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櫻坂46 森田ひかる&藤吉夏鈴&山﨑天チームで見せる三者三様の持ち味 初ライブに感じた多面的な魅力

リアルサウンド

20/12/11(金) 12:00

 櫻坂46が12月8日夜、初のライブ『デビューカウントダウンライブ!!』を開催した。会場は東京国際フォーラムのホールA。今回は新型コロナウイルスの影響により無観客での開催となり、ライブの模様は全国の映画館で生中継された。

 まずスクリーンに流されたのは、10月に開催された欅坂46のラストライブの映像や、デビューシングル「Nobody’s fault」のMV撮影の様子。改名前後の彼女たちの表情には不安と期待が入り混じっている。この短い期間に欅坂46としての最後の活動と新グループのための制作が交錯していたため戸惑いは大きかっただろう。ほどなくして、櫻坂46になって一新された「OVERTURE」が彼女たちの背中を押すように会場に流され、いよいよ開演。

 今回の大きな特徴は、3人のセンターそれぞれの楽曲のカラーをより鮮明に感じ取ることのできる三段構成のセットリストだ。森田ひかるをセンターとした選抜チーム、次に藤吉夏鈴をセンターとしたチーム、そして山﨑天をセンターとした3つのチームが順番にステージに立つ。

 最初にステージに現れた森田チームは、1stシングル表題曲「Nobody’s fault」を力強く歌い上げた。ラストライブで初お披露目となったこの曲は、これまでにテレビ披露やスタジオ収録など、回を重ねるごとにブラッシュアップされている。少し笑顔を見せてみたり、また逆に鋭い表情を貫いてみたりと、メンバーたちの表情にも微細な変化が感じ取れる。そうした試行錯誤の甲斐もあってか、この日のパフォーマンスが今までで最も切れ味が良かったように思う。

 続いて披露した「ブルームーンキス」では、紗幕に大きな青い月が映される美しい演出がされていた。メンバーたちの表情も妖艶で、誘うような振り付けを見せていく。不覚にも筆者もこの場面にはドキドキさせられた。

 森田チームとしての最後の曲は「最終の地下鉄に乗って」。穏やかな曲調のこの曲が会場の空気を一旦落ち着かせる。こうした情感豊かな3曲で画面越しの観客を魅了した。

 次は藤吉チームの出番。1曲目「Plastic regret」は幾何学的なダンスが魅力。背面のスクリーンに映し出されるカラフルな映像とマッチしている。そして先日公開されたMVも話題になった「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」で会場のテンションが爆発。センター藤吉が普段は見せないような新鮮な表情を覗かせる。

 最後は山﨑チーム。薄暗い照明の中で怪しげに踊る「半信半疑」を歌い上げる。メンバーの表情にも力が入っていた。続いて「Buddies」を歌唱。打って変わって爽やかなこの歌が、真っ白の舞台セットによって会場の空気を一気に変える。新グループになり、チーム一丸となって活動している雰囲気がこの曲から伝わった。

 このように3つのチームがそれぞれ違う一面を発揮したことで、櫻坂46というひとつのグループを多面的に表現していた。これまで欅坂46時代は「静と動」であったり、「陰と陽」のように、一つのものを表と裏の二つの側面から見せていた印象があったが、櫻坂46になって色々な見方のできるグループになったと感じる。MCでも藤吉が、自分がセンターに立つ曲について「自分なりの解釈を発見した」と話していたように、人によって様々な見方のできるグループになったのではないだろうか。

 そして、メンバー全員がひとりずつ挨拶を行った。これからの活動について決意表明する彼女たちは、経験豊富な1期生の堂々としたものから、まだ加入したばかりで緊張が伝わる2期生の初々しいものまで、十人十色。「グループをたくさんの色で染めていきたい」といった言葉も聞かれた。真っ白な衣装も相まって、メンバー一人ひとりの個性が際立っていたように思う。

 ラストは新曲「櫻坂の詩」を披露。幸福感にあふれるゆったりとした曲調で、この日の幕を下ろした。

 すべてを一新した櫻坂46。新しく生まれ変わった彼女たちからは、もう一度坂を駆け上がりたいという確固たる決意と、メンバーそれぞれの新鮮な輝きが感じ取れた。

■荻原梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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