Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

永瀬正敏の許可なく3エピソードが1本の映画に?林海象6年ぶり新作「BOLT」公開

ナタリー

20/12/12(土) 17:29

「BOLT」公開記念舞台挨拶の様子。左から永瀬正敏、佐野史郎。

「BOLT」の公開記念舞台挨拶が本日12月12日に東京・テアトル新宿で行われ、キャストの永瀬正敏、佐野史郎、金山一彦、後藤ひろひと、月船さらら、吉村界人、大西信満、監督を務めた林海象が登壇した。

本作は大地震という未曾有の惨事を引き金に、人生が大きく翻弄される男を主人公にした人間ドラマ。振動でゆるんだ原子力発電所のボルトを締めるため、男は仲間とともに原発の中心部へと向かう。林にとって「彌勒 MIROKU」以来6年ぶりの新作であり、「私立探偵 濱マイク」などでもタッグを組んだ永瀬が主演を務めた。

本作は「BOLT」「LIFE」「GOOD YEAR」の3エピソードで構成されているが、林曰く3本は「バラバラの物語」。撮影は別々の時期に行われており、当初はオムニバス形式の映画にする予定もなかったそう。林は「永瀬さん演じる男が3人別々なのか1人の同一人物なのかはあいまい。たぶん永瀬さんは1本ずつ違う人物として演じてくれている。それを許可なく1本化してしまった。申し訳ない」と笑い混じりに語ると、永瀬は「作品は監督のものですから」と納得の様子。また永瀬は「撮影しているときはちゃんと劇場で公開されるとはまだ考えていなかった。こうして海象さんと久々に壇上に立たせていただく機会に恵まれて非常にうれしく思います」と続けた。

1986年に林の長編デビュー作「夢みるように眠りたい」で映画初主演を務めた佐野。「35年前に僕が29歳で、監督は27歳。こうしてまだ一緒に映画を撮れていることにただただ感謝するばかり。ご覧いただけるお客さんがいるからこそ」と感謝の言葉を投げかける。「BOLT」の撮影では防護服の衣装に苦労したそうで「きつかったですね。リアルな芝居になっていないところもある」とコメント。また永瀬と同じく劇場公開されることは考えていなかったと述べ、「公開のために撮るのではなく、映画を撮るために映画を撮るんだ!という穢れのない素直な気持ちが映っているんじゃないかと思います」とアピールした。

「BOLT」は現代美術家ヤノベケンジが香川・高松市美術館に作り上げた近未来的な巨大な美術セットで撮影されている。美術館は撮影中も一般の人に開放されており、順路のモニターから撮影の様子を見学することもできたそう。金山は「何日かすると人がすごく集まってきていて。僕は勝手に『今日はこんなシーンを撮ります』とお客さんに説明したりして拍手をもらってました(笑)。とても楽しく撮影できました」と振り返った。

映画は「BOLT」「LIFE」「GOOD YEAR」の順番となっているが、撮影自体は「GOOD YEAR」からスタートした。林は「『GOOD YEAR』のときはこんな形になるとはまったく思っていなかった。永瀬さんに『続けたらどうですか?』とアドバイスをいただいて『LIFE』が生まれた。そして『LIFE』のときも次に『BOLT』を撮るとは考えてなかった」と制作秘話を明かす。エピソードの順番は1年ほど悩んで決めており、「なんとなく映画自体がつながり合った。こういう作り方はあまりできない。暗闇を進むような感じでしたけど、できあがったものは面白いと思います」と自信をのぞかせた。

「BOLT」はテアトル新宿ほか全国で順次ロードショー。また「夢みるように眠りたい」のデジタルリマスター版も12月19日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開される。

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む