながら、お互いをちょっとだけ気遣い合いながら、だけどときに自分本位になってしまう男と女の愛されたいが故の掛け違いが絶妙に綴られていて、空気感を肌で感じるような画が、切なく、それでいてどこか心地良いのです。
しかも高橋一生さんの職場の上司を演じるきたろうさんがまたかわいい!
きたろうさんと渡辺えりさんがラブドール製造会社を支えているという構図がとても面白く、このふたりの会話にクスクスと笑ってしまうのだから。
愛しているからこそ真実を隠し、愛しているからこそ裏切ってしまう。
心も身体も全部愛し抜く純愛ってこういうことなのかもしれないですよ?
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