みうらじゅんの映画チラシ放談
『仮面ライダー 平成ジェネレーションズFOREVER』『ワイルド・ストーム』『レッスル!』
月2回連載
第10回
─── 今回はいつもより多めの3本、続けてお聞きします。1作目は『仮面ライダー 平成ジェネレーションズFOREVER』、年末恒例の仮面ライダー映画ですが、そもそもみうらさん、仮面ライダーはご覧になったことは?
仮面ライダーの映画版は、確か何周年記念作っていうの観たんですよ。歴代の仮面ライダーが全員集合するやつで、仮面ライダー電王っていう電車に乗るライダーがメインで出ていたような。
仮面ライダー1号を観たのは僕が中学1年生のときだったから、もう50年近く経っていますよね。その映画では巨大な悪いヤツがボスとして出てくるんですが、その巨大な敵に対して、ライダーたちが大編成を組んでその何十周年の数字の形に連なって向かっていくんです。いやぁ、劇場で爆笑しましたね。
─── おそらく40周年のときの『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』で、2011年の映画ですから、今から約8年前ですね。
そうです! 編成の形は“40”でした(笑)。仮面ライダー1号の声は藤岡弘、さんが当てておられたと思うんですが、やっぱ、そうなると平成のライダーたちは先輩を立てていかなきゃなりません。
昭和のライダー先輩の必殺技って基本、ライダーキックじゃないですか。敵のショッカーだってそりゃ気を遣うわけでね、キックを受けたら派手にやられたフリをするんです。全日本プロレスの新春バトルロワイヤルで、ジャイアント馬場さんの16文キックに向かって外人選手が自ら飛び込んでいって倒れてくれるみたいな、まさにあの気遣いでしたね(笑)。最新のライダーたちはCGでミサイルとかいっぱい飛ばしてるのに、ショッカーはちゃんと初期のライダーたちに敬意を持ってるなあって感心しましたね。