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トリコ・Aとサファリ・Pを“融合”「PLEASE PLEASE EVERYONE」作・演出は山口茜

ナタリー

トリコ・A×サファリ・P vol.1「PLEASE PLEASE EVERYONE」チラシ表

トリコ・A×サファリ・P vol.1「PLEASE PLEASE EVERYONE」が、12月1日から9日まで京都・THEATRE E9 KYOTOで上演される。

これは、山口茜の作品を上演する団体トリコ・Aと、主に既成の戯曲・小説を上演する団体サファリ・Pを“融合”した公演。山口が作・演出を手がける本作では、“今より少し未来の日本”を舞台にした物語が描かれる。そこでは、子供は子育ての訓練を受けた大人により育てられていた。しかしある日突然、子供の生活は生みの親に一任するという通達が国から下される。子供たちを守るため、大人たちは一丸となって国の決定に反発するが……。

出演者には、大原めい、山地美子、高杉征司、芦谷康介、達矢、佐々木ヤス子、中筋和調、岡田菜見、しんえな、福間歩、南岐佐が名を連ねた。山口は、本作のキャッチコピー「ウソでもいいから ひとつになりたい」に触れ、「今回お届けするのは、チラシに載っているこのキャッチコピーから感じる『それほど切実に思っています』という雰囲気ではなく、むしろ『ウソでもいいから』と思ってしまう問題点について問い、観客の皆さんと考える演劇です」とコメントした。

なお、一部の公演は、タブレット端末を使用した字幕サービスに対応している。

山口茜コメント

「ウソでもいいから ひとつになりたい」

今回お届けするのは、チラシに載っているこのキャッチコピーから感じる「それほど切実に思っています」という雰囲気ではなく、むしろ「ウソでもいいから」と思ってしまう問題点について問い、観客の皆さんと考える演劇です。なにそれ難しそう、それならいいや、と思われた方、どうか少しお待ちください。

ウソじゃいかん、ウソだと意味がない。それはみんなが知っていることです。我々は目を見開き、真実、つまりどうしたってひとつになれないことを引き受けて生きていくしかない。でもそれが恐ろしい。私もそうです。だから目を瞑って、岸辺に止まってしまう。みんなと手をつないでいる気分に浸ってしまう。ところがいつまでもどこまでも、目の前に広がるのは漆黒の海原で、我々に与えられたのはボートとオール、各1つずつです。漕ぎ出さなければ誰とも出会えず、何も手にすることはできません。そんなとき私たちに必要なのは、勇気です。

漕ぎ出せば必ず、甘美で切実な孤独の哀しみはにじみ出します。時折それに酔うのも悪くないでしょう。そして志半ばで大海原に投げ出され海の藻屑となった時、初めて世界とひとつに戻れます。でもその時までは、体力の続く限り、オールを振りかぶって漕いでみよう。そして時折出会う別のボートに乗る人々に手を振ろう。今回、皆様が劇場にお越しいただくことも、漕ぐことです。ほんのひと時、手を振り合って、励まし合いませんか。そんなことを願って、創作しています。

トリコ・A×サファリ・P vol.1「PLEASE PLEASE EVERYONE」

2021年12月1日(水)~9日(木)
京都府 THEATRE E9 KYOTO

作・演出:山口茜
出演:大原めい、山地美子、高杉征司、芦谷康介、達矢、佐々木ヤス子、中筋和調、岡田菜見、しんえな、福間歩、南岐佐

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