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サナル・クマール・シャシダラン

「水の影」マラヤーラム語映画の監督が語る、性暴力多発するインドの現状

ナタリー

19/11/27(水) 19:24

第20回東京フィルメックスのコンペティション部門出品作「水の影」が本日11月27日に東京・有楽町朝日ホールで上映され、監督のサナル・クマール・シャシダランがQ&Aに登場した。

ロッテルダム国際映画祭で最高賞を獲得した「セクシー・ドゥルガ」で知られるインド・マラヤーラム語映画の監督シャシダランが手がけた本作。物語は女子学生のジャナキ、そのボーイフレンド、彼がボスと呼ぶ年長の男を中心に展開していく。ドライブに出かけたものの、その日のうちに帰れないことがわかり、モーテルに泊まった3人。ジャナキは、その夜ある恐怖に直面する。第76回ヴェネツィア国際映画祭ではオリゾンティ部門で上映された。

本作は1996年に16歳の少女が40人の男性に強姦された事件にインスピレーションを受けて製作され、インドで頻発する女性への暴力問題を3人の男女の関係性の変化によって描き出している。観客からは「彼女はレイプされていながら、彼氏の声を振り払い、おとなしくボスに付いて行った。彼女は嫌がりながらもボスに惹かれていたのか?」という質問が飛んだ。

シャシダランは「いまだに多くの文化で女性は男性のために存在するという見方があると同時に、処女性も重要視されており、彼女は処女を奪った男性にとらわれてしまう」とジャナキの行動を説明。映画には彼女のほかにも性被害に遭った女性が象徴的に描かれており「彼女たちは、一度被害に遭ってしまうと選択肢がない。自分の育った村に帰り、何事もなかったように生活することはあり得ないんです。ジャナキは14歳、15歳。結婚相手も親が決めるといった現状で彼女が自分で解決策を見つけることは難しい」とインドの現状を説く。さらに「例えばインドにおいて処女への強姦事件があったとして、犯人の男性が被害者の女性と結婚したら罪に問われないこともあります。夫になってしまえば、レイプも問題ないとみなされる。それ故にさまざまな家庭内暴力が起こり、結婚後のレイプといったことも起こる」と語った。

映画の後半、ジャナキが石を積む場面に関する質問も。シャシダランは「確かに彼女は不思議な行動を取りますよね。でもその理由はあえて提示したくない」と観客の判断に委ねつつ、該当シーンに関しては「宗教的な意図はなく、彼女は一度失ったバランスを、心の平静を取り戻そうとする。調和のシンボルとして石を積む場面を考えました」と明かした。

「水の影」は明日11月28日21時15分より東京・TOHOシネマズ 日比谷でも上映。

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